2019年9月29日、モロッコ王室はモハンマドⅥ世国王が病気であることを発表しました。 病名は<急性両側性肺炎>で、詳しい容体は公表されていません。 9月30日のシラク元大統領国葬に息子(17才)を送ったことから、モハンマドⅥ世の体調が噂されていました。 2017年1月に心臓発作を起こしパリの病院で治療を受けてから、派手好きなモロッコ国王が国際舞台から遠ざかっていました。 このところ公式行事の多くを、息子と弟が代行しています。
モロッコ国王は、国葬でも国連でも、フランスに忖度しています。
① アミナト・ハイダルがライト・ライブリフッド賞を受賞:
2019年9月25日、スウェーデン政府がモロッコ占領地・西サハラの首都・ラユーン
在住の人権活動家アミナト・ハイダルに、ライト・ライブリフッド賞を贈った。この平和賞は第二のノーベル平和賞と言われていて、1980年から毎年、スウェーデン外務省国際報道局が選んだ4人の平和貢献者に贈られてきた。今年の4人には、国連演説で超有名になった環境運動少女グレタ、トゥーンベリ(スウェーデン)、グオ・ジャンメイ(中国)ダヴィ・コぺナワとフトウカナ・ヤノマミ団体(ブラジル)そして、西サハラのアミナト・ハイダルが選ばれた。
1967年にラユーンで生まれたアミナト・ハイダルは、<サハラの女ガンジー>と仇名され、ハンガーストライキでモロッコ占領地・西サハラの人権侵害を訴え続けている。
2007年、ヨーロッパのある会議がアミナトの平和的活動を称えて「シルバー.ローズ賞」を贈る。2008年、故ケネディ米上院議員がアミナトに、ロバート.ケネディ賞を贈る。そして2009年10月、ニューヨークでトレイン財団の「勇気ある市民賞」を受賞してラユーン空港に降り立った時、モロッコ警察から入国を拒否された。約30日間のハンガーストライキで抗議し、祖国西サハラへの帰国を勝ち取った。娘と息子を一人ずつ持つ、勇気あるシングルマザーだ。
➁ 国連事務総長グテーレスの西サハラレポート:
2019年9月26日、国連事務総長アントニオ・グテーレスが国連総会に宛てて書簡を送った。その書簡は、国連総会が国連事務総長に、民族自決権に関する住民の権利施行状況の報告を求めたための、回答だった。書簡は、国連第4委員会(特別政治問題および非植民地化)に向けて、西サハラは脱植民地問題だと明言している。前国連事務総長個人特使ホルスト・ケーラーが再開させた両者直接交渉のことにも触れ、4か月以上空席になっている後任の国連事務総長個人特使を模索中だと、総長の怠慢を繕った。さらにこの書簡は、ミヌルソMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)が困難な中で活動を続行しており、ミヌルソMINURSOの存続は必要だと強調した。ミヌルソMINURSOが一番暇な国連PKOで困難とは代表が自ら起こしたセクハラ問題であることは、国連記者連が周知の事実だ。
いまや、国連ビルの中で、気候を語らない輩は国連事務総長からコケにされ、仲間外れにされている。アフリカ諸国のなかでも国連事務総長に忖度するモロッコなどは、国連基調演説の初日9月25日、安倍首相の後という異例の厚遇を手に入れた。一方、アルジェリアや南アフリカなど西サハラ問題を放置する国連を非難する国々は、有名どころが帰国し傍聴席もガラガラの9月27日や28日をあてがわれた。
気候ハラスメントが異様に横行した、第74回国連総会基調演説会でした。
➂ 国連報道室で追及された国連総会のテンヤワンヤ:
2019年9月27日、国連報道室では第74回国連総会基調演説会に関して、批難する質問が相次いだ。
質問:我々に教えてくれ。ハッキリ言って、言いにくいだろうけど、、総長は自分が思ったように発言をしてくれなかったので、気候サミットにガッカリしてるんでは?
回答:<ガッカリ>などという言葉は使いたくない、、加盟国、市民団体、個人、等々が発言をしてくれた、、これから数か月間、前向きでなかった大国も討論に参加するものと思っている。
質問:クレイン記者をカバーする。本当に正直なところ、事務総長は多数の国が彼の問いかけに答えたと、思っているのか?
回答:聞いてくれ!ドイツやフランスなどは具体的な案を、気候行動サミットに出してくれた、、我々の次の目標は、12月にチリで行われるCOPだ。
質問:すみません、、以前から同僚のステファノが主張してきた事だが、国連総会でドラマを公演せずに、総長は現場でドラマチックな仕事をするべきだと思うが、、
回答:総長は問題の地域を訪れて、このサミットに向け気候行動を続けてきた、、
質問:アフリカ諸国や発展途上国のリーダーたちは、空っぽの会議場で真夜中の演説を強いられた、、仕組まれたことなのか?
回答:演説者のリストは加盟国が協議して決めた。そして、いわゆるステージ・マネージャーである事務総長室や総会裏方が加盟国と細部を決めた。
9月30日の国連報道室でもベイス記者が、「今年の国連総会の仕切りは、最悪だ」と、
明確に糾弾しました。報道官は「あんたの言い分は聞いた」と、短く答えただけでした。
国連に差別されたアフリカ最大の国・南アフリカの第74回国連総会基調演説は、殆ど観
客のいない9月28日(国連休日の土曜日)に行われました。 演壇に立った南アフリカ外務大臣ナルデイー・パンドゥ女史は流暢な英語で、「国連はもっと真剣に西サハラ紛争解決に努力を続けるべきだ」と、淡々と訴えました。
グレタ・トゥーンベリの演説のようにドラマチックではなかったけど、人の心に沁みと
おる説得力に溢れたものでした。 国連安保理の10月議長国は、南アフリカです。
第14国連総会基調演説会で演壇に立った南アフリカ外務大臣ナルデイ・バンドゥ女史
Youtube2018年7月にアップした「人民投票」(Referendum)をご案内します。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いいたします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2019年10月1日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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