SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】359 新型コロナウィルス情報震源地はWHO?UN?US?

 「東京オリンピック開催は一年後にしたほうがいいでないか?」と、令和2年3月12日、トランプ米大統領が漏らすと、日本は東京オリンピックの中止・延期を巡って大騒動。    
3月12日、ARDドイツ公共放送で、「東京オリンピックの中止・延期はWHO世界保健機関の勧告に従う」と、バッハIOC国際オリンピック委員会会長が発表しました。 
3月11日、テドロスWHO 世界保健機関事務局長が、「<COVID19>はパンデミック(世界的流行)だ」と、やっと表明しました。 3月12日、テドロスの上役グテーレス国連事務総長は、WHO の見解を繰り返し、「世界は連帯してこの戦争と戦わねばならない」と、訓示しました。 情報の根源は、グテーレスです。 地球温暖化脅し商売をうまく軌道に乗せれないグテーレスは、今また、新型コロナウィルスで脅かそうとしています。 そして、トランプも情報操作に一役買っています。
 
① 国連事務局の職員が新型コロナウィルス感染:
 3月12日、ニーヨークの国連本部に来たフィリピン国連代表部の外交官1人が<COVID19>に感染していたのが明らかになった。この外交官が最後に国連本部を訪れたのは9日で、国連職員とは接触していなかったという。国連本部は、16日から4月末までニューヨークの国連本部で行われる国連主催のサイドイベントをすべて取りやめるとし、職員にテレワーク(離れた場所での作業)を命じた。3月12日、グテーレス国連事務総長は、[WHO世界保健機関が<COVID19>の感染拡大を<パンデミック世界的な大流行>の状態とした、その認識に従う、、社会的に立場が弱い人を支援しよう、、]と、ビデオ声明を出した。そう言うグテーレスは、社会的に立場が弱い西サハラ難民を支持せず、強いモロッコ王権を支持している。
 3月16日の定例記者会見でステファン国連事務総長報道官が記者の「フィリピン人以外に国連職員が感染しているのでは?」という質問に、「国連事務局の職員が感染している」と、漏らした。そして、「事務総長は、いつもどおりに事務についている」と、付け加えた。
 国連やWHOは、新型コロナウィルスのことを<COVID19>と称している。<COVID19>という名称は、2020年2月12日にWHOテドロス事務局長が、欧米メデイアなどが<中国ウィルス>などと呼んでいるのは差別に繋がるとして、新型コロナウィルスに命名したものだ。Coronavirusから<COVI>、Disease(疾病)から<Ð>を取り、発生年である2019年の<19>を付け、<COVID19>とした。<Corona>とはラテン語の王冠や花冠を意味し、電子顕微鏡で見るウィルスの形状が王冠に似ているため<コロナ>と呼んだ。
 3月17日、<中国ウィルス>と、トランプ米大統領はツイッターで呼びました。

② モロッコの閣僚がコロナウィルスに感染:
 2月27日、イラン副大統領エブテカール女史が新型コロナウィルスに感染。3月10日、
フランス文化相リエステールが感染。3月12日、カナダ首相トルドー夫人ソフィーが感染。3月13日、スペイン機会均等相モンテーロとスペイン副首相イグレシアスが感染。3月14日、スペイン首相夫人ベゴニャが感染。3月14日、インドネシア運輸相ブディが感染。3月15日、イタリアの有名な建築家でバルセロナ五輪スタジアムを設計したビットリオ・グレゴッティがミラノで新型コロナウィルスに感染して死亡した。
 そしてモロッコでも、モロッコ運輸相アブデルカデル・アマラが新型コロナウィルスに感染していることが判明した。アマラ大臣はヨーロッパ各地を公用で訪問し、モロッコに帰国した後、異常な疲れと頭痛を訴えていたという。その症状を抱えたまま3月12日に、大臣は週末の定例閣議に出席した。大臣は自主的に14日間の自宅隔離をしている。モロッコはこれまで新型コロナウィルス感染者数や死亡者数を明確にしてこなかった。しかし、モロッコ保健省は、大臣感染が判明した3月14日、モロッコ国内の感染者数が18人に上ったと発表し、モロッコに離着陸する多数のフライトを禁止した。帰国できなくなった旅行者たち数千人以上がカサブランカなどの国際空港に殺到し、大騒動が起きている。
 観光とイベントを基幹産業とするモロッコは、新型コロナウィルスの直撃を受けている。 

➂ もともと隔離状態の西サハラ難民キャンプ:
 欧米では、国境を閉鎖し住民を半強制的に隔離しているが、西サハラ難民は砂漠に隔離されて45年間生きてきた。五つある難民キャンプ群は西サハラ難民政府センターから、夫々、25KM ,30KM, 40KM, 50KM, 160KMと離れて設置された。それは1975年にUNHCR 国連難民高等弁務官が疫病の蔓延を恐れて取った措置だったが、約半世紀後に役に立ったわけだ。西サハラ難民は粛々と、独立を選択肢の一つとする<国連西サハラ人民投票>の早期実現を目指して日常活動を続けている。
 五つのうち、<アウセルド>と名付けられた西サハラ難キャンプで、3月11日から13日にかけて、<第一回国際青年フォーラム>が開催された。西サハラ青年同盟が主催するこのフォーラムには、南アフリカやアルジェリアやヨーロッパ各地からの若者も集まり、独立を目指す西サハラの若者を激励した。そして、西サハラ青年同盟書記長モハメド‣サイド・ダディが、約150人の参加者を前にフォーラム宣言を読み上げ、喝采のうちに終わった。
 「第一回国際青年フォーラムは、西サハラ紛争解決に関する国連総会と国連決議の施行を早急に求める。アフリカ最後の植民地として残されているこの地域の人々が、不可欠な人権と民族自決権と独立権を有していることを、国際社会は再認識すべきだ。故に、いかなる解決策もこの人々の人民投票を経なければならないと、我々は主張する」(第一回国際青年フォーラム宣言の主文)
 このフォーラムに、フランスで訓練中の西サハラ難民アスリート・アマイダン・サラーも駆けつけた。フォーラムが終ってサラーは、難民キャンプから約33キロメートルのティンドゥーフ空港に向かった。が、新型コロナ感染拡大が酷いフランスへのフライトは、アルジェリアが全面禁止していた。3月17日もサラーは難民キャンプに隔離されたままだ。

第一回国際青年フォーラムの会場、西サハラ難民キャンプにて

 「全米新型コロナウィルス緊急非常事態は8月末まで、否、もっと長く続く」と、3月16日にトランプ米大統領は発言しました。 この無邪気なトランプ米大統領は、11月8日の大統領選挙までコロナウィルス非常事態宣言を引っ張りたいようです。 ご推察のように、商売人トランプは<10人以上の集会禁止令>で、金のかかる選挙キャンペーンを節約できると、計算しているようです。 コロナウィルスで儲けができない我々庶民は、西サハラ難民のように日々の生業を黙々と続けるのがいいかもしれません。

*「アリ 西サハラの難民と被占領民」の只今発売中です。
著者:平田伊都子、写真:川名生十、画像提供:李憲彦、川上リュウ、SPS、
造本:A5判横組みソフトカバー、4頁のカラー口絵、本文144頁
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、TEL:03-3814-3861
2020年2月3日 初版第一刷発行  定価 税抜き2,000円

*1月22日、「ニューズ・オプエド」で#1323<アフリカ最後の植民地>を放映しました。
YouTube オプエド平田伊都子 URL https://www.youtube.com/watch?v=citQy4EpU-I

Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)をご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU

Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa]  英語版URL:   https://youtu.be/au5p6mxvheo

WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2020年3月17日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion9554:200318〕