「何故、国連は西サハラ紛争解決に失敗したのか? 何故、国連は国連西サハラ人民投票に失敗したのか?」 西サハラを知る人なら、誰もが抱く疑問です。 国連は40年以上も前に、西サハラは植民地だから人民投票でその立場を人民自身が決めるようにと、<国連西サハラ人民投票>を提案しました。 西サハラ紛争の両当事者である、植民地支配者モロッコと被支配者西サハラ人民はこの国連和平案を呑んで停戦し、誰の目にも少なくとも1年後には投票が行われると、見られました。 ところが、40年経っても西サハラ人民投票は行われず、最近になってモロッコは、西サハラは植民地ではなくモロッコ領土だと言い出すようになりました。 モロッコはトランプ前米大統領にモロッコ領有権を認めさせ、ヨーロッパ諸国にもトランプに見習えと強要しました。 そんな中、EU議会は、、2921年6月23日、元国連
簡単に言うと、国連にはやる気がなく、モロッコはズル賢く、西サハラはバカ正直だったからです。
The Geneva Group is organizing a high-level conference on Wednesday on the right of the Sahrawi people to self-determination and the root causes of the failure of the United Nations organization to implement its plan settlement of the Western Sahara conflict
① 「なぜ国連は西サハラ紛争解決に失敗したのか?」ジュネーブ国際会議:
2021年6月10日、EU(ヨーロッパ)議会が、モロッコの対ヨーロッパ恫喝外交と不法移民によるスペイン領土への官製越境に対して、非難決議を採択した。UN国連やAUアフリカ連合よりもEUヨーロッパ連合を重視するモロッコにとって、EU議会のモロッコ非難決議は大きな痛手だった。大失敗を挽回するため、モロッコ国王はブリタ外務大臣やヒラ―ル国連大使などにはっぱをかけて、猛反撃に転じた。これまでモロッコ支持表明を出した開発途上諸国やアラブ諸国に電話攻勢をかけ、再度の支持を強制した。緊急アラブ会議を開催し、「モロッコ・サハラ(西サハラ)はモロッコ領土で、スペインのほうこそモロッコ北部のスペイン領土を脱植民地化せよ!」と、ブリタ外務大臣はモハンマド六世モロッコ国王陛下の方針として、発表した。
6月23日、ドイツの政権与党議員でキリスト教民主同盟ブラウンシュヴァイク州支部長フランク・ヘインリッシュが、「西サハラの将来は西サハラ人民自身のみに決定権がある。ドイツ政府は、モロッコや米前大統領のモロッコ領有承認には与しない」と声明文を出しました。
6月22日には国連ジュネーブ本部で、HRC(Human Rights Council 人権理事会)が開催された。
6月23日、スイスのジュネーブで、<ジュネーブ・グループ (西サハラ関係国際団体)>が、ハイレベルの会議を開いた。参加者は、フランシスコ・フェルナンデス東チモール国連大使、ムコシリサ・ンコシ南ア国連大使、カテリン・トマス国連西サハラ人民投票・投票人認定作業責任者、カルメン・フォアン元国連政治局局長など、西サハラ問題に関わる学識経験者や外交官たちだった。そして、フランシスコ・バスタグリ元国連西サハラ人民投票監視団団長がビデオ参加し、「国連安保理は、西サハラでの民族自決権に基づく国連人民投票に失敗した事実を深く受け止め、再興するべきだ」と括り、全会一致で彼の草案が可決された。
「国連はレファレンダム(国連西サハラ人民投票)に失敗したことを潔く認め、役立たずのMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)は即刻解散させ、相応の責任を取れ!」と、ジョン・ボルトン元米国連大使は事あるごとに表明してきた。問題は、国連を非難するだけでなく、再興の道筋をいかにして作るかだ。
② ベネズエラ・中南米のリーダーシップに復帰:
トランプ前米大統領が反政府大統領を作りモロッコがそれを支援したベネズエラは、
殆ど崩壊寸前だった。しかし、ブリュッセルEU(ヨーロッパ)議会のモロッコ非難決議やジュネーブ・グループ(西サハラ関係国際団体)の決意は、ベネズエラにカンフル注射となった。満身創痍のベネズエラは久方ぶりに、ALBA( the Bolivarian Alliance for the Peoples of Our America我らがアメリカ人民のためのボリバル連帯)サミットを開催した。中南米は日本よりもずっとヨーロッパに地理的に感覚的に近く、反応も早い。
ベネズエラの首都カラカスでのALBAサミットは、6月21日から6月23日にかけて開催された。サミットには中南米諸国の首脳や閣僚が参加して、コロナ渦中での経済や医療や政治などの連帯体制が討議された。特に、未だ植民地下にある西サハラに関して、「西サハラ人民の人権や民族自決権やSADR(サハラ・アラブ民主共和国)に対して支持していく」と、決議表明された。
6月26日、ALBAサミットに西サハラ難民政府が送ったハディージャ・アルムフタール西サハラ難民政府スペイン副代表は、ホルヘ・アリーザ・ベネズエラ外務大臣と会談した。
ベネズエラ外務大臣は、「最後のアフリカ植民地が一日も早く解放されるよう、ベネズエラは国際社会に働き続ける。ベネズエラは、これからも西サハラ人民の民族自決権を惜しみなく支援していく」と、約束した。ハディージャ副代表は、2020年11月の停戦違反以来、モロッコによる西サハラ侵略行為を説明し、ベネズエラの変わらない支援に感謝した。
Bolivarian(ボリバル主義)とは、南米北部の独立運動を率いたシモン・ボリバル(1783~1830年)の思想に基づく政治・社会運動のことで、汎中南米統一を目指すしている。ベネズエラ生まれのシモンにあやかって、ベネズエラは正式国名を<ベネズエラ・ボリバル・
共和国とした。
ベネズエラ革命の祖「シモン・ボリバル像」を背にした
西サハラ代表のハディージャ女史、ベネズエラ外務省にて
③ キューバ新リーダー・ミゲル・マリオ・ディアスカネル・ベルムーデス:
2021年6月26日、キューバの新リーダー・ミゲル・マリオ・ディアスカネル・ベルムーデス大統領は、西サハラ難民大統領兼ポリサリオ戦線事務総長のブラヒム・ガリ氏に、キューバ大統領就任の祝辞に対する返礼書簡を送った。その中でキュ―バ新大統領は「キューバ共産党書記長とキューバ大統領の就任にあたり、貴殿がお送りくださった祝電に、心から感謝の意を表します。キューバ国民と政府と共産党を代表して、改めて、西サハラ人民とSADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)とポリサリオ戦線に支援をし続けることを、誓います。連帯し協力していきましょう!」と、記した。
ミゲル・マリオ・ディアスカネル・ベルムーデス(Miguel Mario Díaz-Canel Bermúdez, 1960年4月20日 – )は、キューバの政治家。キューバ共産党第一書記(最高指導者)2021年4月19日、第15代大統領2019年10月10日 に選ばれた。キューバ指導部の中では強硬派と見られている。[2]、1982年に電気技師としてキューバ革命軍に入隊し、除隊後はキューバ青年共産主義同明に所属した。キューバ革命後に生まれた「キューバ革命未験世代」の新大統領はオートバイが大好き。
キューバはSADR
「未来の国連西サハラ事務蘇張個人特使はimpartiality, independence, competence and integrity are prerequisitesduring a meeting with Rosemary DiCarlo, UN Under-Secretary-General for Political Affairs and Peace building on the latest developments in Western Sahara.
パン・ギムンを推薦
―――――――――――――――――――
「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
――――――――――――――――――――
Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2021年6月30日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion11069:210701〕