<アンティセミティズム・反ユダヤ主義>とは、ユダヤ人およびユダヤ教に対する敵意、憎悪、迫害、偏見のこと。また、宗教的・経済的・人種的理由からユダヤ人を差別・排斥しようとする思想のことを言うそうです。 元来、イスラエルの政策に対する批判は該当しません。 ところがトランプ政権では、盟友ネタニヤフ・イスラエル首相の戦争を批判したりパレスチナを支持したりすると、<反ユダヤ主義>のバッジを貼ります。
ドイツ・ナチがユダヤ人に貼り付けた、忌まわしいJudenstern(ドイツ語で<ユダヤの星>)のイエローハッジと同じです。
① ジャーナリストを狙え:
2025年3月24日、3月3日に米アカデミー賞を取った<ノーアザーランド>共同監督ハムダン・バラ―ルは、イスラエル占領地ヘブロンにある自宅を武装したイスラエル入植者に襲撃され、大怪我を負い周囲の人が救急車を呼んだ。が、入植者の襲撃を見物していたイスラエル兵は救急車に乱入し、イスラエル占領軍基地にハムダンを強制輸送した。ハムダンは翌日の3月25日に釈放されたが、収容先のヘブロン病院で、「救急車中、収監中、冷房の効いた部屋での尋問中、、ずっと拷問が続いた」と、語った。イスラエルによると、ジャーナリストは反ユダヤ主義になる。パレスチナ人も反ユダヤ主義になる。
3月24日、さらに二人のパレスチナ人ジャーナリストが、暗殺された。朝日新聞の通信員も務めるモハメド・マンスールはハーンユニスの自宅で、イスラエルのミサイルに狙い撃ちされ、アルジャジーラTV のホッサム・シャバットは車で移動中にイスラエルのミサイル攻撃を受け、殺害された。ガザ戦争でイスラエルに殺されたジャーナリストは、200人を超えた。戦争開始以来2025年3月27日までで、殺されたガザの人々は50,208人を数え、そのうち子供の死者は15,613人にのぼった。
イスラエルは停戦合意など全く無視し、ガザ・ジェノサイドを益々残酷に続けている。
一方、ウクライナとロシアは、エネルギーとインフラへの攻撃停止を、3月25日にサウジアラビアのリヤドで別々にサインしたにもかかわらず、双方は攻撃を続行している。
3月24日、ロシアの「イズベスチヤ」紙は、ハリコフ州クピャンスク方面でウクライナ戦争を取材中のアレクサンドル・フョドルチャク記者の死亡を発表した。同紙は、前日に記者が送った最後の写真を掲載した。

自撮りの写真を本社に送った翌日、戦死したアレクサンドル露従軍記者
3月26日の国連定例記者会見でデニス・ロシア記者が、「今日もロシア人ジャーナリストでファースト・チャンネルの特派員が、ウクライナの攻撃で亡くなった。つまり、今週、5人のロシア人ジャーナリストが殺害された。事務総長の見解は?国連調査は?」と聞いた。
「ジャーナリストのご家族と同僚の皆様にお悔やみを申し上げる、、他の紛争と同様に、ジャーナリストが標的にされたり嫌がらせを受けたりせず取材ができるように補助することが不可欠である、ただ、我々には調査権限がない」と、国連事務総長報道官は答えた。
② アンティセミティズム反ユダヤ主義を犯罪とするトランプ政権:
3月23日、トランプ米政権批判を理由に国外退去させられた南アフリカのエブラヒム・ラスール駐米大使が23日に帰国し、ケープタウン空港で熱烈な歓迎を受けた。ドナルド・トランプ米大統領は南アフリカ出身のイーロン・マスクに入れ知恵され、南アフリカの新土地収用法を<反白人的>だと批判し、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区で「ジェノサイド(集団殺害)」を行っているとして南アフリカが国際司法裁判所(ICJ)に提訴したことを糾弾し、2月には対南アフリカ支援を停止している。 ラスール大使は、「トランプ米大統領を嫌う人種差別的な政治家だ」と、密告され、米国を追放された。
イーロン・マスクは1971年6月28日、アパルトヘイト(人種隔離政策)を主導する南アフリカ白人政府の、ネオナチ系金持ち白人家庭に生まれた。両親が離婚し父のもとで高校時代を過ごし、カナダを経てアメリカへ移民し大成功する。一時期、反アパルトヘイト運動に同調した父親は、「黒人を毛嫌いするという<トラウマ>がマスクにすりまれている」と。述懐している。トランプのマスコット・マスクは、白人至上主義だ。
<アンティセミティズム>は<バッド・グループ>や<バッドマン>と共に、今や、トランプ差別用語になり、この単語一つでトランプ政権は、トランプに批判的な外国人、教授、学生、政治家、報道陣、そして移民を国外追放にしている。が、ルビオ国務長官(キューバ出身)もメラニア・ファーストレデイ(スロベニア出身)もトランプ大統領(ドイツ系移民)もみんな立派な移民で、厳密に言えば、移民でないのは先住民のインデイアンだけだ。
アメリカのニューヨークにある国連ビルには、国連事務総長を始め、外国人がひしめいている。3月25日の国連定例記者会見では、「当局は関係者に、ID、国連バッジ、ビザを必ず携帯するようにと警告を流したが、外国人が拘留されたり国外に強制送還された事件があったからなのか?」という外国記者陣の質問に、報道官は「ノー」と答えた。「国連職員の中で、拘留されたの者は?」との質問にも「ノー」。「加盟国のスタッフの中では?」に「ノー」。「ICE(Immigration and Customs Enforcement米国移民関税執行局)の連中がたむろして潜んでいたことは?」「ノー」。
それから国連担当記者陣の質問は、反ユダヤ主義に集中した。「最近、コロンビア大学の学生や教員が、私たち(国連関係者)は反ユダヤ主義者ではないと言っているのを映像で見た。彼らはイスラエル政府についての私たちの明確な見解を求めているのでは?」と、国連事務総長の反ユダヤ主義定義を質した。フランス出身の国連報道官は、「私たちは反ユダヤ主義、人種差別、イスラム嫌悪、性差別に反対している。私たちは言論の自由に賛成だ。」と、返した。
後で国連報道官が、「国連事務局は反ユダヤ主義に関して。特定の定義を支持していない。事務総長は、あらゆる形態の反ユダヤ主義に、明確かつ繰り返し反対を表明してきた」と発表した。国連は定義なしで反ユダヤ主義に反対するのかな?まるでトランプのようだ、、
③ ラマダン明け国連安保理・西サハラ協議の前哨戦:
3月19日、ムハンマド6世国王陛下(王に神のご慈悲を)の命により、ナセル・ブリタ外務大臣が、AU閣僚会議後の記者会見で、停戦違反とガザの民間人に対するイスラエル侵略の再開を強く明確に非難した。「合意の第2段階と第3段階が実施されず、飢餓政策と人道援助の混乱のせいで、-ガザは悲惨な状況となった。ガザは、人間の良心と国際法が問われているテストケースだ。主権者が二国家解決を通じて地域の平和への永続的な道を確立することが必須だ」と主張し、1967年6月の国境沿いに東エルサレムを首都とするパレスチナ国家の創設も強調した。王令のご慈悲をぜひ、西サハラにもお願いします。。
王令は、アラブ人による立派な反ユダヤ主義だ、が、まだトランプの鞭は飛んでこない。
一方、ラマダン明けの4月国連安保理に向け、アマル・ベンジャマ・アルジェリア国連大使が3月24日の安保理で西サハラ紛争に言及した。提唱者の国連自体が放置しているREFERENDUM(レファレンダム国連西サハラ人民投票)の早期実現を促す一方で、アルジェリア国連大使は、「アフリカに展開されている全ての国連平和活動の中で例外的にMINURSO(ミヌルソ国連西サハラ人民投票監視団)だけが、人権侵害を扱っていない。すべての国連平和活動に例外なく強固な人権要素を装備することは、現地での国連ミッションの活動を改善するために不可欠だ。」と、人権侵害を監視し報告することの重要性や、国際人道法も含む国際法を尊重する必要性を強調し、MINURSOに人権監視保護の導入を強く訴えた。
アルジェリア国連大使の訴えに反発したマジダ・ムッチョウ・モロッコ国連代理大使は、「アルジェリアの国連大使がMINURSOのマンデートを拡大して人権の要素を含める要請は。既に、2024年の安保理で否決されている。MINURSOの任務は非常に明確であり、停戦を監視するためのみに安全保障理事会によって確立された」と、語った。モロッコ外交官は、アフリカ最後の植民地・西サハラ紛争解決を目指し、REFERENDUM レファレンダム(国連西サハラ人民投票)のために、国連安保理がMINURSOを創設したことを、知らない?忘れた振りをしている?それとも、無視している?
さらにモロッコ外交官は、「サハラ砂漠は常にモロッコの不可欠な部分だった。それはモロッコ人であり、永遠にモロッコ人のままです。」と、西サハラのモロッコ植民地支配を擁護した。パレスチナのイスラエル植民地支配を糾弾したモロッコは、西サハラに対してもその高邁な国王陛下のご判断を適応してください。
スペイン、ポルトガルと共に、2030年サッカー・ワールドカップ(W杯)開催国のモロッコは、W杯に向けて、野良犬300万匹を一掃するために大量虐殺を進めています。 IAWPC(国際動物福祉保護連合)は、モロッコで行われている残酷な虐待の動画を公開しました。
とても、、見ていられません! 国王陛下のご慈悲はどこに? 合掌!!
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。 著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、 定価:本体1,800円+税、 発行人:松田健二、 発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。 「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。 「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2025年3月29日 SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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