<Democracy Now(今、民主主義)>というアメリカの公共ニュースTVが、<Bipartisan Support of war from Iraq to Ukraine, is helping US Debt Crisis(イラクからウクライナまで超党派の戦争支援が債務危機を助長している)>という論文を紹介し、作者の著名な米国経済学者ジェフリー・サックス博士(68才)のインタヴューを放映しました。 博士は、米政権は戦争の真実を国民に報せていないと非難し、軍需産業のためのウクライナ戦争を即刻停止しろと、訴えました。
イギリスでもイラク戦争独立調査委員会のチルコット氏が、イラク戦争開戦20年目の2023年3月20日に<大義なき戦争>と英政府の嘘を非難する報告書を出しました。
そして策士ウクライナは、アフリカに向かいました。
① 右や左のメデイアもバイデン政権も戦争から逃げ腰で、ウクライナはアフリカへ:
広島G7後のバイデン政権は、<負けられません勝つまでは>と欧州や日本を煽ってきたウクライナ戦争に、水を差すような発言をするようになってきた。
5月22日、ロシア南西部ベルゴロド州の国境地域の一部が攻撃を受けた。ロシアは、米国製ハンビーを含む西側軍用車両が放棄された写真を公開し、襲撃犯70人のウクライナ人が死亡したと発表した。マシュー・ミラー米国務省報道官は火曜日の記者会見で、「SNSなどで広まっている報道は知っているが、米国はロシア国内への攻撃を奨励したり可能にしたりはしていない」と、弁明した。ウクライナは関与を否定しているが、ウクライナ軍諜報機関の支援なしにできる攻撃ではない。プーチン大統領に反対するFRL(ロシア自由軍団)とRDK(ロシア義勇団)と名乗る民兵組織2つが、犯行声明を出した。RDK(ロシア義勇軍)の指導者デニス・ニキチンは、ネオナチグループとの繋がりがあり、ザボリージャ戦場で闘った<アゾフ連隊>の前身であるサッカー・フーリガン・クラブに所属していた。気勢を上げる民兵達は、ウクライナ大統領閣下同様、立派に戦争太りをしていた。
5月24日、米紙ニューヨーク・タイムズは、5月3日未明にモスクワのクレムリン(大統領府)が2度のドローン攻撃を受けたとロシアが報道したことに、ロシアの自作自演だと主張してきた。が、「この攻撃はウクライナ当局によって計画された可能性が高い」と、米政府関係者が真逆の見解を出した。ゼレンスキー・ウクライナ―大統領閣下は犯行を否定しているが、ウクライナ軍特殊部隊か情報機関かによるものと米関係筋は推測している。
キーウ発で複数のメデイアは、クレバ・ウクライナ外相が5月第3週から、アフリカ諸国歴訪を開始したと伝えた。南半球を中心とした新興・途上国「グローバルサウス」でのロシアや中国の影響力を削ぎ、中国などの和平計画を潰し、ゼレンスキー大統領閣下の和平計画を教え込むことが、最優先課題とされている。キーウ駐在のメデイア各社は「クレバ氏はモロッコを訪問。その他の訪問先は明らかにしていない」と、報じた。
アメリカがウクライナ戦線から抜けそうな中、ウクライナはアフリカ外交攻勢を開始した
② アフリカに上陸したウクライナ外相、ポルトガルを公式訪問したアルジェリア大統領:
MAP(モロッコ国営通信)が、「ウクライナは月曜日に、モロッコのサハラ問題の決定的な解決のための<真剣で信頼できる>根拠として、2007年にモロッコによって提示された自治計画への支持を表明した。ラバトで開催されたナセル・ブリタ・モロッコ外務大臣との共同記者会見で、ウクライナのドミトロ・クレーバ外務大臣が、ウクライナとモロッコの双方は主権と領土保全の価値を理解していると語った。ウクライナ外務大臣はさらに、国連安全保障理事会の決議に従って、現実的で永続的で相互に受け入れられる政治的解決策を見つけるためのサハラ国連事務総長の個人特使であるスタファン・デ・ミストラの努力を支持すると表明した。ウクライナ外務大臣は、サハラ問題の解決は地域の平和と安全のために必要であると言った」と、報じた。
モロッコは外交常套手段で、モロッコに招待した国に何らかの便宜を図る代償として、モロッコ領土内での西サハラ地方州案に賛同させるか、ひどい時には、西サハラはモロッコのものだとまで言わせる。モロッコは、アフリカとの繋がりが希薄なウクライナとの交換条件に、AUアフリカ連合本部での<国際アフリカデー・パーテイー>にねじ込むことを提案したようだ? ウクライナ外相は記念パーテイ―で、アフリカ諸国にウクライナ戦争の悲惨さや難民状況を訴え、支援を要請するのだろうか? 国連会議での、支持票をねだるのだろうか?
アフリカ諸国は、ウクライナの数万倍も、戦火に見舞われ、多数の難民に頭を抱え、飢餓と病気に襲われている。どの国も必死なのだ!
「お前たちの不幸は、みんなロシアの所為なのだ!」と、支援太りのウクライナは、貧しいアフリカ諸国を説得するつもりらしい。AUアフリカ連合の中心にいるのは、南アフリカとアルジェリアと西サハラで、3国とも欧州の植民地主義と戦っている。ロシアの友人だ。
同じころ、テブン。アルジェリア大統領はポルトガルの首都リスボンに入っていた
2023年5月23日、マルセロ・レベロ・デ・ソウザ・ポルトガル共和国大統領との共同記者会見で、アブデル・マジド・テブーン・アルジェリア共和国大統領は、「すべての地域的および国際的な問題に関するアルジェリアとポルトガルの間の見解の相違は完全に解決した、、マリ、サヘル、西サハラ、パレスチナ自治区、そして友好的なロシアとウクライナの間で何が起こっているのか、見解の一致を見た」と、語っている。
③ テブン・アルジェリア大統領、初の元欧州植民地宗主国ポルトガルを公式訪問:
テブン・アルジェリア大統領は、「アルジェリアは、ポルトガルと同様に、ロシアとウクライナの間の平和と、国連の規則と安全保障理事会の決議に従って西サハラの問題を解決することを熱望している」と繰り返した。アルジェリア外交団は、「ポルトガルは1975年に、アフリカ大陸に領有していた植民地や東チモールを解放した。しかし、 西サハラは半世紀を経た現在も植民地のままだ」と、暗に、元宗主国スペインへの働きかけを促した。
因みに、1975年6月にモザンビークが、11月にはアンゴラ、サントメ・プリンシペ、カーポベルデがポルトガルから独立。同じ1975年、ポルトガルは東チモールから撤退した。
一方元ポルトガル首相のグテーレス国連事務総長は、このところ窮地に立たされている。
5月22日の国連定例記者会見でステファン国連事務総長報道官が、「西サハラの個人特使である友人のスタファン・デ・ミストラについていくつかの質問を受けており、いくつかの記者会見で見た憶測は、彼が辞任を検討しているというデマだ。個人特使は、地域訪問や二国間会談など、さまざまな形式で、すべての関係者およびより広範な国際支援者との関与を維持および強化することを計画している。デ・ミストラ氏は、安全保障理事会のメンバーと西サハラのための友人グループの支援に感謝している」と、発表した。
「デマの拡散犯人は分かっているけど言わない」と、報道官は明かした。
そんなケチなことを言わないで教えてください、報道官殿、、
1963年5月25日にエチオピアの首都アジスアベバで<国際アフリカデー>の祝賀会がありました。 アフリカ最後の植民地・西サハラも当然、参加しています。 「サハラ問題の解決は地域の平和と安全のために必要である」と、明言したウクライナ外務大臣は、ぜひ、西サハラ難民キャンプを訪問してください、、
そしてこのめでたい日にムーサ―・ファキAU(アフリカ連合)委員長は、「戦闘を続けるウクライナとロシア、そして米国や中国は、アフリカを戦略地政学的な戦場にしようと脅している!」と、厳しく非難しました。
2023年5月25日、アジスアベバのAUアフリカ連合本部で、
アフリカデーを祝うアフリカの国々、本部ビルは中国が全額負担の無償寄贈
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2023年5月27日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
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