「30万のアフリカ人が新型コロナウィルスに殺される!」と、数社のメデイアが発表しました。 アフリカ人のテドロスWHO(世界保健機関)事務局長は、以前からアフリカへの新型コロナウィルス侵攻を触れ回わり、支援金を要求してきました。 が、トランプ米大統領がWHO拠出金停止発言をした途端、具体的にアフリカ人の予想死者数を出してアメリカを脅しにかかりました? 「30万から330万のアフリカ人がしぬ!」としている記事もあります。 しかし、何を根拠に算出したのでしょうね? WHO(世界保健機関)の出す数字は、非常にアバウトです。 その一例を挙げてみます。.
4月13日の記者会見でマイケル危機管理担当官がモロッコ人ジャーナリストの質問に答えて、モロッコでの感染者は1,600人ぐらいで拡大防止対策が効いていると答えました。 が、この日の感染者数は1,888人で、その後も一日100人~200人の割合で、グングン増え続けているのです。
① トランプWHO(世界保健機関)拠出金カット:
トランプ米大統領は14日、ホワイトハウスでの記者会見で、「基本的な任務の遂行を怠ったWHO (世界保健機関)は責任を取る必要がある」と述べ、米国のWHO(世界保健機関)拠出金停止を宣言した。米国のWHO(世界保健機関)拠出金は世界最大で、2019年の拠出は431億円以上、WHO(世界保健機関)予算の約15%を占めた。4月18日のロイター通信によると、「WHO(世界保健機関)は世界の医師ではない。治療行為や疾病の監視はしない。そうした事象に関して、各国や国際的な関係者に助言するだけだ。 制裁を科す権限もない。発表する情報も、加盟国や専門家から得るデータや専門知識を照合し、発表しているだけだ」とある。「150カ国に置く事務所と6つの地域機関や本部ジュネーブで働く人は、総勢7000人以上」だそうだ。無駄な国連人件費削減がモットーのトランプ米大統領は、就任以降、国連人権理事会、国連教育科学文化機関(ユネスコ)、パリ協定COP(気候変動)、イラン核合意などなどから離脱し、国連の移民協定にも反対している。 国連人口基金(UNFPA)や国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への拠出も削減した。WHO(世界保健機関)拠出金停止はトランプ米大統領にとって、ごく自然な成り行きのようだ。
4月13日、WHO(世界保健機関)定例記者会見でウィルソン記者がアメリカの拠出金停止に関して質問した時、テドロスWHO事務局長は「そんなことはない!トランプとは何度も会ったし3週間前も電話で話をし、いい関係にある」と、取り繕ったが、続いてCNNのマイケルが同じ質問した時には席を外していた。グテーレス国連事務総長は、「今は拠出金停止を口にする時ではない。世界中が連帯してCOVID19と戦うべきだ」と、拠出金停止の見直しを要求した。ここにきてマネーファーストの国連事務総長は本領を発揮し、なりふり構わず金の要求を始める。「子供が死ぬ~」そして「貧しい黒人が死ぬ~」と叫び、「アフリカ大陸をCOVID19から守るために、11兆円が必要だ」と強調した。
② 330万人のアフリカ人を殺す?:
「新型コロナウィルスは330万人のアフリカ人を殺す。UNECA (国連アフリカ経済委員会)が4月16日の新報告書で警告した」と、MWN(モロッコ世界ニュース)が4月17日に脅かした。モロッコも西サハラも、アフリカの一部だ。「報告書は、アフリカの30万人~330万人と言われている新型コロナウィルス直撃による犠牲者の運命は、周辺諸国の協力で決まる。11兆円の支援は必須だ」と、MWN(モロッコ世界ニュース)はUNECA(国連アフリカ経済委員会)の資金要請を援護した。モロッコは支援金を当てにしている。
ロイターは、「WHOは16日、アフリカ地域の新型ウイルス感染者数は向こう3~6カ月で1000万人に膨れ上がる恐れがあると警告した。 UNECA(国連アフリカ経済委員会)は報告書で、アフリカ各国政府が打ち出す感染拡大抑制に向けた措置についてシナリオを想定した。全く対策が講じられなかった場合、人口約13億人のアフリカ地域で、年内に12億人以上が感染、感染により330万人が死亡すると予測した。各国が厳しい感染拡大抑制策を実施する最善のシナリオの下でも、1億2280万人が感染、230万人が入院、30万人が死亡する」と、30万人~330万人の死亡予測説を伝えた。一方国連本部は、「グテーレス事務総長は、世界銀行と国際通貨基金(IMF)が開催したテレビ会議方式の会合で、アフリカ諸国は新型ウイルス感染拡大に対応するために22兆円を超える資金が必要になると指摘した。世界の債権国に対し、最貧国だけでなくすべての途上国に債務の一時支払い停止を認めるよう呼び掛けた」と、報告した。4月16日にUNECA(国連アフリカ経済委員会)が示したCOVID19アフリカ支援金の11兆円を、国連事務総長は4月17日に22兆円と、倍増させたのだ。
③ 西サハラ政治囚を殺すな!:
4月13日、掲載した<牢払い>を英訳して、4月16日に西サハラ難民キャンプの通信社に送った。すると翌4月17日に、「SJJA launched a Media campaign asking for the freedom of Saharawi political prisoners due to COVID-19 threat(SJJAがオンラインメデイアで西サハラ政治囚のCOVID19からの解放キャンペーン)」と、大見出しの記事を出してくれた。そんな大袈裟にする積りはなかったが、フランス、イギリス、オ-ストラリアなど各地にある西サハラ代表部が<西サハラ政治囚解放キャンペーン>を張り始めたところにぶつかった。グッドタイミングだった。
4月17日にはハンガリーにある世界青年同盟が、「750以上の世界にある様々な団体から、UN国際連合に対して、モロッコ占領地・西サハラの西サハラ人民とモロッコ刑務所に収監されている西サハラ政治囚の保護を求める要請書が出された。我々、世界青年同盟もこの西サハラ人民のためにCOVID19と戦う世界中の仲間と連帯して、国連に要請する。国連は、COVID19から西サハラ人民をまもれ!」との声明文を、国連事務総長に送った。
4月19日、西サハラ難民大統領兼ポリサリオ戦線事務総長のブラヒム・ガリが国連事務総長アントニオ・グテーレスに向けて、「モロッコ刑務所に不法収監されている政治囚の解放を、モロッコに迫ってくれ!」と、強いメッセージを送った。
4月19日にモロッコ健康省が、 「19日午後6時の時点でCOVID19感染者数は2,855人、うち死者は141人、検査結果で陰性が12,268人」と発表しました。 ということは、15,123人を検査したことになります。 モロッコの全人口は3,603万人だから、僅か0.0004%しかCOVID19検査をしていないことになります。 隠れ感染者の数は?膨大です。
一方日本は、感染者数は10,751人で死者が171人、日本の全人口が1億2,595万人、、
そのうち、一体、何人がCOVID19検査を受けれたのでしょうね?
西サハラ難民キャンプ通信社の記事を下に紹介します。クリックしてみてください。
https://spsrasd.info/news/en/articles/2020/04/17/25587.html
SPS(西サハラ難民キャンプ通信)が載せた大貫康雄元NHKヨーロッパ
総局局長とSJJA代表平田,SPSがオプエド番組映像から抜き出した
*「アリ 西サハラの難民と被占領民」の只今発売中です。
著者:平田伊都子、写真:川名生十、画像提供:李憲彦、川上リュウ、SPS、
造本:A5判横組みソフトカバー、4頁のカラー口絵、本文144頁
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、TEL:03-3814-3861
2020年2月3日 初版第一刷発行 定価 税抜き2,000円
*1月22日、「ニューズ・オプエド」で#1323<アフリカ最後の植民地>を放映しました。
YouTube オプエド平田伊都子 URL https://www.youtube.com/watch?v=citQy4EpU-I
Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)をご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2020年4月20日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion9664:200420〕