SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】565 ユダヤ人みんなが悪いわけじゃないが

 イスラエル紙ハーレツが、2024年1月22日付けで、「さらなる調査班が、10月7日の音楽祭で360人の観客を銃殺した犯人はスラエル空軍だと、明らかにした。犯人だとされているハマスが、音楽祭があることを知らなかったことも、明白にした」と、報じました。
 イスラエル首相ネタニヤフが主張する、「10月7日のハマスのテロに対する報復戦争」というガザ・ジェノサイドの根拠は、まったく彼のでっち上げということになります。 そもそも、音楽祭銃撃直後に事件の説明を求められたこのユダヤ人首相は、「戦争に勝利した後、事件の詳細を明かす」などと、いい加減な返事でごまかしています。 このユダヤ人のおかげで、ユダヤ人みんなが悪者にされています、、

① OHCHEA(国連人権高等弁務官事務所)1月19日の報告:
 「ガザの男性数千人がイスラエル軍に拘束され、拷問に等しい状況に置かれている可能性がある」と、被占領地パレスチナOHCHR代表アジス・ソンガイが、1月19日、ガザ南部ラファからビデオで、スイス・ジュネーブの記者会見に参加した。「拘束者たちは殴られ、辱められ、拷問に等しい扱いや虐待を受け、長時間目隠しされた。中には数日間ずっと目隠しされていたという人もいた」と、ソンガイ代表は、イスラエルの治安部隊に30~55日拘束されていた複数人との面会も報告した。
 既に1月8日、米国CNNなどは、イスラエル兵がパンツひとつで目隠しをし後ろ手錠をした数十人の男性を拘禁している写真を、拡散していた。CNNは、写真に写っている男性の家族または同僚に照合し、男性たちの殆どが民間人でハマスではないと確認している。イスラエル軍が拘禁し撮影した場所は、ガザの数カ所で。UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)が運営する学校も含まれている。ある目撃者は、服を脱げとのイスラエル軍の屈辱的な命令に従うことを拒否した人たちのうち、少なくとも7人が銃で撃たれ死亡するのを見たと証言した。
 イスラエル日刊紙<タイムズ・オブ・イスラエル>は、拘束者はイスラエル軍に投降したパレスチナ人男性で、ハマス隊員である可能性があると報じた。同紙は「ガザ地区の数多くのテロ容疑者がイスラエル軍に投降したとみられる映像も公開された」と報じた。
 1月23日の国連定例記者会見で、「10月7日から今まで、6,000人以上が不法逮捕された。うち、340人は幼い子供たちで、80人は女性だ。総長の見解は?」とのハミド・パレスチナ人記者の質問に、「総長から何らかの言及があると思う」と、報道官が答えた。

② クネセト(イスラエル国会)襲撃の人質家族、戦争内閣では閣僚が造反:
 1月19日、イスラエル国防軍の参謀長でイスラエル戦時内閣の主要閣僚ガディ・エイゼンコット退役将軍は、イスラム組織ハマスの「完全な打破」を主張する人々は、「真実を語っていない」と発言。また、ネタニヤフ首相には10月7日のハマスによる襲撃からイスラエルを守れなかったことについて「明確な責任」があり、現行政権は「全く信頼できない」と批判し、解散総選挙を求めた。将軍の息子は、今回の地上作戦で戦死している。
 1月22日、ハマスに拘束されているイスラエル人人質の親族約20人が、エルサレムにあるクネセト(議会)に突入。人質の解放に向け、さらなる努力をするよう議員らに迫った。250人以上のイスラエル人が拘束され、11月の戦闘一時休止で半数が釈放された後も、130人以上が拘束されたままだ。イスラエルは、ガザ空爆で27人が死亡したと発表している。 家族は、戦争が長引けば人質も殺されるのではと心配している。週末には、数千人が主要都市のテルアビブに集まり、人質解放のため、政府に圧力をかけた。ネタニヤフ首相の自宅前でも、人質の親族や支援者らが座り込みを行った。
 「完全な勝利だけが、人質全員の帰還を確実にする」とネタニヤフ首相は21日にも、自説を強調した。首相は、ハマスから提示された戦争終結と人質解放の条件であるイスラエルの完全撤退と、ハマスによるガザ支配の継続を拒否した。
 イスラエル国内では、首相への支持は下がり続けており、ネタニヤフ首相は政権を支える極右勢力とトランプ復権に賭けている。最近の世論調査では、紛争後もネタニヤフ氏に首相を任せたいと思っているイスラエル人は、15%にも満たない。

③ IDF(イスラエル国防軍) に反発する18才:。
 イスラエルの兵役は18歳からで、男性は2年8か月、女性は2年が義務付けられている。かつて女性は衛生兵や通信兵などに限られていたが、今では戦闘部隊も含め、ほぼすべての部隊に配属される。今回のガザ戦争にも、戦闘員として女性兵士が参加している。イスラエル国家安全保障研究所(INSS)は、22年の時点で戦闘部隊の兵士の17%を女性が占めていたと報告し「18歳になったら戦闘に参加したいと思う女性はさらに増えると思う」と、AFPのインタビューで語っている。
 元イスラエル女性兵士メイタル・ヤニフはテルアビブからビデオで、ユダヤ人カリフォルニア組織の集会に参加した。集会は即時停戦と、$600,000,000(88,578,000,000円)に及ぶカリフォルニア州のイスラエル軍事援助に反対の声を上げた。ヤニフは「今イスラエルがやっていることは、ジェノサイドだ。過去75年間イスラエルがやってきたことは、アパルトヘイト、占領だ。我々誰も、IDF(イスラエル国防軍)の兵役に就く必要はない。IDF(イスラエル国防軍)は存在すべきではない。イスラエル国家は存在すべきではない」と、表明した。
 兵役を拒否して収監されていたタル・ミトニックは、1月19日の朝に釈放された。まだあどけなさが残る18才は、一途なキャラクターで、たちまち人気者になった。<デモクラシー・ナオ>のインタビューを参照しつつ、ミトニックを紹介する。
 「僕が兵役を拒否したのは、この報復戦争に参加したくなかったからだ。いま、僕たちの住んでいる所は、復讐と暴力が渦巻いている。この戦争は、パレスチナと平和に安全に共存していく未来も潰そうとしている」と、ミトニックは兵役拒否の理由を語った。彼が収監されていたイスラエル軍刑務所で配信される新聞は、<イスラエル・アル・ヤウム>のみで、ガザの被害などは一切触れず、もっぱらイスラエル兵士の戦死を伝えていた。「軍刑務所は楽しい所ではなかったが、パレスチナの収監者たちが拷問攻めの毎日を強いられていることを想像すると、胸が痛んだ」と、獄中体験を明かす。
 30日の刑期を努めたミトニックは、IDF(イスラエル国防軍)から自由になったわけではない。既に、一週間後の召喚状がIDF(イスラエル国防軍)から届いている。「彼らが諦めて僕を<免除>してくれるまで、僕は何度でも召喚に応じ兵役拒否を貫く」と、ミトニックはおだたない。「世界の仲間が、即時停戦の声をあげている。僕と同じ世代の仲間にも、僕たちには声があると伝えたい」と、ミトニックは語った。
 ミトニックの声が、常軌を逸したネタニヤフIDF(イスラエル国防軍)親分に届きますように、、

タル・ミトニック(18才)、両親がアメリカからイスラエルに移住してきたので、
アメリカ・ユダヤと自称している

 筆者も、イスラエルからヨルダンに抜けるイスラエル検問所で裸にされた経験があります。 担当は、チューインガムをクチャクチャ噛む女兵士でしたが、取調室の隅に監視カメラが設置されていました。 屈辱的な取り調べが終わると別室に連れていかれ、「私はIDF(イスラエル国防軍)の親切な持ち物監査に感謝します」と書かれたヘブライ語の書類に、署名をさせられました。 
 やっぱり、イスラエル兵は嫌いです!

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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、

発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861

同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。

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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU

Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa]  英語版URL:   https://youtu.be/au5p6mxvheo

WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十  2024年1月27日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
〔eye5190:240127〕