SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】464 デ・ミストラ西サハラ国連特使、ブリンケンと会談

 「デ・ミストラはベテラン国連外交官かもしれないが、前任者と同様の不運に見舞われる、、」と、ベルギー首都ブリュッセルに駐在する西サハラ難民政府EUヨーロッパ代表は、スタファン・デ・ミストラ西サハラ国連事務総長個人特使に期待していません。
 当事者の西サハラ難民が和平交渉を否定するような驕った口をきいてます、、?

① デ・ミストラ西サハラ国連事務総長個人特使がブリンケン米国務長官と会談:
 2022年2月3日、米国務省定例記者会見では、ネッド・プライス報道官と記者の間で、派手な論戦が交わされた。ロシアの侵攻を誘うバイデン政権の「ロシアの偽情報」を巡って、マット記者などから、「証拠」を見たいと要求があった。プライス報道官は、「情報省にある」と逃げた。
 「(ブリンケン米国務長官は)デ・ミストラに会ったのか?」とのマット記者の質問に、
「まだだ。今日の午後、会うことになっている」と、報道官は答えた。
 さらに、「西サハラ(モロッコ占領地)にアメリカ領事館を開く計画は?前政権の計画や約束を踏襲しないのか?」と、テッド記者の質問に、「これから当事者たちと、将来にわたる最善の解決策を探っていく」と、また、逃げた。

ワシントンで会談する、左にデ・ミストラ西サハラ国連特使、右にブリンケン米国務長官

 そして、2022年2月3日午後、ワシントンで、スタファン・デ・ミストラ西サハラ国連事務総長個人特使とアントニー・ブリンケン・米国務長官が会談した。会談後、国務省報道官が「<国連政治和平解決を指揮するデ・ミストラの支持>というアメリカの約束は、変わらない」と、声明を発表した。さらに報道官は、「信頼がおける政治プロセスを国際パートナーたちと構築していく外交方策のあり方を、長官と特使は検討した。それこそが、永続性があり尊厳がある紛争解決に導いてくと、一致した」と、語った。声明では、デ・ミストラが1月12日から19日にかけて、モロッコ、西サハラ難民キャンプ、モーリタニア、アルジェリアと、当該地を訪問したことにも言及した。

② AU(アフリカ連合)首脳会議がイスラエルの参加を拒否:
  第35回AU(アフリカ連合)首脳会議が、2022年2月5日と6日にエチオピア首都アジスアベバのAU(アフリカ連合)本部で行われた。AU(アフリカ連合)の正式加盟国であるSADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)西サハラ難民政府から、ブラヒム・ガリ大統領を筆頭にベイサット外務大臣代行やラミン・エチオピア兼AU西サハラ大使などが首脳会議に参加した。ガリ難民大統領は、2020年11月13日にモロッコが国連停戦合意を破って緩衝地帯に侵攻して以来、モロッコ軍は国境地帯や占領地で展開し続け、地域を脅かしていると訴えた。首脳会議は、加盟国全てがAU平和憲章に従うことを強く促した。
 UN (国連)のSC(安全保障理事会)と同様の、PSC(平和安全保障理事会)と言う組織がAU(アフリカ連合)にもある。PSCは、向こう1年間の行動計画の優先事項として、西サハラ紛争解決を挙げた。PSC(平和安全保障理事会)の卓上には、アフリカ大陸の未解決紛争問題が山積みにされている。AU(アフリカ連合)の拠点があるエチオピアでは、北部ティグレの戦闘が続いている。1月24日に大統領と国会議員の選挙が予定されていたリビアでは、アブデル・ハミド・デイバ首相の暗殺未遂事件が起こり、別のリビア人がリビア首相を称し、またもや分裂内戦の様相を呈してきた。
 AU(アフリカ連合)の苦悩をよそに、モロッコ代表のブリタ外務大臣は、パレスチナに対するモロッコ国王の貢献を讃え、AU(アフリカ連合)にイスラエルをオブザーバー国として参加させることを求めた。が、AU首脳会議は、拒否した。モロッコ外務大臣は、モロッコ国王が指揮するワクチン製薬業を宣伝し、アフリカ大陸の健康と医療はモロッコが握っているとAU首脳会議で強調した。

③ グングン伸びるアルジェリアの経済パイプ:
 2022年初頭の挨拶でテブン・アルジェリア大統領は、「今年の目標は、1に経済、2に経済、3,4がなくて5も経済、と、経済発展」と、断言した。トルコ、エジプト、モーリタニア、チュニジア、、さらにはカタールやドバイ万博のUAE(アラブ首長国連邦)などとも、実務的な経済協力を進めている。
 OAPEC(アラブ石油輸出機構)が、2021年アルジェリアの天然ガスは7.8%増加して11,480,000トンに上ったと発表している。
 一方、炭化水素のみならず様々な製品の輸出を奨励するアルジェリアは、貿易港の開発に力を入れている。2022年2月7日、モスタガネム商業港の港湾交易局が、2021年の一般製品輸出量が50万トンを越えたと、発表した。モスタガネム港はアルジェリア第2の都市オラン港に近く、地中海に面している。その歴史は、ローマ時代にまで遡り、人口457,986で、アルジェ、オラン、アンナバに次ぐ第4番目の港湾都市だ。
 2022年2月10日、SONATRACHソナトラック(アルジェリア国営石油会社)とNOC(リビア石油企業)が、炭化水素エネルギー開発新計画の覚書を、リビアのトリポリで交わした。NOCは2011年のリビア内戦以来、開店休業だった。
 因みに、SONATRACHソナトラック(アルジェリア国営石油会社)は1963年12月に、炭化水素資源を開発するための企業として設立し、ペルー、モーリタニア、ベネズエラ、リビア、そしてイエメンから、事業認可を受けていた。ソナトラック資源探索、抽出、輸送、そして精製まで、あらゆる面での事業活動を展開しており、特に石油化学部門と海水淡水化部門が突出している。石油の生産量は年間2,600万トン、原油パイプラインの長さは、アルジェリア国内で3,900 km以上に及ぶ
 2月8日、モハメド・アルカブ・アルジェリア・エネルギー地下資源大臣が、<アルジェリア、ニジェール、ナイジェリア天然ガスパイプライン計画>に関して、ティミプル・シルバ・ナイジェリア石油資源大臣とビデオ会談をした。
 2月9日、アルジェリア運輸省が、「2022年2月10日に、アルジェリアとモーリタニア間の新商業海路が開通する」と発表した。
 アルジェリアの経済パイプラインは順調に伸びている。

 モロッコ国王は、麻薬ハシッシの王営化に続いて、ワクチン製薬業にご執心です。
 その一方で、ウルスラ・フォン・デア・ライエンEU委員会委員長をラバトに招待し、エネルギー資源開発の話を持ち掛け、160憶$(1・6billion)以上の資金援助約束を取り付けたそうです。 モロッコ占領地・西サハラの未開発天然資源をネタに、モロッコは相変わらず接待外交!  モロッコ国王陛下にとって、「借金も甲斐性のうち」のようです。

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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861

同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。

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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU

Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa]  英語版URL:   https://youtu.be/au5p6mxvheo

WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十  2022年2月13日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion11754:220213〕