あのグアポ、ペドロ・サンチェス・スペイン首相(52)が、ガザ戦争停戦を巡って大活躍しています。 グアポ(Guapo)はスペイン語で美男子の意味、サンチェス首相の仇名です。 本当に惚れ惚れするイイ男です。お父さんに似た、長身の娘さんが2人います。
一方、ガザではIJC国際司法裁判所と国連安保理が即時停戦を命じたにもかかわらず、イスラエルが空爆を続けています。 ガザを実効支配するハマスの最高指導者イスマイル・ハニヤの息子3人と孫4人が、イスラエル軍の空爆で吹き飛ばされ殉教しました。
①アルジャジーラのインタビューに応じたサンチェス:
2024年4月4日にグアポ・サンチェスは、ネタニヤフからイスラエルでの報道活動や放映を禁止されたアルジャジーラ衛星テレビ局のインタビューを受けた。場所はカタールのアルジャジーラ本社、インタビュアーは国連担当記者のジェームス・ベイス、番組は<ガザ戦争・インサイド・ストーリー>、所要時間約30分。淡いブルーのスーツに緑のネクタイで決めた長身のサンチェスは、流暢な英語でガザ戦争の即時停戦とパレスチナ国家承認を訴えた。彼はヨルダンとサウジアラビアを含む中東歴訪を、このカタール・インタビューで締めくくった。
「国際社会が停戦に向けて動いていることは明らかだ。しかし、EU’(欧州連合)の動きはまだ十分ではない、、スペインは歴史的にこの地域の架け橋と見なされてきたが、ガザ住民のいかなる避難の要請も拒否する、、スペインはイスラエルへの武器販売を停止した、、ネタニヤフ首相に、安保理決議は拘束力があることを思い出させ、IJC国際司法裁判所の命令に従って、民間人を標的にし命を奪うことをやめるよう求める、、スペインはパレスチナの国連正式加盟を支持し、6月末までにパレスチナ国家を承認する、、国際社会は国際法に則って行動すべきだ」と、国連が保障するパレスチナ人の民族自決権を強く支持した。
2023年11月23日、EU欧州連合現議長国(当時)のスペイン・サンチェス首相は、EU次期議長国(当時)ベルギーのデクロー首相を誘って、ラファのエジプト側検問所を訪れ、戦争被災者ガザ市民への支援物資をイスラエルが止めているのを目の当たりにした。エルサレムではネタニヤフ首相に、即時停戦と援助物資流通への協力を進言した。が、軽くいなされた。
サンチェスは中東に飛ぶ3日前、やっと、第3次サンチェス内閣を発足させたばかりだった。
因みに、第3次サンチェス内閣は、中道左派・社会労働党(PSOE)と急進左派スマール(SUMAR)党による連立政権で、首相を含めた閣僚22人のうち女性は12人と、女性過半数の内閣だ。4人の副首相は全て女性で、スマール党党首ヨランダも副首相を務める。
②スペインは今も公式文書で西サハラの植民地支配者:
スペインは1884年に西サハラを植民地支配すると宣言した。当時のアフリカ大陸は欧州列強の植民地主義に蝕まれ、フランス、スペイン、ドイツ、ポルトガル、オランダ、ベルギー、イタリアなどの支配下に置かれていた。
第二次大戦後、多数のアフリカ諸国が熾烈な反植民地戦争を戦って独立を勝ち取った。1973年、スペイン植民地下にあった西サハラでも、ポリサリオ戦線が独立闘争を始めた。当時のスペインでは長期独裁政権を率いてきたフランコ将軍の後継者カルロス皇太子が後を継いだが、1975年、将軍が危篤になり内戦の危機に陥った。カルロス皇太子(後の前国王)は、西サハラ植民地を北はモロッコに南はモーリタニアに分譲し、スペインはリン鉱石と漁業権の一部を貰って、国連にも西サハラ住民にも報せず勝手にスペイン植民地軍を西サハラから撤退させた。従って公式文書上、西サハラはスペイン植民地ということになっている。このスペイン、モロッコ、モーリタニアの秘密取引を<マドリード協定>と称している。繰り返すと、国際法上、いまも西サハラはスペインの植民地ということだ。
その後、クーデターが続いたモーリタニアは、1979年、西サハラから撤退した。
当時、スペイン植民地西サハラには石油・天然ガスが確認されてなかった。<もし石油?>と、スペイン植民地国家が関知していたら?西サハラ植民地を手放さなかったかも??。
スペインから西サハラを受け継いだモロッコは、人工衛星のおかげで西サハラの石油・天然ガス埋蔵の可能性を知った。モロッコは21世紀に入って、未開の西サハラ石油天然ガスの探索ライセンスを、多数の外国企業に売却してきた。が、未だに商売に見合う石油・天然ガスは見つかっていない。2014年3月、モロッコは石油大手のアメリカ企業コスモス・エナジーを招聘し、ブジュドゥール(モロッコ占領地・西サハラの漁村)の海岸で石油・天然ガスを探査したが、1年かけても結果が得られず、2015年3月に撤退した。現在、モロッコはイスラエルの石油会社ネオメッドに、ブジュドゥール海岸での石油・天然ガス探査を依頼している。
2024年4月8日にアルジャジーラが、「イスラエルはガザ海底ガス探索ライセンスを12社に新規許可した。パレスチナが探索海域はパレスチナ領海だと反発」と、報じた。抜け目ないイスラエルは、イスラエル占領地ガザとモロッコ占領地・西サハラの両占領地から石油・天然ガスを奪おうとしている。
③4月16日に国連安保理が西サハラ協議:
2024年4月16日に国連安保理で、西サハラ問題が協議される予定だ。2021年10月に国連西サハラ事務総長個人特使に任命されたステファン・デ・ミストラとMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)団長アレキサンダ―・イバンコの両氏が、半年毎の定例報告を安保理で行う。二人の任期は1年で、着任来2年半も経っているのに、モロッコと西サハラの両当事者交渉は一度も行われていない。
報告書の空白を埋めるため、ステファン・デ・ミストラ西サハラ国連事務総長個人特使は4月2日にモーリタニアを訪問し、帰路、モロッコに寄った。4月4日、ブリタ・モロッコ外務大臣はモロッコ首都ラバトで、「モロッコ領土内での地方自治案以外にモロッコサハラ(モロッコ式西サハラの呼称)の解決策はない」と、従来の国王声明を繰り返した。
その時、デ・ミストラ国連特使はブリタ・モロッコ外務大臣から、サンチェス・スペイン首相がムハンマド・モロッコ国王に送った2022年3月14日付け書簡の写しを渡された。写しには、「スペインはモロッコの西サハラ自治州案を現実的解決策だと考えている」と、書かれていたそうだ。そして、サンチェス・スペイン首相は、2022年4月7日、モロッコ国王の謁見を許されラマダンの饗宴にあずかっている。
しかし、サンチェス内閣のヨランダ副首相は、「首相が国王に送った書簡の内容は、私たちに知らされていない」と、異議を申し立てている。ヨランダ・ディアス副首相は 西サハラの民族自決権を支持し、国連西サハラ人民投票の早期実施を強く促している。
2018年9月27日、国連総会一般討論でペドロ・サンチェス・スペイン首相は「かって西サハラはスペインの植民地だった。スペインは国際社会に、西サハラの恒久的な平和解決を期待している。スペインは西サハラ人の民族自決権実現を目指す国連事務総長と国連事務総長個人特使の努力に敬意を払う」と、語った。そして、スペイン内戦(1936年7月17日~-1939年4月1日)を戦い、メキシコシテイ―で客死した詩人レオン・フェリペの一節「一人で抱え込むな、一緒にやっていこう」を謳い、演説を締めくくった。
「ネタニヤフ首相は国連安保理決議を思い出せ」と言うサンチェス首相、ご自身の国連総会発言を、ぜひぜひ、思い出してください!
4月10日はラマダン(断食月)明けの祭日で、親戚縁者を訪ね一緒にお祝いをします。 ガザ北部に住むハマス政治指導者イスマイル・ハニヤの3人の息子、ハゼム、アミール、ムハンマドと4人の孫、モナ、アマル、ハレド、ラザンも、一台の車に乗って親類の家に向かっていました。 モサドの情報でイスラエル軍は一家の車を狙い撃ちしました。
2024年3月10日、ラマダン明けの祝日にイスラエル軍の空爆で暗殺された
イスマイル・ハニヤ・ハマス最高指導者の息子3人。
殉教者たちの子供たち4人も爆殺された!合掌
「私の子供たちの血は、パレスチナの人々の子供たちの血よりも価値がない。パレスチナの殉教者たちはみな、私の子だ」と、イスマイル・ハニヤは語り、「今回の事件は、停戦合意に向けた交渉におけるハマスの要求を変えるものではない」と強調しました。
パレスチナに新しいレジェンド(伝説的英雄)誕生!
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2024年4月13日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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