2024年1月15日の米大統領共和党指名争いアイオワ州初戦で、トランプ前大統領が圧勝しました。 <もしトラ>が<ほんトラ>になりそうです、、
<もしトラ>とは「もしトランプが米大統領に返り咲いたら、、」の略で、<ほんトラ>とは「本当にトランプが返り咲くぞ!」の略です。
一番ヤキモキしているのは、国連事務総長のようです。 トランプ氏には、UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)などの国連人権団体への支援金をカットした前科があるからです。 「虐げられた人々の側に就く」というのが現事務総長の口癖です。が、、
その後、国連事務総長はウガンダの首都カンパラで19日から23日まで開催される<NAM>に参加した。NAM(非同盟運動 Non-Aligned Movementの頭文字)は、第二次世界大戦後の東西の冷戦期以降に、東西のいずれの陣営にも公式には加盟していない諸国による国際組織である。1961年に設立され、2016年の時点で参加国は120、オブザーバー参加国は17、オブザーバー参加組織は10ある。
アフリカ中部ウガンダの首都カンパラで1月19日から23日まで
開催されたNUM(非同盟諸国会議)
② ジェノサイド条約はイスラエル御用達ではない:
イスラエルが24,700人以上の住民を爆殺したガザ攻撃を、第2次世界大戦中のナチス・ドイツによるホロコーストを受けて1948年に採択された<集団殺害罪の防止および処罰に関する条約(ジェノサイド条約)>に違反していると南アフリカが提訴し、審理中の停戦命令をIJC(国際司法裁判所)に求めている。
イスラエル側のタル・ベッカー弁護団長は、1月12日にIJCで、「イスラエルが行っているのは防衛戦争で、相手はパレスチナ人ではなく、ハマスだ」と、南アに反論した。
同日、同盟国の米国も、南アの主張は事実無根だとし、裁判での徹底抗戦を表明した。
同日、ドイツ政府のシュテッフェン・ヘベシュトライト報道官は声明で、イスラエルは昨年10月7日にイスラム組織ハマスによる<非人道的な>攻撃を受け、自衛しているだけと主張し、「ジェノサイド条約の政治利用(?)に反対」と意味不明な反論をした。
だが、ドイツの植民地支配下で7万人以上の先住民を虐殺された歴史を持つナミビアは、ドイツの姿勢に「強い懸念」を表明し、「ドイツは恐ろしい歴史から教訓を引き出せていない」と、相変わらず欧州白人に巣食う<植民地ファースト主義>を糾弾した。
1月17日、ステファン・セジュルネ仏外相は仏議会で、「ユダヤ人国家をジェノサイドで告発することは倫理を逸脱する(?)。ジェノサイドという概念が政治目的のために利用されることがあってはならない」と、ドイツの植民地主義見解を追従した。
エルドアン・トルコ大統領は首都アンカラで開催された式典で、「ネタニヤフとヒトラーの行動に差はない」「その上、彼(ネタニヤフ)は欧米諸国からあらゆる支援を受けている。ヒトラーよりも幸せだ」と、ネタニヤフ・ジェノサイドを糾弾した。
一方、ヒトラーよりも恵まれているネタニヤフは、「国際法も何者も、我々の戦争を止めることはできない」と豪語し、1月18日の記者会見で、バイデン米政権などが求めるパレスチナとの「2国家共存」解決案も、ハッキリ拒絶した。
③ モロッコ・イスラエル外交低調 VS 国際法が助っ人の西サハラ外交活発:
2024年を迎えて、ガザ戦争勃発までイスラエル指導の外交活動を謳歌してきたモロッコが、静か、、MAPモロッコ国営通信の紙面に翻っていたイスラエル国旗は畳まれ、イスラエルの回し者でユダヤ・モロッコ人・国王特別顧問アンドレ・アズレイは姿を隠し、賑わせていたユダヤ料理やユダヤ衣装など、ユダヤ万歳が消え去った。。
一方、2024年を迎えて、西サハラ難民政府は軍事闘争より外交闘争に重点を置くようになった。もっとも軍事闘争といっても、パレスチナのように派手にドローンを飛ばす金など全くなく、一日に2,3発、旧式の大砲から在庫の弾を、イスラエル軍高官の指揮で作った<砂の壁・地雷防御壁>に撃ち込むだけなのだが、、パレスチナ・ガザ市民の戦いをわがことのように熱烈に支援する西サハラ難民は、「イスラエル軍(=モロッコ軍)の塹壕を破壊!」と、軍事コミュニケを発表して、逸る戦闘意欲を抑えている。
「友好国や友人の連帯に感謝しつつ、より前進!」の外交方針が1月6日~10日の西サハラ難民外交委員会で決議された。東日本大震災被災者を見舞ったベイサット駐南アフリカ大使と、西サハラ難民政府首相は、南アフリカのムボンベラに飛んだ。ベイサット大使は、南アフリカ主催の「60年続くキューバ制裁反対の連帯集会」で連帯の声を上げ、バシュラヤ・ハムーディ首相はANC(アフリカ民族会議)112大会で西サハラ独立闘争への変わらぬ支持を訴えた。1月15日、16日,17日と、 南アフリカは<虐げられた人々>で賑わった。アフリカ大陸の北端にあるアルジェリアと、南端の南アフリカは、西サハラを支援し続けている。
その後、<虐げられた人々>はアフリカ中部のウガンダ首都カンパラに移動し、1月19日から23日まで続くNUM大会に参加する。大会では、ガザ戦争の即時停戦や西サハラの脱植民地化が議題になる。
西サハラ難民政府もNUM(非同盟諸国会議)に代表団を送った。代表団はNUMの大会で、西サハラ人民の民族自決権を改めて主張し、国連が西サハラに約束した国連西サハラ人民投票の早期施行を訴える。
<虐げられた人々>は諦めない!!
<ほんトラ>になったら、ユダヤ系アメリカ人の娘婿もくっついてきて、<西サハラのモロッコ領有権を承認>した2019年のトランプ文書を再公開します。 外交切り札を失ったモロッコは、チャンスとばかりモロッコ占領地・西サハラから西サハラ占領民をジェノサイドします。
他国の大統領選挙ですが、西サハラの難民も占領民も固唾をのんで見守っています。
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2024年1月20日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
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