2023年10月17日夜、ガザにあるアル・アハリ・アングリカン・エピスコパル・バプテスト病院をイスラエル軍が猛爆しました。 500人以上の死者が出たと、通信社などが発表しましたが、夜が明けて瓦礫の下から続々と重傷者が救出され、さらに死亡者が増え、800人近いとの悲しい報せが入っています。 犠牲者の大部分はイスラエル軍の空爆を恐れて、病院の中庭などに避難していた子供や女性や老人です。
① ユダヤ人選民意識:
イスラエル軍の虐殺は、アル・アハリ病院だけではない。同じ日にガザのアルマガジ難民キャンプにあるUNRWA(アンルワ・国連パレスチナ難民救済事業機関) の学校も爆撃し、少なくとも6人が死亡し多数の負傷者を出した。病院、診療所、学校、および国連施設で避難民を保護するのを、国際法が明確に保障している。全く意に介せず、一挙に大量のパレスチナ人を殺せるからと、毎日、避難所の爆撃を続けるイスラエルは、明らかに戦争大犯罪人だ。イスラエルを支援する英米も同罪だ。国連事務総長や国連中東和平プロセス特別調整官のトール・ウェネスランドや緊急救援コーディネーターのマーティン・グリフィスは、早急に停戦に向け必死の努力をすべきだ。国連事務総長はこれまで一度も、ネタニヤフ首相に電話をしていない。
グリフィス国連コーディネーターは、イスラエル当局の発表として1,300人が殺され、4,200人以上が負傷と、イスラエル側の被害を伝え、ガザに関しては、3,000人以上が殺され、12,500人以上が負傷し、数百人が瓦礫の下で行方不明と推測している。彼は、10月7日以降、ガザで28人の医療従事者が殺害され、23人が負傷したと述べた。10月17日の爆撃で数百人の死者を出したアル・アハリ病院は、すでに10月14日にも攻撃を受けていた。グリフィスは、必要なのはガザ全域での安全な人道的アクセスであると強調した。エジプトからガザへの入国を待っている人道支援物資は推定3,000トンある。食料、水、薬、その他の物資を、一秒も早く、ラファの検問所を通過させ、ガザの人々に届けないと、、人々は2週間に及ぶイスラエルの兵糧攻めで、餓死していく。国内避難民の数は、ガザ中部と南部のUNRWA学校に滞在している約352,000人を含む約100万人と推定されている。
イスラエルは数か所あるイスラエル検問所だけではない、エジプトに抜けるラファ検問所も妨害しているのだ。これも、他国の領土を侵略する戦争犯罪になる。
イスラエルは国際法も国際裁判所も無視して、パレスチナ人大虐殺、パレスチナ人大追放、、パレスチナ人浄化作戦を続けている。
なぜそんな神をも恐れぬ悪行を平気でやってのけるのか?
「神はユダヤ人を選ばれた」という、とんでもない勘違い<ユダヤ人選民思想>に起因するようだ。ユダヤ人でないあなたも私も、選ばれていないのです。
② ネタニヤフを焚きつけるバイデン米大統領:
バイデン米大統領は、10月18日にイスラエルへ、さらに近隣アラブ諸国首脳との会談を予定し、1憶ドルのパレスチナ援助金というニンジンをぶら下げて、イスラエルの空港に降り立った。が、前日17日の夜に勃発したアル・アハリ病院大虐殺で、バイデン旅行日程が変わった。イスラエルのみで、近隣アラブ諸国訪問は止めた。
10月18日、バイデン米大統領はネタニヤフ首相に、イスラエル支持を確約し、アル・アハリ病院大爆破はハマス側の誤爆とするイスラエルの主張を支持した。そして、CIAの情報だと付け加えた。
2023年10月18日、安保理で<ガザ・イスラエル停戦案>がアメリカの拒否権で否決された後、安保理会議場前で、マンスール・パレスチナ国連大使を中心に、アラブ連盟参加国の国連大使22人が緊急記者会見を行った。マンスール・パレスチナ国連大使は、「我々は、1∹即時無条件停戦、2-即時物流解放、3-即時住民追放停止、の3点を強くイスラエルとアメリカに要求する。パレスチナは国連に対して、1967年6月4日に採択された国連安保理決議242の即時施行と、イスラエル占領撤廃を求める」と、アラビア語と英語で声明を発表した。
アラブ連盟事務総長のアフメド・アブウル・ゲイトは、「イスラエル・シオニストからの地獄の指令が、非武装の人々を収容する病院を爆撃させている。西側はこの惨劇を直ちに止めなければならない」と述べた。
1947年、ユダヤ人にパレスチナでのイスラエル建国を承認した主犯のイギリスは、共犯のアメリカに続いてスーナク首相をイスラエルに送った。インド系英国人のスーナク首相はネタニヤフ・イスラエル首相に支援を表明し、サウジアラビアへ飛んでムハンマド皇太子と会談した。第二次世界大戦直後の中東へ引きずり戻された感がする。あの頃からまるで変っていない中東勢力地図を目の当たりにして、今こそ国連の主導兼が切望されるのだが??、
10月19日、バイデン米大統領は米国民に向けてテレビ演説をした。バイデンは演説の中で、「1イスラエルとウクライナのために数十億ドルの資金提供を米国議会に求める、2イスラエルの指導者たちに、9/11攻撃後の米国の過ちから学び、<怒りに目がくらむ>ことを避けるよう忠告し、3-<ほんの僅かな援助がガザに入ることを許可する>というエジプトとの合意を実施」と、3点を強調した。
バイデンの真意は、「ハマスとロシアには絶対に勝たせない」にあった。ハマスが勝てば、バイデンがイスラエル全面支持の大見えを切って米国ユダヤ人協会から取り付けた大統領選挙資金がパーになり、ロシアが勝てば副大統領時代のウクライナ汚職嫌疑が再燃し、大統領選挙に負けるからだ。パレスチナとウクライナという両戦線は、バイデン戦争の最前線なのだ。
③ ガザの少女ハヤの遺書:
2022年11月初めに、パレスチナの全組織を一つにまとめ<アルジェ宣言>でパレスチナ国家を全面支持したアルジェリアは、スポーツや音楽や祭りごとの一切を中止した。
アルジェリアに居候する西サハラ難民政府は、「シオニスト占領軍によるガザ地区の病院への意図的な攻撃を最も強い言葉で非難する」と、声明を発表した。さらに、「サハラ共和国政府とポリサリオ戦線は、兄弟のパレスチナ人がさらされている恐ろしい事実を看過するわけにはいかない。子供を含む1000人以上の殉教者と負傷者を数えたアル・アハリ病院大虐殺は、西サハラ史のみならず世界史の中に、刻印しなければならない。世界中の、開放と自由を求める人々に訴える。パレスチナの人々との連帯し、占領下のパレスチナにおける恐ろしい人権侵害に終止符を打つよう、国際社会と世界の良心に、呼びかけよう!砂漠の奥から、、SADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)
2023年10月18日、西サハラ難民キャンプのMAP通信が流した少女の遺書と写真を紹介する。少女が今、どこに逃げているのか分からないそうだ。。
「こんにちは、私はハヤです。私は今、私の遺言を書いています。
私が持っている45シェケルのうち、5シェケルをママに、5シェケルをゼイナに、5シェケルをハシェムに、5シェケルをティタに、5シェケルをヘバおばさんに、5シェケルをマリアムおばさんに、5シェケルをアバウドおじさんに、5シェケルをサラおばさんに、分けてください。私のおもちゃやと私の宝物全部を友達のゼイナとモナとディマとアマルにあげてください。いとこには私の服をあげます。まだ何か残っているなら、寄付してください。そうだ、私のはいている靴は、きれいに洗って貧しい人に寄付してください、、」
(1イスラエルシェケル=約37円)
イスラエル軍は地上戦突入を脅し文句に、ガザの子供や老人や病人を逃げ惑わせています。
「我々は動物と戦っているのだ」と、10月9日に叫んだ、ガラント・イスラエル国防大臣は地上戦突入部隊を前に、「容赦せず、殲滅しろ!」と、10月19日、訓示しました。
檻の中に入れた動物に例えて撃ちまくるイスラエルこそ、、畜生です。
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2023年10月21日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
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