「愛してるよ、ジャック!」と、傍聴席から声が上がり、被告は振り返らず、「パパ、ぼくもだよ」と答えました。 連邦地裁のデイヴィッド・ヘネシー判事は、被告に罪状を説明し、国選弁護士の弁護を受ける資格があると言い渡しました。 被告は茶色い上下の留置服に手錠と足かせをはめられて入廷しましたが、着席時には手錠は外されていました。
2023年4月14日、米マサチューセッツ州ボストン連邦地方裁判所の一齣です。(出展 米CBS-TV、米CNN—TV)
① ボストン連邦地方裁判所:
被告はジャック・テイシェイラ米空軍兵(21才)で、「愛してる」と叫んだパパは継父のトーマス・デュフォルトだ。ジャックは高校卒業後の2019年9月に州の空軍に入隊し。2022年7月に1等空兵に昇進し、ネットワークの保守・管理担当者としての肩書を貰った。ジャックはケープコッドのオーティス空軍州兵基地に駐屯していた。技術または諜報機関の立場にある多くの米軍要員は、機密情報へのアクセスを任されている。継父はケープコッド基地の空軍情報部に従軍していた退役軍曹で、義理の兄弟はケープコッド基地で働き、彼の母親も退役軍人を支援する非営利団体で働いていたという、軍人一家だ。
機密文書は当初、「Bear vs Pig」と呼ばれる小さなプライベート チャット グループに投稿された。ジャックが最初に機密情報をオンラインに投稿したのは2022 年 12 月頃で、2023 年 1 月頃に書類の写真を投稿したと、FBIが報告している。
2023年2月28日、チャットグループのメンバーが機密文書の数十枚の写真を別のサーバーに投稿したとされている。そこから、他の誰かが、そのサーバーで見つかった画像をMinecraftビデオゲームに関連するサーバーに投稿したという。 機密文書がロシア語の電報チャンネルに表示され始めた後で、 ニューヨークタイムズがジャックをチャットルーム管理者とする 最初の報道をした。
2023年4月13日の朝、FBI(連邦捜査局)はジャックを、母親や継父と一緒に住んでいたディトンの自宅で逮捕した。ジャックは、①許可なく国防情報を保持および送信することにより1917年のスパイ法に違反、②機密情報の不正な削除と保持の違反、という2つの犯罪で起訴された。一審は、最大10年の懲役刑を請求した。
4月27日の拘禁審問に先立って、検察と弁護側は裁判所にメモを提出した。検察側は、保証金なしでの継続的な拘禁を提唱した。これに対し、弁護側は、ジャックに逃亡の危険がなく、条件付きで2万ドルの保証金で家族の監護権に釈放されるべきであると主張した。 合衆国治安判事は拘禁に関する決定を下した。
国防総省報道官のパット・ライダー准将は記者会見で、今回の文書流出は「意図的な犯罪行為」だと述べた。
② 失速するバイデン米軍:
「米国はウクライナ攻勢に期待していない」という機密文書漏洩の後、ウクライナ防衛コンタクトグループ定例会議=ラムシュタイン会議が開かれた。米紙ポリティコが、「4月21日にドイツ南西部のラムシュタイン米空軍基地で、ロイド・オースティン米国防長官とマーク・ミリー米統合参謀本部議長が議長を務めた同会議は、欧米グループの結束が困難になると予測している」と、報じた。
2023年4月29日のCNNが、「米国陸軍のジェームズ・マッコンビル参謀総長は4月29日を期に、重要任務に関与していない同軍の全パイロットに対して飛行禁止命令を出した」と、伝えた。陸軍では最近ヘリコプターの墜落事故が相次ぎ、合わせて兵士12人が死亡していた。「我が軍の飛行士の安全が最重要事項であり、今回の飛行停止は重要な措置だ。手段を確実に講じ、事故の防止と軍要員の保護に努める」と、参謀総長は述べた。
4月27日には軍用ヘリ「AH64アパッチ」2機が、アラスカ州フォートウェインライトの南160キロの地点で空中衝突を起こしていた。2機は州内での戦闘訓練から帰還する途中だった。この事故により兵士3人が死亡、1人が負傷した。陸軍の第11空挺(くうてい)師団の情報だ。
さらに数週間前には、ケンタッキー州フォートキャンベル付近での夜間訓練中、軍用ヘリ「HH60ブラックホーク」2機が空中衝突して墜落。兵士9人が死亡している。陸軍によると、これらの事故については現在調査しているが、2件の間に「何らかの共通機体不備が存在する兆候はない」という。
3件目の米国製ヘリコプターUH60ブラックホーク事故は、日本の沖縄県・宮古島周辺で4月6日午後4時前に起こり、5月2日にやっと破損機体が海底から引き揚げられた。乗組員10人のうち、一人も生存が確認されていない。
<アメリカ製兵器が最高>という神話が崩れたのを、米軍自らが認めているのだから、日本も庶民の血税で超高価な買い物をするのは控えてください。
③ 米国のウクライナ支援の財源は、9月頃に枯渇?:
ある漏洩機密文書には、ウクライナ反転大攻勢に備えて12個の新しいウクライナ旅団が、いつ、どこで、どう、準備されるかが記載されていた。他の機密文書では、ウクライナに西側同盟国によって提供された戦車、装甲車両、および大砲などが、非常に詳細にリストアップされている。.ひとつの地図には、春の進行でウクライナ東部全体の地表の状態を想定したタイムラインも含まれている。
5月1日、「ウクライナが反転攻勢のためと要求した軍事支援のほぼ100%全納したが、支援は継続」と、NBC(米国家安全保障会議)のジョン・カービー戦略広報調整官が釈明した。
アメリカの複数メデイアによると、ジャネット・イエレン米財務長官は1日、議会に宛てた書簡の中で、「近々の連邦税収を検討した結果、我々の最善の予測では、議会が債務上限を引き上げるか一時停止しなければ、6月上旬、早ければ6月1日にも政府の債務支払いを続けることができなくなるだろう」と、警告している。米下院は先週、債務上限を1.5兆ドル引き上げる一方で、政府支出を4.5兆ドル以上削減する共和党の法案を可決した。そしてイエレンは、「米国のウクライナ支援の財源は、9月頃に枯渇する」と、結論づけた。イエレンは2月27日にキエフ入りをし、ゼレンスキー・ウクライナ大統領閣下に会っている。
5月1日のワシントンポストでゼレンスキー・ウクライナ大統領閣下は、「機密文書漏洩事件に関して、ホワイトハウスからも国防総省からも事前に説明はなかった」と語った。
5月3日、「米国防総省機密文章の漏洩を恐れたウクライナは、西側の同盟国に対しても反転攻勢の計画を隠すようになった」と、米ポリティコ紙が報じた。
5月3日、ロシア政府は、クレムリン(ロシア大統領府)を狙った2機のドローンを撃墜したと発表し、ソーシャルメデイアの映像を流した。ロシアはアメリカが主犯だ、アメリカはロシアの自作自演、ウクライナはロシア反政府、といつものように三者三様だ。
ジャックはどう思うかな?
ジャックが悪いわけではありません。 スマホが悪いわけでもありません。 SNSが悪いわけでもありません。
バレたら困るようなことをやっている<輩>のほうが、数百万倍悪いのです。
スマホスパイ事件ペガサス・スパイウェ告発時のスマホたち、スマホは罪人ではありません
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2023年5月6日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
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