コロナが止めていたサウジアラビア・メッカへの大巡礼が、2年ぶりに解禁されました。
そして、大巡礼解禁と共に、サウジアラビアの実質的指導者であるムハンマド・ビン・サルマン・サウジアラビア皇太子が外交活動を再開しました。 カイロから離陸する皇太子専用機に向って必死に手を振り続ける、シシ・エジプト大統領の姿は、未だに世界の原油を牛耳るサウジアラビアに「ガソリンの値上げを止めてくれ!」と懇願する、世の庶民のようでもありました。
① 大巡礼2022年:
巡礼はアラビア語で<ハッジ>と言う。<ハッジ>とは、イスラム教徒がメッカまで旅をして、イスエラム歴における巡礼月に、メッカ郊外で行われる儀式に参加する宗教実践のことを指す。ハッジは、健康で実践可能な財力のあるすべてのイスラーム教徒が少なくとも人生のうちに1回は行うべきものとされている。サウジアラビア政府は、巡礼月(イスラム暦の第12月)の間に巡礼を目的とする外国人に特別ビザを発給している。ただし、メッカは、イスラーム教徒以外の人間が立ち入ることは禁じられているから、我々、非イスラム教徒がメッカに入りたい時は、イスラム教に改宗しなければならないそうだ、
2022年4月9日、サウジアラビア政府宗教省は、「今年の大巡礼に国内外から100万人を受け入れる」と、発表した。コロナの前までは、例年、約250万人が訪れていたという。サウジアラビア政府は、「今年参加を認めるのは65歳以下で、ワクチン接種済みの巡礼者に限定。サウジ渡航前のPCR検査も義務付ける」としている。メッカへ巡礼する人たちは、金がかかるので団体旅行を組む。イスラム教圏では、メッカへの巡礼者のために特別チャーター便(ハッジ・フライト)を運航している航空会社もある。
世界で一番イスラム教徒が多いインドネシアでは、ハッジ財務管理庁(BPKH)のアンギト・アビマンユ長官が「ホテル代、食事代、交通費など一人当たり8170万ルピア(743,925円)が必要となる」と概算したが、政府は補助金7兆5千億ルピア(682憶9177万5千円)の予算措置をとり、一人当たりの負担を約3990万ルピア(363,312)円にしたという。サウジアラビアは国・地域別にハッジの参加人数を割り当てており、今年のインドネシア枠は約10万人だ。コロナ禍前の2019年は約21万人だった。インドネシアのイスラム教徒は約2憶人で、全人口約2憶7千万人の約8割に当たる。
2020年の時点で、世界全人口約78憶人のうち、イスラム教徒は約16~18億人、キリスト教徒が約24憶人、ユダヤ教が1450万人~1740万人と言われている。
アルジェリアからサウジアラビアの聖地メッカに向け出発する大巡礼第一陣
② コロナに感染したモロッコ国王ムハンマド六世が巡礼者にお言葉:
2022年6月11日、モロッコ・ウラマー:イスラム教義最高評議会は、モロッコ領土内での<Lady of Heavenレデイー・オブ・ヘブン(天国の淑女、別名ファーティマ伝)>上映を禁止した。禁止理由は、「この歴史映画は、史実を間違って伝えている。預言者ムハンマドの末裔におわすムハンマド六世モロッコ国王の御意向で、作者ヤセル・アルハビブ,と映画の上映に関して、それなりの措置をとった」とある。イスラム教開祖ムハンマドは、メッカで606年(又は614年か?)に生まれた娘ファーティマを<自分の一部>と称賛し、史上最も純粋な女性と見なした。ムハンマドが選んだ娘婿のアリーは、ムハンマド没後にシーア派を創設した。ファーティマは父ムハンマドの死後(632年6月8日没)わずか数カ月の632年8月28日に死んだ。死因も埋葬場所も不明で、ミステリアス、、シーア派はアリ―とファーテイマ夫婦を神聖化している。
ユーチューブで<The Lady of Heaven>(2021年英国)を検索してみてください。予告編が見られます。
シーア派イスラム教徒が創った映画<ファーティマ伝>に、スンニ派のモロッコ国王が反発するのは勝手だ。何故この時期に意図的なシらーア派攻撃をするのかと言うと、、 「モロッコのスポンサーでもあるサウジアラビア皇太子のアフリカ中東歴訪を捉え、ムハンマド六世国王が、スンニ派頭領に忖度したかったからだ」と、言われている。サウジアラビアもモロッコも、シーア派のイランを仇敵とし、イエメンを代理戦場にイランと戦ってきた。イエメン内戦はただいま目出度い休戦中だ。再び火を点けるのは止めて欲しい。
6月16日、「ムハンマド六世陛下に神のご加護を、陛下がコロナ・19に感染された。神が国王陛下に、早期の回復を授けられますよう」と、ラフセン。ベルヤマニ,主治医が発表した。「症状は軽いが数日の休養が必要」と、言及した。
6月20日、ムハンマド六世陛下は、ラバト・サレ空港からメッカ巡礼に出発する第一陣に、励ましの言葉を送った。お言葉は、アハマド・タオフィーク
イスラーム教寄付担当大臣が代読した。
③ アルジェリアは中東外交のメッカ:
2022年6月12日、テブン・アルジェリア大統領も同席する閣議で、2022年度大巡礼にかかる航空券をDZD100,000.(92,744円)まで値下げすることを決定した。
6月16日、アルジェリア北部コンスタンティーヌのムハンマド・ブデイアフ空港からアルジェリア大巡礼第一陣が、聖地メッカに向けて出発した。コンスタンティーヌは首都アルジェから東に431キロメートル離れた峡谷地帯にあり、空港名はアンナバ港湾都市で銃殺された故ブデイアフ大統領の名を冠している。
6月18日、マクロン仏大統領がテブン・アルジェリア大統領に、電話をした。ウクライナ停戦を目指すマクロン仏大統領は、シュルツ・ドイツ首相やドラギ・イタリア首相たちとゼレンスキー訪問をした結果などを、ロシアと繋がりがあるテブン・アルジェリア大統領に報告をしたそうだ。
6月21日、アハメド・アブ・アルゲイト・アラブ連盟事務総長が率いる外公団がテブン・アルジェリア大統領を訪問した。両者会談には、アルジェリア側から、ラマムラ外務大臣やアブデルアジズ・ケラフ大統領府個人秘書官などが同席した。アラブ連盟事務総長は、「2022年11月1日と2日に予定されているアルジェ・アラブ首脳会議は間違いなく成功する。成功させねばならない」と、語った。
聖都メッカを擁するサウジアラビア王国ナンバーワンの実力者・ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、テブン・アルジェリア大統領と会談をしている。アルジェリアとサウジアラビアは、アフリカ大陸とアラビア半島で、夫々ナンバーワンの原油産出国で、両国の急接近はこれからの世界経済を読み解くカギになると思われるのに、メデイアは深追いしない。もっぱら、「2018年、トルコのイスタンブール領事館内で起こったカショギ記者斬首はモハンマド皇太子が命令あるいは了解していたのでは?」という事件に、メデイアの関心は集中していた。
エルドアン・トルコ大統領とムハンマド皇太子の対談でも、斬首事件に関して何か新しい情報が得られるのではと、記者団は期待していた。ムハンマド皇太子は、「ノー」と答えただけだった。クロをシロと言い続ける権力者に、神のお加護がありませんように、、
西サハラ難民も被占領も、2022年大巡礼には一人も参加しなかった。
コロナと自分自身をなだめすかせて、コロナ前の生活を取り戻そうともがいている庶民を、ウクライナ戦争と経済制裁が直撃しました。 ガソリンは値上がりするし物価は驚くほど高くなるし、、
そこへアフガニスタンの大地震です! 地震大国日本にとって、他人事ではありません。
大地震は天災です、 戦争は常軌を逸した人間自身がやらかす人災です。
戦争当事者は常軌を取り戻して、さっさと停戦してください!
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2022年6月26日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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