11月29日は、<パレスチナ人民連帯国際デー>です。 1947年のこの日11月29日に国連総会で、<パレスチナ分割決議181が採決されました。 この決議は、「パレスチナを分割して、ユダヤ人とパレスチナ人の二つの国家を建設し、聖地エルサレムは国際管理下におく」、というものでした。アラブ諸国は反対、ユダヤ人側とアメリカ・旧ソ連は賛成して、可決されました。
国連が主張する、「二か国共存」の礎になっています。
① テロリストはどっちだ?:
2023年11月27日まで、日本の公安調査庁は公式サイト内の「世界のテロ・武装組織等」欄に、231の組織を記載していた。だが、29日には54組織が掲載されているのみで。パレスチナのハマスは削除されていた。
2014年、モロッコは公安調査庁の名をかたって<西サハラ・テロリスト>のレッテル貼りを企んだが、失敗している。
2023年11月27日、英国系パレスチナ人の外科医で、パレスチナ自治区ガザで患者の治療に携わったガッサン・アブシッタ医師は、ロンドンで行われた記者会見で、「麻酔薬や基本的な医薬品もない状態で、子どもたちの手術を行った、、私の推計では、四肢を切断された子どもは、700人から900人いる。」と、語った。
ガザ休戦が始まった11月24日から12月1日まで、解放された人質は105人、パレスチナ人収監者は240人になった。11月24日、人質24人と交換に開放されたパレスチナ人39人の中に、17才のモハンマド・ダルウィッシュ君がいた。彼は、火炎瓶を投げた疑いで4月からイスラエル刑務所に収監されていた。彼はBBC・TVで、「僕はやってないと言ったが7人部屋に放り込まれ、拷問攻めだ。10月7日にガザ戦争が始まると、僕たちは外部から完全に隔離され、一日に一食分だけが7人に与えられる毎日が続いた。10月30日には毛布も取り上げられた。拷問で歯を折られたり、血だらけになった仲間もいた、、」と、イスラエル刑務所の酷さを話した。BBCが、「ハマスの人質へメッセージは?」と聞くと、「人質はハマスの客人で彼らは天国、僕らは地獄だ」と、苦笑いした。解放された収監者は、女性と子供たちだった。ダルウィッシュが帰郷したヨルダン川西岸のラマッラは、11月29日もイスラエル軍の襲撃を受け、若者一人が殺された。ヨルダン川西岸北部のジェニンでもイスラエル軍は、襲撃と不法逮捕を続けている。
占領軍による収監者への残酷さは、イスラエルに指導されるモロッコ占領地・西サハラも同じだ。アスリート・サラーも同様の拷問を受けた
ガザ戦争は、両戦争当事者のどっちがテロリストか、明確に教えてくれた。交戦相手にテロリストのレッテルを貼って皆殺しをやるネタニヤフ戦時内閣は、まごうことなきテロリストだ。
② 戦争犯罪を告発する組織や国々:
10月7日から11月30日まで、イスラエル軍はパレスチナ住民をガザという檻に閉じ込め、空爆と地上攻撃で18,000人以上を殺した。ネタニヤフ・イスラエル首相は,、[ガザの情報は信じない」とし、バイデン米大統領は、「ガザの統計は信用してない」と、ネタニヤフのオウム返し。WHOは信じるとし、多数が瓦礫の下で、死者の実数は膨大だと報じた。ガザ保健省は、遺体で発見された人を病院に運び身元を確かめ記録し、白い袋に入れ名前や年齢や住所を書き記し、埋葬する。仏様(殉教者)を決して粗末にしない。
11月10日にロイターが、「パレスチナ人権団体のアルハックとアルメザンとパレスチナ人権キャンペーンの3グループは、イスラエルがパレスチナ自治区ガザで大量虐殺を含む戦争犯罪を犯していると、ICC(国際刑事裁判所)に調査を要請した」と、報じた。さらにロイターは、「イスラエル外務省報道官はパレスチナ人権団体のICCへの要請を受け、10月7日に起きたハマスのイスラエル攻撃とその後の行動について、イスラエル側も<戦争犯罪の証拠を収集している>と応じている」と、言及した。しかし、その後、11月19日にイスラエル紙ハーレツが、「10月7日のノヴァ音楽祭攻撃はイスラエル軍アパッチヘリによるもの」と、スクープした。イスラエル軍が、自国民を大量虐殺した<10月7日のノヴァ音楽祭攻撃>の証拠も、忘れないで収集して欲しい。
11月22日に AFPが、「南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領は21日、パレスチナ自治区ガザでのイスラエルによる戦争犯罪とジェノサイド(集団殺害)を非難した。ラマポーザ大統領は議長を務めたBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アで構成する経済共同体)のオンライン臨時首脳会議で、<イスラエルの違法な武力行使によるパレスチナの民間人に対する集団的懲罰は、戦争犯罪だ。ガザ住民への医薬品や燃料、食料や水の意図的な供給停止はジェノサイド(集団殺害)も同然だ>と述べた。また<即時かつ完全な停戦>、および<戦闘休止の監視と民間人保護>のため国連軍の派遣を呼び掛けた」と、報道した。
11月28日 にロイターが、「-トルコのエルドアン大統領は28日、国連のグテレス事務総長と電話会談し、イスラエルはパレスチナ自治区ガザで犯した戦争犯罪について国際法廷で責任を問われなければならないと伝えた。さらにエルドアン大統領は、<イスラエルは国際社会の目を欺き、国際法、戦争法、国際人道法を踏みにじり続けている>と,批難した」と、報じた。
③ みんなが認める国連決議の<二か国共存>:
2023年11月27日、ポリサリオ西サハラ難民政府は、「モロッコ王政とイスラエルのシオニスト政権は、地政学的損得で結びついている。自国領の拡大を目指す両支配国は、パレスチナや西サハラの占領地で、先住民を奴隷や動物のように扱い強制排除しようとしている。そこでは、人権など存在せず、西サハラとパレスチナの人々の民族自決権や独立国家の樹立の権利などは否定されている。国連をはじめとする国際機関の決議を踏みにじっている」と、激文をパレスチナに送った。そして、「共に独立まで闘おう」と、メッセージを結んだ。
2019年12月10日ドナルド・トランプ米大統領(当時)が、第4番目のアラブの国としてモロッコとイスラエルの国交を正常化させ、その代償としてモロッコの西サハラ領有権を認めた。仲介したのはトランプの娘婿でユダヤ人のホワイトハウス特別補佐官ジャレッド・クシュナーだった。以来、モロッコ王国はイスラエルの言うがままだ。
2019年、ラバトで、モロッコ・イスラエル国交と西サハラ領有権承認の交換契約、
左からイスラエル代表、クシュナー米代表、モロッコ代表
11月29日<パレスチナ人民国際連帯デー>に、国連事務総長がメッセージを発信した。
「国連決議と国際法に基づいて、二国家解決を目指したものの、あまりにも長い年月が経ってしまった。いまこそパレスチナの人々と連帯して実現させるべきだ、、」と、パレスチナとイスラエルの<二か国共存>を強調した。イスラエル支持のバイデン米大統領ですら、「イスラエルとパレスチナ問題を解決するには、<二か国共存>が一番だと思う」と、漏らしている。
<二か国共存>は、モロッコと西サハラにも当てはまる。モロッコは国連と国際社会が引いた国境線を尊重し、西サハラ人民の権利を国際法と国連憲章に基づき認めるべきだ。
「何よりもまず、パレスチナ国家の承認だ!」と、EU議長国を務めるスペインのサンチェス首相はラファ検問所前で、イスラエルのガザ爆撃と兵糧攻めを非難した。西サハラの領有権をモロッコ国王に密約したサンチェス首相は、不法な密約を撤回し西サハラ国家も承認してください!
11月29日、アブデルマジド・テブン・アルジェリア大統領が西サハラ難民キャンプがあるアルジェリア最西端のチンドゥーフ空港に降り立ちました。 この日、大統領はガラジェビレの鉄鉱石処理プラントプロジェクト創設式典に出席しました。 この推定約3億トンの鉄埋蔵量を持つガラ・ジェビレ鉄鉱石処理プラントプロジェクトは、約3,000人の雇用とセクターに関連する新しい貿易を創出するそうです。 ベシャ―ル・チンドウーフ間ガラ・ジェビレ鉄道プロジェクトも並行して立ち上がりました。
西サハラ難民にも恩恵がありそうです。
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2023年12月02日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
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