イタリア連立与党の民主党・ジンガレッティ党首は3月7日に、新型コロナウイルスに感染したことを自主申告しました。 バチカン法王の咳き込む映像が巷に流れバチカン職員が感染し、サンピエトロ広場恒例の日曜ミサは中止になりました。 3月8日、イタリアの感染者は7,375人を超え、死者は約366人と報道されましたが、3月9日には感染者9.172人、死者が463人に増えました。新型コロナウィルスの勢いは日々激増です。 ベネチアやミラノなど北の街は封鎖され、感染疑いのある人達は隔離されています。 イタリア首相コンテは4月3日まで外出自粛を訴えました。 強制隔離されている人と自己隔離している人はイタリア全土で1600万(イタリア全人口6043万)だということです。
コロナウィルス対策が隔離と封鎖しかないとは、、中世の昔と同じですネ? 因みに、14世紀に伝染したペストで、流行の中心だったイタリア北部の住民は殆ど全滅したそうです。
① モロッコのコロナウィルス対策は見ざる聞かざる言わざる:
モロッコのコロナウィルス対策は、感染者など<見ざる>、感染者情報など<聞かざる
>、そして情報を言ったら逮捕されるから<言わざる>...つまり、マラケシュの綱で繋がれた猿のように、王様猿回しの命じる<三猿>体制を敷いている。イベント誘致と観光を生業とするモロッコでは、コロナウィルス発生件数がゼロでなければならなかった。
3月6日、MWNモロッコ世界ニュースが、「3月2日、カサブランカ簡易法廷が、フ
ライトリストを公開したことに対する裁判を開いた。そのリストは、コロナウィルス感染容疑者と同じ飛行機でモロッコに到着した乗客の名前を記録していた。法廷は、この公開行為は、職業上の秘密保持に反し個人情報暴露という犯罪に当たる、との判決を下した」と、報じた。
そんなモロッコもモロッコから出国した観光客や、帰国したモロッコ人からコロナウィルス感染者が出てきて、隠しきれなくなってきた。渋々モロッコ健康省は、「新たに12人を検査したが全て陰性だった。感染者は以前からの2人だけだ」と、発表した。
② アルジェリアのコロナウィルス対策と現状:
3月8日、アルジェリア健康大臣アブデルラフマニ・ベンブウジが、「新型コロナウィ
ルス感染者に対して最適な治療を施すように」と、各病院院長に指示を与えた。3月8日時点で感染者は20人に上った。アブデルラフマニ健康大臣は3月5日にブリダ市病院を突然訪問し、「最新検疫システムと医療品を、オラン、セティフ、アンナバ、タマンラセット、ワルグラに装備する。感染容疑者はこれまでアルジェリア・パスツール研究所に送られてきたが、これからは近場の病院で容易に検査を受けることができる」と、語った。さらに健康大臣は、「アルジェリア大統領指導の下でWHOの指示に従い、アルジェリアはこの問題を最優先事項としている。このパンデミック(世界的感染疫病)と闘うため、最新カメラや最新機器や検査機器を、空港や港に設置した。マスクに関しても、輸入に頼ることなく国内生産で賄えることができる」と、言及した。
アルジェリアの首都アルジェから約2,000km離れたティンドゥーフにある西サハラ難民キャンプ・センターでは、健康大臣ハイラ・ベッラーヒ女史が3月1日に、コロナウィルス緊急対策会議を開いた。そして、3月3日から13日までをコロナウィルス警戒期間とし、アルジェリア・サハラウィ保健合同委員会の指導の下に指導要綱や医療品を五つあるキャンプ群に配布した。 最近、西サハラ難民政府は国名をSADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)としている。これまでの<サハラ>を<サハラウィ(サハラの人)>と改めたのは、SADRは<西サハラの難民と被占領民の国>という意味合いを強調するためだそうだ。
西サハラ難民究極のコロナウィルス必勝対策は、夫々約5~6万人が住む五つの難民キャンプ群が、難民政府センターから約30キロ、50キロ、60キロ、160キロと離れて設置されていることだ。 まさに45年前、UNHCR(国連難民高等弁務官)は、疫病の蔓延で難民が全滅しないようにと、難民キャンプ群を隔離設置したのだった。
西サハラ難民キャンプの西サハラ健康省薬務課、
コロナウィルスと向き合ってます。
③ 国連ニューヨーク本部も厳戒態勢:
3月7日、アメリカでは西部カリフォルニア州とワシントン州、それに首都ワシント
に隣接する東部メリーランド州、さらにニューヨーク市を含むニューヨーク州全体にも非常事態宣言を出した。国連本部はそのニューヨーク市にある。
国連は、国連事務総長が再三、口にする<みんなのGood Officeグッドオフィス >だから、コロナウィルス関係者も含め世界中から人が集まり、大会議がひっきりなしに開催されている。国連はこれまで治外法権という特権をかざして、ニューヨーク市やアメリカの介入を拒否してきた。しかし、コロナウィルスに特権は効かない。ニューヨーク市の指示に従って、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、国連はすべての会議の延期を決定せざるをえなくなった。それでもスポンサーである国際環境産業に忖度して国連事務総長は、「多数の会議が中止や延期になったが、第26回英国グラスゴー国連気候会議に向けての準備を怠ってはならない」と、語った。国連事務総長報道官は、国連ビルの中に新コロナウィルス感染者はゼロだと報告したが、「国連は特別検疫センターを設けていない。各国に各国の代表団を検査する責任がある」と、国連の責任を回避した。そして、「頻繁に手洗いをして、各人がコロナウィルス予防をするように、、、握手は避けようね」と、報道官はピンクのミニボトルを手に報道室を後にした。
国連本部では9日から2週間の日程で<国連女性の地位委員会>が予定されて、6000人を超える政府代表団やNGOが既にニューヨーク入りをしていました。 突然の中止に非常に困ったのは貧しい国の代表団で、大部分が日程限定の格安航空券で来ています。 ニューヨーク市や国連から「会議が中止になったから国に帰れ」と急に言われても、格安航空券では日程変更ができません。 3月4日、国連担当記者の一人が、「会議主催の国連は帰国航空券の面倒をみてくれるのか?」と、質問しました。 国連事務総長報道官は、「国連はそんなこと、しない」と、機械的に答えました。
ベトナムで流行っている歌は、「コロナウィルス手洗い歌」です。
「コロナウィルスが棲みつくから、髭を剃れ!」と、ナイジェリアのパンチ新聞がトップ記事で警告しました。
握手の代わりの挨拶は?足先、肘、イランでは尻、、あなたはどこで挨拶しますか?
*「アリ 西サハラの難民と被占領民」の只今発売中です。
著者:平田伊都子、写真:川名生十、画像提供:李憲彦、川上リュウ、SPS、
造本:A5判横組みソフトカバー、4頁のカラー口絵、本文144頁
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、TEL:03-3814-3861
2020年2月3日 初版第一刷発行 定価 税抜き2,000円
*1月22日、「ニューズ・オプエド」で#1323<アフリカ最後の植民地>を放映しました。
YouTube オプエド平田伊都子 URL https://www.youtube.com/watch?v=citQy4EpU-I
Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)をご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2020年3月9日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion9526:200310〕