「アフリカのソマリアで1~7月間に、約730人の子供が栄養治療センターで餓死」と、9月6日にUNICEF(ユニセフ国連児童基金)が発表しました。 「ソマリアの子ども約150万人も、急性栄養失調の危機にある」と、言及しています。 餓死寸前の子供たちは、アフリカ中にいます。 ソマリアだけにスポットが当てられたのは、バイデン氏がトランプ氏のソマリア米軍撤退を撤回し、米軍再派遣を決めたからです。
葬儀費用が16億6千万円を超えるというニュースを、餓死寸前の赤ん坊を抱いたアフリカのお母さんたちや難民の人々はどう思ってるのか聞きたかった、、そんなところに、英国の葬儀情報が入ってきました。
① 西サハラ国連事務総長個人特使デ・ミストラ侯爵が西サハラ難民キャンプへ:
2022年9月8日、エリザベスⅡ世英国女王が逝去した。享年96才。日本では国葬そのものが問われているが、故英国女王の国葬に世界中の首脳が馳せ参じるのは、間違いない。もし英国王室が葬儀を簡素化し、人道活動を活用するチャールズ英国国王が葬儀予算を削ってアフリカの飢餓児童を救ったら、、と期待してしまう。
9月8日に岸田首相が発表した葬儀参列予定首脳6人のうち、トルドー・英連邦カナダ首相、アルバニージー・英連邦オーストラリア首相、シェンロン・英連邦シンガポール首相、モテイ・元英国植民地インド首相と、英国の元植民地や英連邦が多い。カナダとオーストラリアの元首は英国君主だ。日本の葬儀までその筋に操られているのだろうか?、、ウクライナ戦争でウクライナが欧米の支持を確実にしたのは、故英国女王がウクライナ国旗色で部屋を飾り、トルドー・カナダ首相を迎えてからだと言われている。
欧州は王族貴族がお好きなようだ。社会主義者だったサンチェス・スペイン首相もスペイン王室の圧力に屈し、西サハラをモロッコ国王に売り飛ばしてしまった。デ・ミストラという侯爵を西サハラ個人特使に選んだのは、モロッコ国王に忖度したからなのか?
その西サハラ国連事務総長個人特使・スタファン・デ・ミストラ侯爵が、2022年9月3日、アルジェリア西端チンドゥーフにある西サハラ難民キャンプに入った。2022年1月12日に続き、デ・ミストラ侯爵にとって2度目の訪問になる。
9月3日は、シデイ・オマル西サハラ国連代表・兼・MINURSO (ミヌルソ国連西サハラ人民投票監視団) 担当がデ・ミストラ国連特使をエスコートして、婦人組織、青年組織、占領地で拘束されている西サハラ人の救済組織など、様々な西サハラ難民組織がデ・ミストラ国連特使と面会し、モロッコ占領地・西サハラでの迫害状況なども訴えた。
9月4日、デ・ミストラ国連特使は大統領官邸で、ブラヒム・ガリSADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)大統領・兼・ポリサリオ事務総長と、意見交換をした。オマル国連西サハラ代表とハトリ国連交渉西サハラ側団長が同席した。
会談後にオマル国連西サハラ代表は、「我々は平和に手を差し伸べるが、我々の指は引き金に掛かっている、、」と語った。1991年に約束した平和解決策を放置したままの国連に対して、強い不信感が西サハラ難民と被占領民にはある。トップ会談で西サハラ側は、国連旗ではなくアフリカ連合旗を飾って不帰順の態度を表明した。
(左Ⅱ番目から)デ・ミストラ西サハラ国連事務総長個人特使、
ガリ西サハラ大統領、オマル西サハラ国連代表、ハトリ西サハラ国連交渉団長、
西サハラ国旗とAUアフリカ連合旗に注目!、
② ステファン国連事務総長報道官が、スタファン・デ・ミストラ侯爵に一目置く:
ハトリ国連交渉西サハラ側団長は、「西サハラ紛争を交渉で解決しようとする国連や我々の努力を、モロッコは相変わらず、妨害し続けている」と、国際法や国連決議を無視し、領有権を主張するモロッコを非難した。そして「それでも国連事務総長個人特使は、当該地の視察を続け、中断している両当事者(モロッコとポリサリオ戦線)の交渉を、アルジェリアとモーリタニアの立ち合いの下にやるよう、努力を続けている」と、記者団に語った。
9月6日、ステファン国連事務総長報道官が国連本部で、「6月にラバト(モロッコ首都)を訪れたのに続いて、スタファン・デ・ミストラ西サハラ国連事務総長個人特使はテインドゥーフ(西サハラ難民キャンプ)を訪問し、関係者たちと対話を続けた。昨日は(9月5日)アルジェ(アルジェリア首都)に移動し、アルジェリアの担当者たちと会った。
9月10日に、彼は、ヌアクショット(モーリタニア首都)でモーリタニア当局者たちと会う予定にしている。 一連の視察を通して、全ての関係者が納得のいく建設的で前向きな、西サハラに関する政治的解決を模索し続けていこうとしている。そのために、彼は前例と、前任者たちの業績を継承していきたいと表明している」との声明を出した。
続く質疑応答で記者の一人が、「メルシー、ステファン。スタファン・デ・ミストラ氏は就任以来、一度もこの部屋に来たこともオンラインに登場したこともない。彼は、どうやって我々と接触するつもりなんだ?」と、聞いた。ステファン報道官は、「え~っと、私が彼に聞いてみるという手がある。が、まずは彼がこの旅を終えるのを待とう、、スタファンとは長い間、一緒に働いてきた。彼は、公の場で話すのが苦手というタイプじゃない。彼が、彼のミッションにとって最良の時だと判断したら行動すると、私は思う。それはさておき。私が彼に聞いてみる」と、答えた。辛辣で意地悪なパリジャン・ステファン国連事務総長報道官が、スタファン・デ・ミストラに関しては妙に優しく、一目置いている。
③ スタファン・デ・ミストラとは何者?:
2021年10月6日、国連事務総長がイタリアとスウエーデンの国籍を持つ外交官スタファン・デ・ミストラ侯爵を。西サハラ国連事務総長個人特使に指名した。ステファン・デイジャトリ報道官が気を遣うスタファン・デ・ミストラ侯爵とは、一体、何者なのか?簡単に身元調査をしてみる。
1947年1月25日、スウェーデンの首都・ストックホルムで、イタリア人の父とスウェーデン人の母の間にスタファンは誕生した。父はクロアチア・シベニク出身の貴族だ。
1971年、国連に就職し、スーダンでWFP(世界食糧計画)を指揮した。
1973年、チャドで緊急解放指揮官となり、国連初の支援物資空中投下作戦を指揮した。
1976年から1985年まで、FAO(食糧農業機関)副官房長を務めた。
1987年、WFP(世界食糧計画)の指揮官としてスーダンに戻った。
1988年から1991年まで、アフガニスタン調整部の資金調達・対外関係の指揮官を務めた
1997年~2001年、イラクで国連人道調整官と人権問題の安全保障委員を務めた。
1999年、イラクで人権問題の安全保障委員を務めた。
2001年~2004年まで、レバノン南部で事務総長代理として、地雷除去活動をした。
2005年1月から2006年3月まで、イラク特別副代表を務めた。
2006年4月から2007年9月11日まで、トリノ(イタリア)で国連職員大学学長を務めた。
2007年9月11日、潘基文前国連総長のSRSG(事務総長代理)としてイラクで任についた。
2009年7月、ローマのWFO(世界食糧計画)の対外関係役員になった
2011年11月28日、イタリアのマリオ・モンティ政権の外務次官に任命された
2014年5月、ブリュッセル欧州平和機関 (EUが支援するNGO)の代表に任命された。
2014年7月10日、シリア内戦の平和的解決を目指す特使に任命された
デ・ミストラ侯爵はスウェーデン語、イタリア語、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、アラビア語に堪能で、国連に40年間勤務した後、外交官とナポリの30km南に浮かぶカプリ島・ヴィラ・サン・ミケーレの代表を兼任している。
2019年5月22日に突然、体調不良で辞任した元気なホルスト・ケーラー元ドイツ大統領の後、2021年10月6日にデ・ミストラ侯爵が着任するまで、モロッコの妨害で西サハラ国連事務総長個人特使の席は、2年半も空席になっていました。
前前任者クリストファー・ロス氏(元アメリカの大使)同様に、前任者ケーラー氏もモロッコの嫌がらせが原因で、突然の電話で辞任を告げたという噂です。
前前任者クリストファー・ロス氏は「もし、西サハラ国連人民投票の可能性があるのなら、アメリカ政府の強力な後押しが必要だ」と、ツイッターで助言しています。 「前任者たちの業績を継ぐ」と公言している侯爵デ・ミストラ国連事務総長個人特使には、ぜひぜひ、米外交官クリストファー・ロス氏に会われることをお勧めします。
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2022年9月11日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
〔opinion12370:220911〕