この記事を書いていた10月2日の午後、「トランプ米大統領夫妻が新型コロナウィルス陽性!」という速報が入ってきました。 瞬間思ったのは、ちょうどアメリカ大統領選挙を一カ月前に控えているので、選挙イベントなのではないのか?という疑いでした。 3時半になると厚木米軍基地の方角からヘリコプターが数機、爆音を響かせて横田米軍基地方面に飛んで行きました。 米本国に事が起こると、必ずある、恒例行事なのです。 様々なうがった見方は脇に置いて、ご夫妻の回復を心から祈ります。
① トランプ米大統領夫妻がコロナ陽性:
2020年10月2日、トランプ米大統領は自身のツイッターで、「新型コロナウイルス検査
の結果が陽性だった」と、自白した。 高齢者は重症化の恐れがあるため、健康状態が懸念されるとか、、メラニア夫人の感染も確認された。
ホワイトハウスではオブライエン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が7月に感染していた。そのため、ホワイトハウスは感染防止策として、正副大統領は毎日検査を受けることや、トランプ氏の近くで勤務するスタッフたちのマスク着用を義務づけていた。が、トランプ大統領にコロナウィルスをうつしたヒックス大統領顧問は、9月30日に大統領専用ヘリコプターに同乗したが、マスクを着用していなかった。そして、ヒックス大統領顧問は10月1日に、コロナウィルスに感染していたことが判明した。
トランプ大統領もマスク着用に消極的で、ホワイトハウスでの会合や選挙運動の集会でも着用しないことが多かった。そして、10月2日、トランプ大統領は感染した。
筆者はすぐに、ホワイトハウスから毎日送られてくるホワイトハウスメール<1600Daily(1600日)>を開いてみたが、ワシントン発のメールは10月1日のままで更新されていなかった。
➁ アメリカ財務省の金融犯罪取締ネットワーク部局の報告書に慌てるモロッコ:
2020年9月22日、「モロッコの麻薬ハシッシがドバイの金スークで金に変身」という見出しで、MWN(モロッコ世界ニュース)がモロッコのマネーロンダリング(資金洗浄)を暴いた。「ヨーロッパでさばいたモロッコ産麻薬ハシッシのダーティーマネーを、ドバイ宝石国際組織Kalotiカロチがマネーロンダリング(資金洗浄)をやっている」という記事だ。
マネーロンダリングの話は、2016年にパナマの法律事務所から流出したパナマ文書や、2017年に英領バミューダの大手法律事務所から大量流出したパラダイス文書などで、お馴染みだ。前出二つの事件で、英国女王や各国首脳や著名人が絡む秘密裡の資産運用内容が炙り出された。今回の暴露事件は前回と違って、個人弁護士事務所ではなく、アメリカ財務省という国家機関が発信元であることだ。名付けて<フィンセン文書>と言う。フィンセン文書(FinCEN Files)とは、アメリカ財務省の金融犯罪取締ネットワーク部局(FinCEN)に金融機関が提出した不審行為報告書(SAR)で、マネーロンダリングの事案を報告した文書のことだ。この文書はBuzzFeedニュースに入手され、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)も共有し、16か月の分析の後、 2020年9月20日に公開された。この文書は1999年から2017年にかけて金融機関がFinCENに提出した2100以上の不審行為報告書(SAR)で、2兆ドル以上もの取引が記載されている。資金洗浄とは、薬物取引や汚職などの犯罪行為で得た金銭を、犯罪と関係がない銀行口座に入れ出所を特定させなくする行為を指す。HSBC香港英国投資銀行やドバイKaloti宝石国際組織などが絡んでいる。
モロッコ政府は慌てた。なぜなら、アメリカ財務省がマネーロンダリングの発信元だからだ。「モロッコはマネーロンダリングやテロリズムと戦う法的な制裁をより高め、努力を続けている」と、モハメド・ビン・カデル法務大臣、自らが。9月18日に声明を出し、10月1日にはメクネスでの集会で発言した。アメリカ財務省への言い訳とも取れるモロッコ法務大臣の発言は、暗にモロッコのマネーロンダリングを認めたことになってしまった。
➂ モロッコ・コロナ感染者数累計は、アフリカでナンバー2:
モロッコの犯罪数は新型コロナウィルスの感染者数に比例して増え続けている。
2020年10月1日20時のモロッコ健康省が、モロッコの新型コロナウィルス感染者数累計は126,044人、検査数累計は約2,517,816人と、発表した。この日だけのモロッコ全土感染者数は2,391人で、モロッコの国際観光都市カサブランカが1,250人、モロッコ占領地ラユーンで25人、同じくモロッコ占領地ダハラで18人となっている。モロッコ政府は同日10月1日にカサブランカの特別緊急事態制限を、10月5日からさらに14日間延長した。一般旅行者のカサブランカ空港使用は禁じられ、カフェは午後8時まで、レストランは午後9時まで、一般の市場は午後3時にならないと開かない。
2020年9月26日のジョンズ・ホプキンス大学報告によると、アフリカ大陸全体の新型コロナウィルス感染者数累計は、1,451,964人になっている。一番多いのが南アフリカの669,498人、二番目がモロッコの115,241人、三番目がエジプトの102,730人、四番目がエチオの 72,700人、五番目がナイジェリアの 58,198人、と発表していた。 西サハラは10人と記録されているが、8月の段階で西サハラ難民政府自身が25人以上(モロッコ占領地を含まない)と公表している、、モロッコの累計数が増えているのは当然だけど、西サハラのそれが減っている、、この数字は変ですね?
さて、3日後の9月29日午前3時(日本時間)には、世界のコロナ感染者数累計は世界全体で3321万3739人となり、亡くなった人は99万9202人に上った。一番が多いのがアメリカで、インド、ブラジル、ロシア、コロンビア、が続いている。
そして、7時間後の9月29日午前10時(日本時間)亡くなった人は100万人を超え、1,000,555を数えてしまった。
10月2日、トランプ大統領は「行ってくるね。皆さん色々ありがとう」とツイッターに映像を残して、ワシントン近郊のウォルター・リード軍医療センターに入院しました。 センター内にある大統領執務室で数日間にわたり職務を行うとか、、軽いコロナ症状があるそうです。 メラニア夫人も軽い咳と頭痛があるそうです。
お大事に、、
10月2日金曜日のホワイトハウスメールは、いつもの金曜日と変わらず 「必ず読むこと」と、一週間のまとめニュースを発信していました。
ドバイのホテル、ドバイ首長モハンマドの肖像画が壁面を飾っている
――――――――――――――――――――――――
*難民アスリート・サラーの最新ドキュメンタリーがYoutubeにアップしました。
https://youtu.be/jz7lFr2c_Jk スペイン語ですが、西サハラ難民キャンプが見られます。
*占領地からの脱出―「アリ 西サハラの難民と被占領民の物語」只今発売中です。
著者:平田伊都子、写真:川名生十、画像提供:李憲彦、川上リュウ、SPS、
造本:A5判横組みソフトカバー、4頁のカラー口絵、本文144頁
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、TEL:03-3814-3861
2020年2月3日 初版第一刷発行 定価 税抜き2,000円
*1月22日、「ニューズ・オプエド」で#1323<アフリカ最後の植民地>を放映しました。
YouTube オプエド平田伊都子 URL https://www.youtube.com/watch?v=citQy4EpU-I
Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)をご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2020年10月3日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion10163:201003〕