2019年9月10日、♠アメリカ大統領が、お得意の「首だ!」ツイッターを、当時のアメリカ国家安全保障補佐官ジョン・ボルトンに投げつけました。 すかさずジョン・ボルトンが「昨夜(9月9日)私が辞任を♠アメリカ大統領に申し出たのだ。その時大統領は<明日、話し合おう>と答えた」と、反論しました。 10日のホワイトハウス・メールでは、<♠補佐官イヴァンカ大活躍>と銘打って、♠の娘を写真入りで大宣伝していました。 ファイア・ファイターの息子ボルトンが「ファイア!」の火元を、近々に暴露するそうです。
「降伏という選択肢はない」と、豪語するジョン・ボルトン。 ♠にも降伏しないでネ!
ジョン・ボルトンが2007年に出版した「降伏という選択肢はない」のカバーデザイン
① ボルトン辞任に大喜びのモロッコ:
「西サハラ支持のボルトンをトランプから引き離せ!」を合言葉に、モロッコ外交団は
ボルトンが国家安全保障補佐官に就任して以来、ボルトンの対抗勢力をホワイトハウス内に作ろうと画策してきた。そこに突然、♠の一言「首だ!」。一挙解決!ボルトン排除に世界中で一番喜んだのは、モロッコだ。ボルトンが敵視する北朝鮮、イラン、アフガニスタン、などの国々ではない。
MWN(モロッコ世界ニュース)は9月10日、「モロッコはこれまで (ボルトン補佐官時代) 、モロッコのメッセージを♠アメリカ大統領の義理の息子・ジャレッド・クシュナーに託して大統領に届けてきた。クシュナーは2019年に2度モロッコを訪問し、モハンマドⅥ世国王を表敬訪問している。かくしてモロッコ外交は、♠義理の息子による2度の訪問を利用し、♠アメリカ大統領直訴に成功した。そして、モロッコの国益を害しモロッコ・米国間の関係を傷つけるボルトンを退けることができた」と、モロッコの巧妙な外交手腕がボルトンを排除したことを、暗示した。ユダヤ系アメリカ人のクシュナーは、イスラエルだけではなくモロッコ国王のメッセンジャーボーイも務めた。そして、クシュナー夫人で♠アメリカ大統領の娘イヴァンカは、ホワイトハウスのメールに、たびたび、Mrs.Trump(トランプ夫人)のタイトルで登場している。♠アメリカ政権はネポティズム(縁故)成金政権だ。ジョン・ボルトンは親族ではないし、金持ちでもない。
② ボルトン辞任に反応なしのベネズエラ反政府勢力と西サハラ:
ボルトンの退陣にガッカリしたのは、グアイド・ベネズエラ反政府勢力リーダーで、ガックリきたのは、間違いなく西サハラ難民政府だ。
♠アメリカ大統領はアメリカ傀儡大統領グアイドの奥さんをホワイトハウスに招き、同席させた娘イヴァンカを、「この人はファーストレデイーに相当する女」と、紹介した。そして頻繁に、「社会主義国を潰した」と、自画自賛した。しかし、ベネズエラ大統領マドゥロ排除に失敗した。赤恥をかいたことは、♠の虚栄心を痛く傷つけた。今回の「首事件」で、ボルトン一人にその失敗を押し付けた。が、諸悪の根源は名誉欲に憑りつかれた♠、とベネズエラ破壊工作実行犯のエリオット・アブラムにある。ボルトンの単独犯行ではない。
9月16日、ブラヒム・ガリ西サハラ難民大統領は独立198周年を迎えたニカラグアのオルテガ大統領に、お祝いのメッセージを送った。同時に、グアテマラ、コスタリカ、ホンジュラスの各国にも、書簡を送った。ベネズエラを筆頭に、中南米諸国の多数は西サハラを国家承認し、民族自決権を目指す国連西サハラ人民投票を支持している。国連西サハラ人民投票を強く国連に求めてきたジョン・ボルトン元国連大使と、同じ意見だ。が、これらの国々をジョン・ボルトンも♠も毛嫌いしている。ボルトン排除を喜ぶ中南米諸国に、西サハラ難民政府はすんなり同調する訳にいかない。西サハラ難民キャンプは、重い気持ちを抱えたまま沈黙している。
「待つのが人生」というやるせないドキュメンタリーがYoutu-beにアップしています。
③ ボルトンと国連事務総長は親友?:
♠とボルトンは意見の対立はあっても、国連嫌いでは一致していると言われてきた。しかし、人の噂は宛てにならない。ボルトン辞任のニュースを受けた国連定例記者会見を紹介する。
質問:我々全員、元アメリカ国連大使のジョン・ボルトンが♠大統領から首にされたことを。知っている。このことについて、事務総長の見解は?
回答:(ステファン国連事務総長報道官)
大統領の決定について、我々はコメントする立場にない。あんたがたに言っておきたいことがある。それは、国連事務総長がボルトン大使とは常にいい関係にあったことだ。特に事務総長が国連高等難民弁務官の職に就いていた頃、彼ら二人は頻繁に会っていた。彼(ジョン・ボルトン)が国家安全保障補佐官に就任してから、彼はアントニオ・グテーレス国連事務総長と、綿密な会合を繰り返してきた。彼らの会談はいつも楽しくかつ有意義だった。
本当のところ、、ボルトンとグテーレスは仲良しなんだ!
「あなたは悪魔の化身だそうで、、」と語りかけながら、国家安全保障補佐官に就任したばかりのジョン・ボルトンを、ジェームズ・マティス米国防長官(当時) が国防省に迎えた。そのマティスも辞表を♠アメリカ大統領に提出し、2019年1月1日に首にされた。以来、ジョン・ボルトンには<戦争を仕掛ける悪魔>というレッテルが貼られている。
一方、日本の拉致被害者の会も、ボルトンの辞任にガッカリしているかもしれない? 最初の訪米で最初に拉致被害者に会ってくれたアメリカ政府の高官は、ジョン・ボルトンだった。
「西サハラの不幸な人々に想いを寄せてきた、、」と、ジョン・ボルトンは2018年12月13日、アメリカ・ヘリテージ財団での講演で語っている。
ジョン・ボルトンさん、拉致被害者や西サハラの不幸な人々に、ず~と思いを寄せ続けてください。
9月13日、駐モロッコ・アメリカ大使館の大使館員一行が、モロッコ占領地・西サハラの首都ラユーンを視察しました。 そこにあるミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)を訪れ、コリン・スチュアートに会いました。
10月末には、ミヌルソMINURSO国連西サハラ住民投票監視団の任期が切れます。
西サハラ難民政府は、国連安保理10月議長国の南アフリカに期待しています。
が、、<待つだけの44年人生>に、国連は終止符を打つことができるのでしょうか?
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2019年9月18日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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