英国国葬行事が延々と続く中、第77回国連総会が予定通りに9月第2火曜日の13日から、始まりました。 9月19日の故エリザベスⅱ世葬儀の翌日から、世界の首脳級による一般討論演説という国連新年行事が始まり、27日まで続きます。 国連報道室では、国連事務総長は19日の英国国葬葬に参列するのかどうかが、話題になっていました。 そんな報道室に突然、二の腕に入れ墨を掘ったウクライナ女性記者が出現しました。
① 私はベロニカ:
「ハロー!私はベロニカ、<ウクライナの新しい声>という新しいウクライナ・メデイアの特派員だ」と、入れ墨女記者が、9月9日の国連定例記者会見で声を上げた。そして、ザポリジャー原発に関して質問した。隣に座った男性記者がしげしげと、両腕の入れ墨に見入った。入れ墨ベロニカは、「何回、ロシアの拒否権で国連安保理の<地域(ザポリジャー原発地域)の非武装化案>が潰されていることか?! 国連安保理メンバー国による提案に、ウクライナは賛同した。にも拘わらず、ロシアが反対し続けている。この提案は廃案になったのか?ロシアに非武装化を空しく呼び続けろ、ということか?」と、迫った。
ステファン国連事務総長報道官は、「我々は、国連安保理がダイナミックにしかも透明性を持って行動していることを、承知している。<非武装化案>は国連安保理決議ではなく、ロシアとウクライナ両国それぞれが源だと認識している」と、答えた。
「ハロー!私はナタリー」と、9月12日には別のウクライナ女記者が登場した。肌を出していないので、入れ墨をしょっているのかどうかは不明だ。「最近、リンダ・トマス・グリンフィールド・アメリカ国連大使が、<ロシア占領下のウクライナで、ロシアによる掃討作戦が強行中だ>という指摘をした。国連は国際社会の一員として、この犯罪行為をなんと見るか?それから、ウクライナの孤児たちがロシア支配地域に強制移動させられている。その数は数千人を超えるんだぞ!?」と、ナタリーが聞いた。
「ローズマリー・ディカルロ国連人権高等弁務官代理が先週、国連安保理でその件に関して報告しているので、参照してほしい。これが最新解答だ、、ウクライナに関する国連総会の記録は、2014年に遡る」と、ステファン国連事務総長報道官は答えた。2014年とは、当時のバイデン副大統領が仕掛けた<ウクライナ・マイダン革命>の年を指す。
② 私は国連総会議長:
2022年9月13日、第77回国連総会がチャバ・コロシ議長の木槌で始まった。
議長席から演壇に移動したコロシ議長は、「連帯、持続可能性、科学的検証による解決をモットーに、先人の業績を礎にして、困難を煮りきっていく」と語った。さらに、食料価格の高騰や気候変動などに触れながら「私たちが力を合わせることで、未曽有の課題にも立ち向かうことができる」と強調した。そして、「総会議長として気候変動事業をグッドオフィスの下に推進していく」と表明した。
コロシ議長の任期は9月13日から1年間で、国連加盟193か国のまとめ役を務める。今年は、国連議長候補がコロシ氏しかいなくて、無投票で(国連事務総長ご推薦)元ハンガリー国連大使のチャバ・コロシが選ばれた。
チャバ・コロシ氏は1958年にハンガリーのセグドで生まれた。国際関係モスクワ研究所(ロシア)、国際関係リード大学(英国)、ヘブライ大学中東研究トルーマン研究所(イスラエル)、ハーバード・ジョン・ケネデイー行政大学院(アメリカ)で、学んだ。そして、1983年にハンガリー外務省に入った。ギリシャ、イスラエル、リビアなど諸外国で外交官として働き、2010年から2014年まで国連ハンガリー大使を務めた。2011年から2012年までは国連総会副議長の任に着いていた。最近まで、ハンガリー大統領府で環境の持続可能性を担うディレクターを務めていた。
③ 私は国連事務総長:
「私は、パキスタンから帰ったばかりだ。そして、ウィンドウ(窓?パソコン?)から、
私は未来を見た、、」と、アントニオ・グテーレス国連事務総長は、第77回国連総会一般討論を目前にした9月14日の記者会見を、<やってますパホーマンス>でスタートさせた。そして、パキスタンの洪水や祖国ポルトガルの山火事やその他人類の不幸を<気候変動>の所為にした。
「プーチン大統領は国連総会一般討論に参加しない。国連事務総長はプーチン大統領とコンタクトを取るつもりはあるのか?」とのやらせ質問に、グテーレス国連事務総長は待ってましたとばかり、「私はいまさっきまで、そのプーチンと電話をしていた。だからこの会見が遅くなってしまった」と、<やってますパフォーマンス>で応答した。そして、「私たちは黒海穀物取引について話す機会があった。ロシアの穀物と肥料が黒海を通過して世界市場に流れるように、JCC(共同調整センター)とも協力して障害を取り除くよう交渉期限を延長する努力をしていく。戦争捕虜の件も話し合った、、通常、私は電話会話は公開しないのだが、、」と、もったいつけてプーチンとのやり取りの、ごくごく一部を語った。国連事務総長がプーチンと言葉を交わしたのは、ウクライナ戦争が始まる前とそして今回と、たった2回しかない。
タス通信のグレゴリー記者が、「きたる一般討論の期間中に、ロシア穀物肥料輸送の話を進めるつもりか?ロシアの穀物や肥料は全く動いてない!」と、国連事務総長に質した。「勿論だ。ロシア製品輸送実現のため、できうる限りの努力をする」と、国連事務総長は答えた。
CBS.TV のパメラ記者は「平和ブローカーとしては、平和取り引きを考えてないのか?平和のための、交渉の場を設けたか?」と、アラブアルジャジードのイクテイサーム記者は「プーチンンと電話したそうだが、平和交渉のテーブルは用意しているのか?」と、ボイスオブアメリカのマーガレット記者は「ラブロフ外相とウクライナ外相が国連に来る、二人を会わせることは可能か?グッドオフィスを自称する国連として、、」と、、たくさんの記者たちが、ウクライナ戦争の停戦交渉を促す質問を、国連事務総長に浴びせかけた。しかし、「当事者にその気があればね、、私は幻想を抱いていない」と、笑ってはぐらかした。国連事務総長に、停戦を仲介する気はなさそうだ。
英国国葬参列の有無を聞いたアルジャジーラのサロメ記者に、「葬儀に参加しないと決めたのではない。世界の要人を迎えるためニューヨークにいると決めた。それが私の役目だ」と、国連事務総長は答えた。大部分の記者たちは、ウクライナ戦争停戦に向けて、国連事務総長の前向きな発言を期待していたのだが、、
国連事務総長は、自身の気候変動事業目標を表明しました。 そして見事に、チャールズ三世、グテーレス、コロシのトロイカ体制を、確立させました。
しかし、その前に地球はこの不幸なウクライナ戦争で破滅しつつあります。
しかも、国連事務総長は、この戦争を止める可能性を持っています。
その国連事務総長に止める意思がないということは、戦争商売人と同じ戦犯になります。 国連総会新年行事の間に、国連事務総長として真面目に、<平和>と四つに組んでください!
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2022年9月18日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
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