2019年国連総会新議長ムハンマド・バンデ(元ナイジェリア国連大使)の議事進行で、第74回国連総会が9月17日から始まりました。 9月20日の定例記者会見でステファン国連事務総長報道官が、「国家元首が91人、副大統領が6人、首相が45人、首相代理が5人、大臣が44人、議長が2人、オブザーバーが3人、合計196人が演壇に立つ。会談の要請は630にのぼっている」と、発表しました。 そして、事務総長の気候行動サミットが華々しく開催されました。
① 国連報道室から1年以上禁足を食らっているリー記者の記事:
2019年9月17日、国連総会開催日に合わせて、昨年の7月にモロッコの裏工作で
国連ビルから排除されたリー・マチュウ―記者が西サハラ情報を発信した。リー記者は、度々、排除の理由を国連報道室に問い質した。最初に報道室は、「外交官があなたに不快感を持ったから」という説明をした。が、その後は返事すらくれなくなった。外交官とはモロッコ国連大使ヒラ―ルで、理由はリー記者が西サハラ問題を国連定例記者会見で追及するからだ。実際、リー記者が排除されてから、誰もモロッコの違反行為と国連の不正行為を質す記者はいなくなった。
ウオーターゲートを捩ったリー記者のUNゲートは、「アントニオ・グテーレス国連事務総長と彼の報道官とメリッサ・フレミング報道長に対して、コリン・スチュアート事務総長代行のセクハラ問題を何度となく問い質したが、全く解答がない。私は第74国連総会の取材許可を18日間に渡って申請し続けたが、ことごとく否定された。その一方でモロッコ国営通信の報道陣を数十人も受け入れている。国連は不公平で不公正だ。そんな国連の安保理メンバーに、ポリサリオ戦線西サハラ政府大統領ガリが書簡を送った」と、国連安保理9月議長と全メンバー諸国に宛てたブラヒム・ガリ西サハラ難民大統領の書簡を紹介した。その書簡でガリ大統領は、「ホルスト・ケーラー前国連事務総長西サハラ個人特使が辞任した5月22日から、3か月以上経ったのに、まだ後任の個人特使を決めていない。一方、10月末にはミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)の任期が切れようとしている。国連個人特使を早急に任命し、国連自らが約束した西サハラ人民投票を速やかに施行すべきだ」と、44年にわたろうとしている西サハラ難民の苦渋を訴えた。
➁ 2019年9月19日、国連定例記者会見:
ヒラ―ル・モロッコ国連大使の政治工作で国連報道室から排除されたリー記者に、同僚記者の数人が彼の現場復帰を目指して、援助を続けている。国連総会が始まり、国連事務総長が記者会見をした翌日、二人の記者が国連事務総長報道官に詰め寄った。以下、その質疑応答を再現する。
質問:私の名はシモン・アテバ、ワシントンDCに拠点を置く<アフリカ今日のニュース>の記者だ、、国連は、アメリカ国籍を持つマチュー・リー記者の事を、全く語ろうとしない。昨年に続いて今年も又、何の理由もなく彼の取材許可を拒否したのを、我々プレスは知っている。これは、報道人の自由を侵害しているのではないか?彼が事務総長に不利な報道をしたから、彼を排除したのか?」
回答:彼(リー記者)の問題は、何度も聞かされた。基本的に、国連記者にはある種の規律が求められる。規律の下で記者商売をやるのはご自由だ。我々は邪魔しない。
質問:(ベン記者)あなたはジャーナリズムにはある種の規律があるという。私も認める。現在、リー記者はSDNY(ニューョーク南地区)の記者証を持っている。SDNYとUN には、どんな報道格差があるんだ? 同じ、ジャーナリズム精神に基づいた組織じゃないか?
回答:私は個々人のケースに触れたくない。規律は何を書いたかという事を、問題にしていない。この(リー記者)ケースは、態度や様相に関する規律だ。本人がよく知っていることだ。ハラス!(アラビア語で、ウンザリだ!)
質問:ハラス!?
回答:ハラスじゃないヨ、が、もう十分だ、、
質問:マチュー・リーの問題を追及したい。彼はアメリカ国籍を持つ真っ当な記者で、新しい記者証を保持している。彼が74国連総会の取材を申し入れたら、またしても国連は拒否した。彼は差別だと憤慨している。
回答:結構、しかし、もう私を開放してくれ、この問題は終わりにして欲しい。
質問:私の質問が終ったら終わりにする、、(逃げるな、、)
回答:やれば、、
質問:国連が彼を排除したのは昨年の事だ。その排除は、今年の国連総会期間にまで効力が及ぶのか?誰がそんな勝手な判断をしたのだ? あんたか?
回答:私は、個々人の問題に関わっていない。私の同僚が何度か彼の申請を受けたことは知っている。確かなことは、ここに入れるジャーナリストは、ここの礼節を守らなければならないということだ。そして、国連と国連記者クラブの推薦が必要だ。
モロッコ大使ヒラ―ルと結託して西サハラ専門記者を排除したステファン国連事務総長報道官は、昨年と同じ回答を繰り返した。問題はリー記者の排除以降、西サハラ問題を追及する記者が、国連報道室にいなくなったことだ。
➂気候行動サミット・国連事務総長の新商売?:
「戦争や紛争解決よりも世界に平和をもたらすのは、気候温暖化対策だ」と、アントニオ・グテーレス国連事務総長は。自身の優先課題を気候変動に絞った。パレスチナ紛争、イエメン戦争、シリア戦争、イラン選争、、そして西サハラ紛争と、困難で面倒臭い問題は当事者や事務総長特使に丸投げして、気候変動でノーベル平和賞と金儲けを狙っているそうだ。(が、西サハラ紛争に関しては、事務総長個人特使すら置かず放ったら貸している)
そして、グテーレス国連事務総長はすべてのリーダーに対し、「2020年までに自国が決定する貢献(NDCs)を強化するための具体的、現実的計画を持って、9月23日の国連気候行動サミットに参加するように」と、呼びかけてきた。
国連の発表によると、国連が呼びかけた<温暖化対策デモ>に世界中で400万人が参加したそうだ。NHKの発表では300万人となっている。国連気候行動サミット事務局は、デモ参加者の大部分は若者で、次世代の若者に行動ターゲットを絞ったそうだ。グテーレス国連事務総長は、「私の孫娘は、、」と、9月18日の記者会見に次ぎ、9月23日の気候行動サミット開会挨拶でも自分の孫を登場させた。そして、国連の思惑通り、スウェーデン少女環境活動家の演説がマスコミを喜ばせた。オペラ歌手の母と役者の父を持つグレタ・トゥーンベリ(16)は、涙を浮かべながら<あなた方を許さない!>と、熱演した。彼女は一年間休学中で、国連が企画している12月2日~13日のCOP25チリ・サンチャゴにも、国連広告塔として参加するそうだ。さらに、グレタ少女は、本年度ノーベル賞第一候補と噂されている。
気候行動サミットに不参加を表明していた♠アメリカ大統領がペンス副大統領とポンピオ国務長官を伴って、突然、気候行動サミット会場に姿を現した。本年度ノーベル平和賞第三候補の♠は、グレタの品定めにきたのかもしれない? ちなみに、第二候補はニュージーランド首相ジャシンダ・アーダーン。首相在任中に女児を出産し6週間の産休を取り、その後、国連総会の演説にこの女児を同伴して有名になった。3月15日、50人の犠牲者を出したクライストチャーチモスク銃乱射事件では、汎宗教的なテロ対応を世界から称賛された。9月19日に来日し、小泉環境大臣と産休論議を交わしている。この女も強敵だ。
9月23日の気候行動サミットにわざとぶつけて、♠アメリカ大統領は国連で<宗教の自由を守る>会議を強行しました。 その時、♠の隣にアントニオ・グテーレス国連事務総長が薄ら笑いを浮かべと座っていました。 「あんたがうちの会議に出てくれたら、あんたの会議に出てやってもいい、、」という取引があったのかもしれません。 ♠さんは、「あんなもん、なんぼのもんだ!」という言葉とは裏腹に、国連の舞台もノーベル平和賞もお好きなようです。 グテーレス国連事務総長さん、ここは大金持ちの♠さんを説得して気候行動会社を共同経営されるのが良いかと思います。 そうすれば♠さん、ノーベル平和賞を共有できるのでは??
Youtube2018年7月にアップした「人民投票」(Referendum)をご案内します。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いいたします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2019年9月25日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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