「今、停戦に達する即時の可能性があるとは思わないからと、無視したのか?」と、5月15日の国連定例記者会見で、南アフリカのシャーウイン記者が南アフリカ大統領の和平調停を無視した国連事務総長を質しました。 「(その話)は知らない、、」と、国連事務総長報道官がとぼけました。 偏見と差別で評判のグテーレス国連事務総長に本音が出ました! アフリカの指導者がウクライナ和平イニシャチブを取ることを、嫌がっているようです。
①5月15日、南アフリカ大統領が和平イニシャテイブを取る事を無視した、事務総長:
「先週(5月第2週)遅く、南アフリカ大統領はロシア大統領に電話をし、クレムリンはその後、プーチン大統領はロシアが外交路線に取り組むことを全く拒否しなかったことを踏まえ、ウクライナでの紛争を解決する見通しについて話し合うアフリカ指導者の和平使節団に賛意を表明した。ラマポーザ大統領と総長の間で、意見交換があったのでは?」と、南アフリカのシャーウイン記者が聞いた。さらに記者は、「ラマポーザは、国連は国際社会が平和と共通の発展のために努力できる唯一の実行可能なメカニズムと言っている」と、お世辞も忘れなかった。が、報道官は、「知らない」と、答えた。
5月16日、英紙ガーデイアンなどが、シリル・ラマポーザ南アフリカ大統領とシンガポールのリー・シェンロン首相との、ケープタウンに於ける共同記者会見を紹介した。それによると、「ラマポーザ大統領はプーチン大統領もゼレンスキー大統領もアフリカの指導者と平和計画について話し合うことに合意したと述べた、、アフリカの首脳で構成された平和使節団には、南アフリカ、セネガル、ウガンダ、エジプト、コンゴ共和国、ザンビアが参加し、プーチン大統領とゼレンスキー大統領は、それぞれの首都モスクワとキーウで和平使節団を迎える予定だと語った。具体的な日程の詰めはこれからだそうだ」と、報じた。
さらに ラマポーザ大統領は、米国と英国は同計画に「非積極的な支持を表明したと、言及した。国連のアントニオ・グテーレス事務総長にも同計画について電話をしたと、ラマポーザ大統領は明らかにした。中国、ブラジル、トルコ、アルジェリアなどの国々は、平和解決への仲裁を快く応援している。
シリル・ラマポーザ第12代南アフリカ大統領、第14代アフリカ民族会議議長(70才)
②やっと16日になって、南アフリカ大統領の電話を認めた国連事務総長報道官:
5月16日、「ラマポーザ南アフリカ大統領は本日メディアにブリーフィングを行い、アフリカ平和イニシアチブを提案した。彼は、このイニシアチブに関して事務総長と話をしたと言った。事務総長の詳細な対応は?」と、シャーウィン記者に催促されて、初めて報道官はラマポーザ南アフリカ大統領から国連事務総長に電話があったことを認め、「事務総長は、昨日(15日?)の午後遅く、ジャマイカにいた時にラマポーザ大統領から電話を受けた。私たちは、憲章に沿って、国際法に沿って、そして総会決議に沿って、私たちを平和に導く可能性のあるあらゆるイニシアチブに賛成する」と、型通りの解答をした。
5月17日、イタリアのステファノ記者が「彼ら(戦争両当事者)は双方とも勝ちたいと思っていて、それ以上の進展はないと事務総長は言明している。南アフリカ大統領がアントニオ・グテーレスに言ったことについての詳細は何だ?」と聞くと、「ラマポーザ大統領は電話で、彼の計画について総長に説明した」と、報道官は答えた。
ステファノがさらに、「しかし、南アフリカ大統領が事務総長に電話をしたのは大統領の記者会見以前の話で、これは大統領が総長からのアドバイスを期待したからでは? 総長は具体的に何かしたり言ったりしたか…?」と聞くと、報道官は、「いいえ、それ(電話応答)だけだと思う… ラマポーザ大統領が事務総長に電話をかけるのに時間を割いてくださったことを非常に感謝していると思う、、」と、報道官はお愛想を言った。
これまでもステファノ記者は、「ウクライナ戦争の停戦に向け、国連事務総長は何故、自ら動こうとしないのか?」と、うざったがるステファン報道官の顔色を伺いながら、問い質してきた。それに対して報道官は、「事務総長の職域外だ」とか、「それは国連安保理メンバーの仕事だ」とか、「事務総長は安保理の命令の下で動いているだけだ」とか、「事務総長はグッドオフィスの長、全ての勢力に平等に扉を開いている」、、などと、言い訳をしてきた。
国連事務総長殿、一刻も早く、平和の扉を開いてください。
③ロシア人記者への音声ハラスメント:
5月18日、広島G7サミットに向けて国連事務総長がニューヨークを出発する。
「日本のG7サミットは、中国という非常に明白な攻撃目標を持っているようだ。事務総長が日本G7に行くことは、彼が欧米に味方しているように感じさせると感じていないのか?」と、ディジ中国テレビ記者が5月17日の国連定例記者会見で質問した。「味方する、しないの問題ではない。事務総長は、国際金融システムから取り残されていると感じている国々を代表して、具体的なメッセージを持ってG7に行く。彼はG7を支持するか支持しないかのために、行くのではない。G7から外された弱者の声を届けるために行く」と、報道官は答えた。「事務総長は彼特有の経済論を展開するそうだが、皆が総長の話に耳を傾けると思っているのか?」と、ディジ記者が畳み込むと、「:私に聞かないで、(G7サミットの)テーブルの周りにいる人に尋ねてくれ」と、報道官が答えた。
そして、中国人記者ディジの質問が終わった頃から、不審な事が起こった。
会見が始まって22分5秒、指名されたロシア・タス通信のグレゴリー記者がマイクを握ったら、金属音が入り音が途切れた。23分20秒にロシア人記者アランがマイクを握ったが雑音と無音が続き、アランは別のマイクを取った。が、状況は変わらず、ロシア人記者は完全に音声妨害に見舞われた。
33分57秒でこの日の記者会見は終わった。が、報道官は機材の不備を詫びなかった。報道官も計画犯か?記者たちは誰も咎めなかった。
翌5月18日の国連定例記者会見では、アメリカ人女性記者たちからも停戦に向けての質問が相次いだ。エディAP記者は、「G7での事務総長の議題について、ウクライナに関する具体的な協議や、戦争終結に向けた議論の可能性への支援や動きがあるか?」と聞き、「事務総長が出席する会合は、ウクライナに関係する会合ではない」と副報道官が答えた。
「ゼレンスキー大統領とプーチン大統領の両者が同意した南アフリカ和平案について、事務総長からのコメントは?」と、パメラCBS記者が聞き、「事務総長はラマポーザ大統領から連絡を受けて、協議について知らされた。彼はしっかり認識している。しかし、それは、事務総長自身が直接の役割を担うものとはならない」と副報道官が答えた。
「国連事務総長がラマポーザと彼の同僚から連絡を受けていたと述べた。中国の提案もある。疑問なのは、彼がここ数週間、いかなる政治的解決の可能性も非常に低いと思われると述べていることだ?何か、追加情報は?」と、リンダNPR公共ラジオ局記者が聞き、「国連憲章と安全保障理事会および総会の決議に沿った平和が必要だ」と、副報道官は答えた。どれも、痒いところに手が届かない答えだった。
「弱い者の声を届けるためにG7に参加する」と表明した国連事務総長だが、停戦を願う世界庶民の声も、記者たちの声も、南アフリカ大統領の和平提案も、無視して、届けないようだ。
ウクライナ戦争の停戦調停は黄色人種でもなく黒色人種でもなく、白色人種が指導権を握らなければならないと、白人の国連事務総長は信じて疑わないようです。
そして広島では、白人が指導するG7にウクライナ大統領閣下自らお出ましになり、反ロシア、反中国の気勢を上げます。白色人種はウクライナが勝つまで、戦争を続けるつもりだから、停戦はない話のようです、、
戦争に加担する黄色人種の日本政府を、日本の庶民はやるせない思いで注視しています、、
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2023年5月20日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
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