焦ったのは停戦違反したモロッコか?それともモロッコの挑発にのったポリサリオか? いずれにしても悪いのは、一向に焦らない戦争仕掛け人の現国連事務総長です。
前国連事務総長は自ら西サハラ難民キャンプと西サハラ本土を訪れ、「これ以上<国連西サハラ人民投票>を遅らせてはいけない」と、断言しました。 現国連事務総長は、国連停戦違反を犯して戦争を誘発したモロッコ国王に、お伺いの電話をしました。
アメリカの超党派西サハラ財団によると、モロッコは大金をばらまき現国連事務総長が口癖にしている<グッドオフィス>を、<モロッコオフィス>にしたそうです。 悪いのは国連ではありません、国連を操る人間です。
① モロッコ国王と現国連事務総長の電話打ち合わせ:
CORCAS(王立サハラ問題諮問評議会)は、「モロッコは、2020年11月12日の夜か
ら13日の朝にかけて、モーリタニア国境に近い<ゲルグァラト国連緩衝地帯>に軍事侵攻した」と、発表した。国連緩衝地帯への軍事進攻は明らかに国連停戦違反だ。モロッコの西サハラ植民地化を支持するグテーレス現国連事務総長は、11月17日、モロッコ国王に電話をした。モロッコの国連停戦違反攻撃の言い訳を、打ち合わせたようだ。CORCASによると国王陛下はこの会談の中で、「事務総長の大失敗で、モロッコ王国自身がこの問題の責任を担うことになった。ポリサリオ兵によるモロッコに対する目に余る行動は、今回だけではない。モロッコは、情勢を平定化し、物の流れを正常化させる。モロッコ王国は、物と人の流れの安全性を確保するために、あらゆる手段を尽くす」と語られたとある。さらに国王陛下は現国連事務総長に、モロッコ主導の下での停戦と政治解決を提案しつつ、「この問題は、モロッコ領有権を根底にする。地域の安定化を目指す真っ当な代表者による、現実的で恒久性のある交渉再開がなされなければならない」と、念を押されたそうだ。
モロッコ国王陛下と現国連事務総長は、「モロッコ物資とモロッコ人の往来を妨げるポリサリオ西サハラ難民軍の排除」という経済理由で国連停戦違反となる軍事侵攻を正当化しようとしているようだ。
② ポリサリオ西サハラ難民軍が戦果を発表:
2020年11月17日、シディ・ワルド・ウカルSADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)
治安情報省事務局長が、「ポリサリオ難民軍は、モロッコの妨害陰謀と、それを阻止できない国連の無能さに、ウンザリしている。それでも、対話の扉は広く開けてある、が、軍事闘争は続ける」と、西サハラ開放区にあるビル・ラハル司令本部での記者会見で語った。
11月17日、CNN米国TVに出演したシディ・オマル・ポリサリオ西サハラ難民政府国連代表は、「モロッコが西サハラに軍事侵攻をして以来、平和交渉について議論することは非常に難しくなってきた。西サハラ人民は祖国解放のため、この侵略に立ち向かっていかなければならない義務がある。モロッコによるゲルグァラト軍事侵攻は、モロッコが停戦協定と平和交渉と国連西サハラ人民投票を、拒否している証だ」と、モロッコの軍事侵攻を強く糾弾し、モロッコの不法な西サハラ占領を黙認している国連を非難した。
ブラヒム・ガリ・西サハラ大統領兼ポリサリア難民軍事務総長が、モロッコ停戦違反に呼応して停戦破棄を宣言した11月13日以来、SPLA(サハラウィ人民解放軍)は、毎日、モロッコ軍基地を攻撃し、その戦果を報告してきた。11月18日の最新報告は、「攻撃6日目も、モロッコが作った<砂の壁・地雷防御壁>の頂上に点在するモロッコ軍駐屯所を確実に狙い撃ちし、人的物的損害を与えた。本日の目標は、ファルシア、アムガラ、スマラ、バガリ管区の非人道的モロッコ製地雷防御壁だった」と、語っている。
1981年から1987年にかけてモロッコが作った全長約2,500㎞の<砂の壁・地雷防御壁>は、西サハラの大地と人民を真っ二つに分断してきた。地雷は、無数の動物と人を殺してきた。ポリサリオ難民兵士が地雷を踏みませんように、、
③ 走りは武器!(アマイダン・サラー):
サラーは新刊書<サラー 西サハラ難民アスリート>の中で、サラーのドキュメンタリー<Runner走る人>や<La Maraton de Un puebro 一市民のマラソン>の中で、「走りは僕の武器」と、何度も繰り返している。「走る事で世界の人々に西サハラの難民と被占領民の現状を訴えていきたい」と、語っている。
「サラー 西サハラ難民アスリート」のカバー表紙。
アマゾンなどでも紹介中
一方、西難民キャンプにあるSPLA (サハラウィ人民解放軍) には、学生や女性が多数を占める数千人の西サハラ人が、「解放の闘いに勝利し、国家主権を回復するため」と兵役志願をしているそうだ。11月13日、故エルワリ・ムスタファ初代解放軍総司令官の名前を冠した<エルワリ軍事学校>校長のスウィレク・ダイディは、「海外に住む西サハラの若者たち数百人から、軍に志願したいとの要望書を受け取った」と、語った。
一方、SPLA司令部は、「海外からの参戦は、コロナ規制がますます厳しくなってきているので、難しい」との、判断を示した。
我らが<難民アスリートサラー>、どうか、「走りは僕の武器」のスタンスでいてください。「サラー 西サハラ難民アスリート」は、アマゾンなどで紹介されています。下の出版情報もご覧ください。
https://chikyuza.net/wp-content/uploads/2020/11/e8a7f01b841fc49d9dcdb4697f8fd5f2.pdf
モロッコの11月19日感染者数は4,559人で、感染者累計は311,554です。 コロナに関係なくオリンピック開催のお墨付きをIOCから得たとたん、不思議なことに、東京のみならず日本全国でも倍近い感染者数を挙げています。
11月16日、WHO(世界保健機関)は、スイス・ジュネーブのWHO本部で65人の感染者が出たと、記者会見で明らかにしました。自主隔離していたテドロス・アダノム事務局長も出てきて、「症状がなかったため検査の必要はなかった」?と言い訳をしました。 人に検査を強要して来たテドロスが、検査しなかった??
WHO本部は、職員全員を検査する義務があります。 東京は、来年のオリンピックに向けて、都民全員を検査する義務があります。
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2020年11月20日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion10302:201120〕