SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】501 ダーティーボム・汚い爆弾

 <ダーティーボム・汚い爆弾>という言葉が、当節、出回ってます。 「ウクライナがダーティーボムを使おうとしている」と、ロシアが非公開の安保理に訴えてから、俄然、<ダーティーボム>なる単語が拡散しました。 <ダーティーボムDirty Bomb 汚い爆弾>は新しい言葉ではありません。 <広島の原爆>も<原発>も<ダーティーボム>の類です。

① ダーティーボム・汚い爆弾?:
 ウキペデイアなどによると、「ダーティーボムとは、放射性物質を拡散する爆弾または装置である。核爆発の効果による被害を目的とする核兵器と異なり、炸薬などの爆発や非爆発手法によって、放射性の汚染物質を拡散させ被害を発生させる」とある。が、終局的には、核兵器もダーティーボムも、地球を滅ぼす放射能の拡散に変わりないのでは?
 2022年10月24日、ロシアが提案した<ウクライナによるダーテイーボム使用の懸念>に関する非公開の安保理会合の後、会議場の前で、ドミトリー・ポリャンスキー・ロシア国連次席大使がステイクアウト(待ち伏せ会見)に応じた。その中で、「ウクライナは汚い爆弾を製造し使用しようとしている。周辺地域にとって、非常に危険で脅威だ」と、ウクライナ製<ダーティーボム>を非難した。
 

10月24日、ウクライナのダーティーボムを非難したドミトリー・ポリャンスキー・ロシア
国連次席大使は27日の安保理西サハラ採択では、西サハラを支援した。(安保理会議場で)

 
 「西側は、ロシアの捏造だと提案を否定しているが?」との記者の質問に、「事実に決まっている。信じる信じないは、西側の勝手だ」と、何を言ってもロシアを否定する西側に反発した。「証拠があるのか?」という質問に、「勿論だ、先方の情報機関やロシアの情報機関などの確実な情報だ。IAEA(国際原子力機関)にも報告した」と、答えた。
 アメリカのバイデン大統領は10月25日、ウクライナの<ダーテイーボム>はロシア一流の<偽旗作戦(敵になりすまして攻撃を行う)>かもしれないとし、「戦術核を使用すればロシアはきわめて重大な間違いを犯すことになる」と、ロシアの核使用を煽った。  
 バイデンは、アメリカが日本に2発も核爆弾を落とし、約16万6千人の広島市民と約7万4千人の長崎市民を瞬時に虐殺したことを、忘れたのか?犠牲者はさらに増え、2019年8月時点で、広島31万9186名、長崎18万2601人の合計50万1787人が、アメリカの核爆弾で殺されたという記録があることを、知らないのか?間違いを犯したのはアメリカだ。

② ドローンボム・かみかぜドローン:
 10月17日早朝、首都キーウがロシア軍ドローン28機の編隊に急襲された。ドローンは電力関連施設などに突っ込み、8人が死亡した他、周辺地域の一部は停電になった。キーウ市長は、「大部分はウクライナ軍が迎撃し、自爆に成功したのは5機のみ」と自慢した。ウクライナのゼレンスキー閣下は国連安保理とIAEAに、「かみかぜドローン(神風特攻機に名を借りた自爆ドローン)の使用は戦時国際法ジュネーブ条約に違反する」と、ロシアを訴えた。そう言うゼレンスキー閣下は、外国からかみかぜドローンを入手し、4月にはバイデンから、100台の米国製かみかぜドローン<スイッチブレード>を貰って、使用中だ。
 抜け目のないバイデンは、ロシア軍かみかぜドローンがイラン製であるとし、ヨーロッパとイスラエルを誘って、イランの核問題や人権問題や反政府デモ弾圧なども絡め、イラン攻撃を始めた。
 ただし、かみかぜドローンは、高額な巡航ミサイルなどより格安で自家製造も可能だから、ウクライナもロシアも使用している。双方から飛んでくるドローンボムや迎撃されたドローンボムの破片は、庶民の頭上に飛んでくる。迷惑するのは庶民だ。
 無人の航空機を軍事目的で飛ばす事は、100年以上も前の第一次世界大戦中に欧米で試作されたそうだ。最初は飛行機にリモート操作の機器を取り付けて飛ばしていたが、コンピューターの急速な発達で、ドローンボム・自爆爆弾はめざましく進歩した。第二次大戦が終わってもベトナム、アフガニスタン、イラクと、常に外地で戦場を作ってきたアメリカは、ゲーム感覚で間接的に人殺しができるドローンボムの開発に力を入れた。
 アメリカ軍は駐留部隊を撤退させた後も、テロ撲滅の名目で勝手にアフガニスタンやパキスタンなどにドローンボムを落としている。アルカイダ最高指導者のザワヒリを、アフガニスタンでドローンボム暗殺した時も、アフガニスタン政府の許可なしに、領空侵犯し爆弾を落とした。テロのレッテルを張れば、米軍の爆撃はオールマイティ―とアメリカは決めつけている。10月26日に駐南アフリカ米大使館が、「南アフリカのヨハネスブルグで29日にテロの可能性あり」と、突然、警告を発した。アメリカは南アフリカまでテロ国家にしようとしている。アメリカの真意は何なんだ?
 恐ろしいことに、ドローンによる攻撃は目標の確認が不正確になりがちで、アメリカが公表しない「誤爆」も多いということだ。
 放射性物質を積んだ、いわゆるドローンボムがイナゴの大群のように上空を覆ったら?!! 寒気がする。
 ダーテイーボムだろうが、ドローンボムだろうが、ボムと名の付くものは全てよくない。

③ 「今年の冬はウクライナに帰りたくない」ウクライナ難民:
今年の冬は極寒だと、日本やヨーロッパの気象庁が警告を出した。
 10月25日の国連定例記者会見でステファン報道官が、「厳しい冬がウクライナ難民を襲ってくる。より一層の人道支援が必要だ、、」と、ウクライナ支援を促した。「今年の冬はウクライナに帰りたくない、、燃料もないし電気は切れてるし、、」と、ウクライナ難民はぼやいている。10月27日にプーチン大統領が3時間以上にわたる講演をし、その中で、「バイデンがゼレンスキーに和平交渉をするなと命じた」と、明かした。ゼレンスキー閣下も、「11月までウクライナ戦争は続く」と、語っていた。ウクライナの庶民は、まず、ゼレンスキー閣下に直訴して、戦争を止めさせることだ。厳しい冬は日本の庶民にも襲ってくる。大金持ちのアメリカをスポンサーに持つウクライナ難民に、いつまでも貢ぐほど日本の庶民は豊かではない、早く停戦してください!
 ウクライナ戦争が長引いても暖かく冬を過ごせるのは、一部のウクライナ人とバイデン父子と軍需産業だ。7月21日のCNNによると、「バイデンの息子ハンターは、2014年から2019年まで、ウクライナの天然ガス会社であるブリスマ・ホールディングスの取締役を務めた。この期間、月額5万ドル(約737万円)の報酬を受けていた」とある。ウクライナは、ハンターに支払った月額5万ドル(約737万円)X 5年X 12か月=300万ドル(約4憶4230万円)を返済してもらって、難民の暖房費に充てるべきだ。
 10月24日、ロイターやデモクラシーナオなど、右や左のメデイアが誇らしげに、「アメリカの下院議員30名がバイデン大統領に対し、現在の軍事的・経済的支援に停戦交渉努力も組み合わせるよう訴える書簡を連名で送った。書簡は侵攻による破壊行為がウクライナだけでなく世界に及ぼす影響を指摘し、状況が破滅的にエスカレートするリスクにも言及、、武力衝突の長期化を避けることがウクライナにとっても米国にとっても世界にとっても利益になると訴えた」と、称賛した。書簡要請は、下院の進歩派議員連盟<プログレッシブ・コーカス>の会長であるジャヤパル議員が主導したそうだ。が、翌々日の26日、「ジャアバル会長が書簡を撤回した」とCNNが伝えた。バイデンの圧力がかかったようだ。
 しかし、下院共和党のケビン・マッカーシー院内総務は最近、11月の中間選挙で共和党が多数派を勝ち取れば、米国のウクライナ支援は「白紙小切手ではなくなる」と述べ、資金支援などを絞る考えを匂わせている。さらに、バイデン父子とウクライナの天然ガス会社であるブリスマ・ホールディングスとの汚職疑惑も再燃しそうだ。

 <かみかぜドローン>は、モロッコも外国から購入し、ポリサリオ西サハラ難民軍が解放した西サハラ砂漠に飛ばしてきました。 西サハラ砂漠を横断していたアルジェリアの物流トラックをモロッコ・ドローンが襲撃し、アルジェリア民間商人3名を殺しました。
 10月27日、国連安保理は西サハラ決議2654を採択し、モロッコと西サハラ代表ポリサリオの紛争両当事者に、戦闘ではなく平和的解決を促しました。 そして、MINURSOミヌルソ(国連西サハラ人民投票監視団)の任期を新たに1年、延期しました。
 MINURSOミヌルソはその名が示すように、人民投票を監視するために設けられました。
 国連事務総長はごまかさないで、国連が提案した平和的解決の人民投票を早くやってください!
 
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861

同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
 
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU

Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa]  英語版URL:   https://youtu.be/au5p6mxvheo

WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十  2022年10月29日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
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