「大統領と親としてのと決断をアメリカ人ならわかってくれる」と、バイデン米大統領は有罪判決を受けた息子のハンターに大統領恩赦を与えました。 大統領職を私物化した親も親なら子も子で、「僕はあくまで刑に服す」などとは言わず、「父さんありがとう」と手放しの大喜びでした。
しかし、権謀術策に長けたバイデン・ゴッドファーザーの言葉は、明らかにトランプゴッドファーザーに向けられています。 息子と共謀した中国やウクライナとの汚職疑惑が大統領退職後も残っているからです。
① バイデンゴッドファーザーの恩赦:
2024年12月2日、バイデン米大統領は2つの刑事事件で判決を受けた息子ハンターに完全かつ無条件の公式恩赦を出した。バイデンゴッドファーザーは、息子が「選別された」とし彼の事件を「誤審」と呼んだ。ハンター・バイデンは脱税の告発で有罪を認め、6月には銃を所持した違法薬物使用者として、現職大統領の子供としては初めて有罪判決を受けた。9月に、「大統領は息子に恩赦を与えない」と、ホワイトハウスの報道官が伝えていた。が、バイデンゴッドファーザー自身が、12月1日の夜、「政治がこのプロセスに感染し、それが誤審につながった」と述べ、「アメリカ人が、なぜ父親と大統領がこのような決断に至ったのかを理解してくれる、、」と、語った。アメリカ人を欺いたバイデンは、偽証罪に問われかねない愚言を発した。
バイデンゴッドファーザーと息子が問われるべきウクライナ汚職は、2014年にウクライナで起こったマイダン・デモを利用し、バイデン副大統領(当時)がアメリカ傀儡政権を作ろうとした時から始まった。ウクライナ・エネルギー会社とバイデンファミリーの癒着事件の詳細は、共和党下院が調査中だ。
バイデンファミリーは、大統領職を失った。ガザ戦争停戦交渉に失敗した。レバノン戦争停戦にも失敗した。ウクライナ戦争も負けつつある。バイデンファミリーを操る<軍産複合体>は、兵器消費戦場をシリアに移した。シリア第二の都市アレッポをシリア反政府勢力に占拠させた。ロイターが、「シリアの首都ダマスカス近郊で3日、イスラエルが1台の自動車へ空爆を行い、レバノンの親イラン武装組織ヒズボラでシリア軍との連絡を担当するサルマン・ジュマア幹部を殺した。イスラエル軍は攻撃と殺害を認めた。イスラエルは11月にも、ダマスカス近郊のヒズボラ資産を攻撃したことをと発表した」と、報じている。
② トランプゴッドファーザー:
トランプファミリーは、バイデンの息子恩赦をSNS で強烈に批判した。トランプジュニアは<軍産複合体>と、ステファン・ミラーは<デイープステイト>と呼んで、バイデン政権を操る組織の存在を明らかにした。
しかし、そう言うトランプゴッドファーザー自身も、かって長女イバンカの義理の父チャールズ・クシュナーに恩赦を与えたことがある。チャールズ・クシュナーは2004年に、脱税、証人買収、選挙資金の違法献金など計18件の訴因で2年間の実刑判決を受けていた。さらに、捜査中に虚偽の陳述をした案件に関して、証人の改ざんや新たな脱税などに嫌疑がかけられていたが、2020年12月のトランプ大統領任期切れ直前、無罪放免にした。
不動産開発企業クシュナー・カンパニーズの創業者チャールズ・クシュナーは、民主党の大口献金者でもあった。ニュージャージー州で生まれている。クシュナー家は1949年に祖父母がベラルーシからポーランドを経て米国へ移民したユダヤ人で、ホロコーストからの生還者で、正統派ユダヤ教徒だ。2009年に結婚したトランプの長女イヴァンカも結婚前にユダヤ教に改宗している。
トランプゴッドファーザーは、11月30日、駐フランス大使に長女・イバンカの義理の父親チャールズ・クシュナーを使命した。12月1日には、実業家のマサド・ブーロスをアラブ・中東担当の大統領上級顧問に起用すると発表した。この役職にはトランプ大統領第一期の時、長女の娘婿ジャレッド・クシュナーが就いていた。ブーロスの息子はトランプの次女・ティファニーと結婚していて、次女・ティファニーの義理の父親になる。つまり、チャールズもブーロスも、トランプとは義理の兄弟で、前期に散々批判された親族起用をまたしてもやろうとしている。「ブーロス氏は国際的な場で豊富な経験をもつ、成功した弁護士。ビジネス界でも尊敬されるリーダーだ。交渉がうまく、中東における平和の揺るぎない支持者だ」と、トランプゴッドファーザーはSNSに投稿した。
③ トランプ前期の中東政策は後期も続くのか?:
クシュナー家とネタニヤフ家は、親戚付き合いをするユダヤ人ファミリーだ。
前期トランプ政権にトランプの娘婿クシュナーを送り込んだネタニヤフは、新中東構想と言う名目で<アブラハム合意>を立ち上げた。トランプ政権末期2020年の話で、<平和>と言う言葉に弱いトランプゴッドファーザーを、中東に平和をもたらすと説得し、目の上のたんこぶだったジョン・ボルトン・米国家安全大統領補佐官を<平和を嫌い戦争好き>とレッテルを貼り、首にした。
ネタニヤフは<アラブの分断>を企み、2020年8月にUAEアラブ首長国連邦と通商条約を結び、正式に国交を開始させた。アラブ諸国はイスラエルと兵器などの裏取引をやっていたが、表向きはイスラエルと敵対するパレスチナを支持し、イスラエルとの正式国交を控えてきた。が、<アブラハム合意>は商売第一主義の湾岸首長国の一角を崩し、バハレーンも落とした。「サウジアラビアもこの流れに逆らえない」と、絶好調だったクシュナーは、記者会見で豪語している。
ネタニヤフの狙いは、北アフリカのイスラム教を仕切るモロッコ王家と、究極には、世界のイスラム教徒の宗主であるサウジアラビア王家だった。西サハラを手に入れたい欲長けた貧乏国モロッコ王家は簡単に落ちた。モロッコ王はトランプの娘イバンカと娘婿クシュナーをモロッコに国賓招待した。トランプ末期の2020年12月10日に、トランプ前大統領は「西サハラはモロッコ領土であることを認める書簡」にサインをした。
以降、モロッコ王ファミリーは、イスラエルに傾倒し、ヨーロッパ諸国に<モロッコの西サハラ領有権承認>を、せっつくようになる。モロッコの脅しと賄賂の外交攻勢でサンチェス・スペイン首相は2022年3月18日に、マクロン・フランス大統領は2024年7月31日に、<モロッコの西サハラ領有権承認>の書簡をモロッコ国王に送った。モロッコ国王はトランプファミリーと同様に、二人を夫々国賓招待し、最大級のおもてなしをした。。
次期トランプ政権で中東担当特使を約束されているウィトコフ氏は、11月22日にガザ戦争停戦仲介国のカタールを訪問しムハンマド首相兼外相と会談し、11月23日にはイスラエルのネタニヤフ首相らと会談した。トランプゴッドファーザーは2025年1月20日の大統領就任までにガザ停戦を実現させたいようだ。
一方、トランプゴッドファーザーから、就任式までに戦争を終わらせるよう命じられたネタニヤフ戦争犯罪容疑者は、レバノン戦争を再開し、ガザではイスラエルの空爆と砲撃が続行し、支援物資トラックやセントラルキッチン食料援助隊を襲い、停戦どころかパレスチナ民族絶滅にラストスパートをかけた。
12月4日のアメリカ・マスコミを、<ゴッドファーザーマフィアの暗殺スタイル>という見出しが占拠しました。 ギャング映画もどきの暗殺事件は、12月4日午前6時45分、ニューヨーク・マンハッタンの中心街にあるヒルトンホテルの前で起こりました。 米国の保険会社ユナイテッド・ヘルスケアの最高責任者ブライアン・トンプソンが、射殺されたのです。
ニューヨーク市警察が捜査協力依頼に出した犯人像、事件はマンハッタンで12月4日に起きた
スターバックス・コーヒーショップの防犯カメラは、灰色のバックパックを背負った容疑者がトンプソン最高責任者の背後に近づき、サイレンサー銃で背中と足に3発の銃弾を撃ち込むのを、とらえています。 容疑者は現場を走り去り、電動自転車で逃亡しました。
ゴッドファーザーの皆様、お気を付けください!
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2024年12月6日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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