2021年11月10日のNHK が、「エネルギーを外国に依存することなく、2050年まで
に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするという目標を達成するために、数十年ぶりに国内での原子炉の建設を再開する」と、マクロン・フランス大統領のテレビ演説を伝えました。 マジです!
① マクロン・フランス大統領の原子力発電所建設、再開宣言!:
2011年3月11日の東京電力福島第一原子力発電所の事故の時、パリに住む友人のアレックスが、「今すぐ日本を脱出しろ!放射能に汚染されるぞ!」と、緊急連絡がきた。フランスは早々と、在日フランス人たちに退避命令を出した。その当時のフランスはドイツに倣って、原発への電力依存度を削減していた。たこ焼きと相撲が大嫌いなサルコジ大統領が2011年3月31日に来日し、放射能汚染水と汚染物処理の設備や技術を売りつけた。
因みに、石油・天然ガスの産出国アルジェリアは、3・11東日本大震災に8憶3510万円(世界6位)の義援金を日本赤十字に渡している。
温室効果ガスの排出も恐ろしいけど、放射能排出はそれ以上に危険で人類をあっというまに絶滅させる、、マクロン・フランス大統領のエネルギー対策は、どこか、おかしい。
NHK によると演説の中でマクロン大統領は、最近のエネルギー価格の高騰にも言及したうえで「エネルギーを外国に依存することなく、価格も適正な範囲にとどめるには、省エネルギー政策を継続するとともに国内で二酸化炭素の排出を抑えたエネルギーへの投資が必要だ」と、述べたそうだ。「原子力はクリーン・エネルギー」と、いうのだろうか?
COP(Conference of the Parties)締約国会議 は<国連気候変動枠組み条約締約国会議>のことで、毎年一回、世界が一堂に会して温暖化対策の国際ルールを話し合う。COP1はベルリンで1995年に、COP3は京都で1997年に、COP21はパリで2015年に開かれた。
COP26は英国のグラスゴーで、コロナ禍で一年延期し、開催された。
<クリーンな原子力エネルギー>を主張するマクロン原発推進宣言に対して、国連や被爆国の日本やCOP関係者や怒れる若者たちは、なぜ、疑問の声を上げないのだろう?、、
甚だ疑問です!!
② マクロン、突然、原発再開の理由は?:
「エネルギーを外国に依存しない」と、マクロンが繰り返している。が、「依存できない」というのが、真実だ。これまで依存してきた外国、つまり、元のフランス植民地アルジェリアが、断ってきたからだ。これまでのフランスとアルジェリアのいきさつを辿ってみる。
モロッコとアルジェリアは共に元フランス植民地でフランスから独立したが、フランスに助けられて王様の復権を果たしたモロッコと違い、アルジェリアは約100万人の犠牲を払い、8年間の戦争でフランスから独立を勝ち取った。フランスは、よく言うことを聞くモロッコを可愛がっても、民族自決権などを主張するアルジェリアは、うざったい。事ある毎にフランスはモロッコと一緒になって、「アルジェリアは時代錯誤の民族主義者」と、罵ってきた。2021年8月24日、エスカレートするフランスとモロッコのヘイトスピーチに、アルジェリアの堪忍袋の緒が切れた。アルジェリアはモロッコとの国境を閉鎖し、国交を断絶し、アルジェリア領空をモロッコ機が飛来することを禁じた。
モロッコの挑発はさらにエスカレートし、モロッコの西サハラ占領軍がアルジェリア物流トラック・コンボイを軍事攻撃。アルジェリア人運転手3名を殺害した。が、モロッコは謝罪しなかった。
アルジェリアは10月31日、モロッコを経由する天然ガスパイプラインの契約更新を拒否した。このパイプラインのおかげで、フランスはアルジェリアの天然ガスを手に入れていた。それが、マクロンの「口害」が災いして、パイプラインが途切れてしまったのだ。
それだけではない、、マクロンは「原発再建設宣言」という新たな「口害」を捲いた。
マクロンの口を塞ぐ人はいないのか、、。
西サハラに隣接するアルジェリア・チンドゥフ付近のサハラ砂漠、鉄鉱石が露出している
③ 結局、当分、石油商売は止めない?:
2021年11月10日、英国グラスゴーのCOP26から国連本部に戻っていたアントニオ・グテーレス国連事務総長は、また、グラスゴーのCOP26にいそいそと出かけた。COP26の閉会祭典があり、デートの相手はナンシー・ペロシ―・アメリカ民主党下院議長。COP26の開会祭典では共催者として、ジョー・バイデン・アメリカ大統領を持ち上げた。COP26会議では、バラク・オバマ・アメリカ元大統領が登場し、トランプ共和党政権をけなし、民主党政権を讃えた。
なんのことはない、バイデン・アメリカ民主党は中間選挙とその先の大統領選挙のため、国連を利用して選挙戦をやったのだ。 勿論、グテーレス国連事務総長は、最大のスポンサーであるアメリカ民主党びいきで、見事に選挙前哨戦戦の援護射撃をやってのけた。
2021年10月28日にはCOP26に向けて、アメリカ下院公聴会で民主党下院議員たちが、アメリカ大手の石油会社トップたちを吊し上げている。エクソンのダレン・ウッズ最高経営責任者(CEO)、米シェブロンのマイケル・ワースCEO、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルと英BPの米国法人のトップのほか、米石油協会(API)のマイケル・ソマーズCEOらがオンラインで出席した。
民主党議員は、BPやシェルといった石油大手に、各社の利益の源となっている化石燃料が及ぼす環境への影響について厳しい質問を浴びせた。共和党議員らは、民主党主導の公聴会を、「テレビのゴールデンタイムで視聴者にアピールしたかっただけだ」と、選挙の前哨戦だと批判した。
アメリカ下院の公聴会でエクソンのダレン・ウッズCEOは、会社として長年、気候変動は現実のものと認識してきたと説明しました。 そして、「簡単な答えはない」とし、「石油とガスは当分、必要であり続ける」と述べました。
マクロン・フランス大統領の原発再開宣言も含め、クリーンエネルギーとは何なのか?教えてください。
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2021年11月14日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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