SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】653 儲かりまっか?

 2025年10月13日、大阪阪神万博が終わります。 儲かったようですね、、 

 一方、お金の亡者・トランプ・ゴッドファーザー殿、、ガザ戦後商売やら、世界を相手取った関税やら、外国人移のビザ料金やら、米国内の取引やら、、儲け話が山済みです。が、

「儲かりまっか?」

① あんさん、儲かってまっか?:

 トランプの次女テイファニーの婿のファーザー、つまり、トランプの義理の弟になったマサド・ブーロスは、2024年の米大統領選挙でアラブ系アメリカ人の票を集め、その功績でアメリカ大統領アラブ・中東問題顧問に指名され、2025年4月にはアフリカ担当上級顧問に任命され、日本の中東アフリカ局長に匹敵する要職に就いている。トランプは義理の弟マサドを「億万長者の国際弁護士」と、売り込んだ。が、弁護士の実績はなく、億万の方も眉唾らしいとアメリカのマスコミが噂している。本人の申告はない。

 マサド・ブーロスは1971年頃レバノンで生まれ、レバノン、ナイジェリア、フランス、アメリカの市民権を持つ、キリスト教徒だ。マサドはアメリカで高等教育を受けたあと、移住先のナイジェリアでは、トラック輸送および重機ディーラー会社である<SCOAナイジェリア>で働いていた。その後帰米し、長男マイケルをトランプの次女テイファニーと2018年に結婚させ、トランプ・ファミリーに加わった。

 アナリストのミッチェル・プリトニックは、マサド・ブーロスを「商売人で、政治的日和見主義者」と称し、米国国益よりトランプ・ファミリーの儲けを優先するトランプ中東政策に似つかわしいと評している。トランプの期待に応えマサド・トランプ特使は、レバノンのヒズボラ指導者暗殺事件で暗躍し、パレスチナ自治政府やアッバス指導者とのパイプ役も務めている。

 トランプ・アフリカ中東特使・マサドは、第80回国連総会一般討論演説大会に出かけ、9月26日にブリタ。モロッコ外務大臣と会談した。MAP(モロッコ国営通信)の発表によると、「マサド・トランプ特使が、「米国企業としてはサハラ砂漠(西サハラ)を含むモロッコ全土の開発を目指し、モロッコとの経済活動を活発化させる」と強調したそうだ。

 そのブーロス・トランプ特使は、9月26日にアタフ・アルジェリア外務大臣とも会談し、アルジェリアとアメリカの経済開発をより一層活発化させと行くことを確約した。APS(アルジェリア・プレス・サービス)によると、クリストファー・ランダウ米国務副長官も同席したそうだ。

 あんさん方、儲かりまっか?

② ガザ戦後商売を、イラク戦中戦後商売共同経営者に託す:

 アメリカのドナルド・トランプ大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は9月29日、米ホワイトハウスで会談し、パレスチナ・ガザ地区をめぐる新たな和平計画を発表した。両者はこの和平計画を受け入れるよう、敵対するハマスに迫った。

 しかし、和平計画を発表した直後に公開したビデオでネタニヤフは、パレスチナ国家を認めないとする以前からの立場を強調した。「パレスチナ国家は合意に書かれていない。我々はパレスチナ国家に強く反対する」とし、「今回の和平案はIDF(イスラエル国防軍)のガザ駐留を認めるものだ」とも述べた。BBC・英国TVもネタニヤフ二枚舌を報じた。

 何よりも、聞き捨てならないのは、アメリカが提案した将来的なガザ儲け話だ。それによると、「<専門的かつ政治と無関係なパレスチナ委員会>が暫定的にガザ統治を担い、トランプが率いる新たな国際移行機関<平和評議会>が監督する」としている。イギリスのトニー・ブレア元労働党党首で元英国首相や、<後日発表予定>のほかの指導者たちも、この統治機関(儲け話)に加わる見込みだ。しかし、計画には、ハマスがガザ統治に<直接的にも間接的にも、いかなる形でも>関与してはならないと記されている。計画の大部分は、アメリカが「経済開発計画」と呼ぶガザ再建に焦点を当てている。<ガザをリビエラのようなリゾート地に開発>という欲長けた夢を、トランプ・ゴッドファーザーは捨てていない。

 ジェレミー・コービン前英国労働党党首は、「トニー・ブレア―の参戦宣言で、何千万と言う死者を出したイラク戦争大惨事が起きた。彼は中東のいかなる地にも足を踏み入れるべきではない。ガザはガザに任せる、、ガザの未来はブレヤーやトランプやネタニヤフが決めるべきではない。それは、パレスチナの人々がきめるものだ」と、批難した。

 アメリカ・コロンビア大学のジェフリー・サックス教授も、「トランプとネタニヤフは共謀して世界を騙そうとしている。悪いのは、和平計画を口にしながら、その瞬間も、ガザ・ジェノサイドを続けている両独裁者だ」と、アメリカ・イスラエル連合軍を糾弾した。

2025年9月29日にトランプ・ネタニヤフ・ガザ終戦計画が出されてから今日まで連日、ガザはイスラエル軍の空爆とジェノサイドに晒されている。

③ 第80回国連一般討論会の総括、そして、学ぶ西サハラ:

 「一般討論会参加189か国の内訳は、83人の国家元首。7人の副大統領または皇太子。41人の政首脳。副首相4名。45人の閣僚。1 副大臣。 そして代表団議長8名。3人のオブザーバー」と、国連が発表した。西サハラは?見当たらない。

 それでもニューヨークの西サハラ国連代表部は、各国代表の演説を分析し、10月半ばの国連脱植民地化委員会と国連西サハラ事務総長個人特使報告への対応を準備した。その傍ら、ベイサット西サハラ外務大臣、オマル西サハラ・ミヌルソ調整官兼国連代表、マライニン西サハラ国連顧問は、西サハラと国交のある国々との会談を重ねた。

 9月30日、国連一般討論の閉会を告げる定例記者会見で、ハミド・パレスチナ人記者が

 「モロッコでは過去3日間暴動があり、多くの人が逮捕された。モロッコでは、医療や教育や言論、その他の国内問題に抗議する若者たちが嫌がらせを受け、逮捕されている。なぜ、エクアドルで起こったことと同様の声明を出さないのか?」と、質問した。国連副報道官は、「:モロッコについても、表現の自由と平和的な抗議活動に対するすべての人の権利が完全に尊重されるようにしたいという思いは変わらない」と、答えた。

 国連報道を受け10月1日、西サハラ難民キャンプ通信は、「モロッコ王立憲兵隊の車両が、汚職と貧困を糾弾し言論の自由を訴える若者たちのデモ隊に突撃し、死傷者を出した。モロッコ王立治安部隊がウジダ市とアイト・アミラ市でデモ参加者に体当たりした様子を記録したビデオがソーシャルメディア上で広まった。若者運動の呼びかけに応えてデモは4日連続で続行され、アイト・アミラ、ケニフラ、アガディール、アル・ホセイマ、ウジダ、マラケシュなどを含むモロッコの多数の都市に広がっていった。」と、伝えた。

 続いて、MAP(モロッコ国営通信)も10月1日、「検察庁長官職内の抑圧措置と司法決定の執行監視部門の責任者であるザカリア・ラルーシ判事が、王国全土のいくつかの都市で最近発生した暴力、破壊、扇動行為に関連して、約193人の容疑者を起訴したと、発表した。加えて19人の容疑者も起訴し、そのうちの何人かは事件当時薬物の影響下にあったと指摘した。さらにラルーシは、これらの無許可の抗議活動は、平和的なデモとは無関係だと、強調した。」と、報告した。

 10月2日の国連定例記者会見で、新人の記者が、「6夜目に入ったモロッコのデモで王立憲兵隊が発砲し、リクリアアと言う町では3人の市民が殺された。なぜ、批難声明を出さないのか?」と、聞いた。副報道官は、「平和デモと言論の自由を支持する」と答えた。

 続いて、再びハミド・パレスチナ人記者が、「なぜ、デモ隊を銃撃するモロッコ王立憲兵隊の蛮行に、国連事務総長は反応しないのか?」と質すと、副報道官は、「あんたは幸運だ!私は声明をちょうど今、手に入れた。」と前置きして、事務総長声明を読み上げた。

 「モロッコでの最近のデモでの暴力を遺憾に思う。3人が死亡し、数百人が負傷したと伝えられている。抗議活動は生命、財産、法の支配を尊重し、平和的な方法で行われなければならないと強調したい。説明責任を確保するために迅速かつ公平な調査を求める。対話に入り、モロッコの若者の声に耳を傾けるというモロッコ政府の意向を表明したことを尊重する」と、国連事務総長は正式に、しかし、モロッコ国王に忖度した批難声明を出した。

 10月2日、「民主党の機関の削減作業にとりかかるぞ」と、トランプ・ゴッドファーザー殿は、アメリカ国内政界でも政府機関閉鎖を巡って、民主党を恐喝しました。 国際関税取引でも、自分のいう事を聞かない国には<恐喝>で屈服させようとします。 「恐喝で、儲かってまっか?」と、トランプ・ゴッドファーザーに聞いてみたいです。

 「あきまへんわ」という答えを期待しながら、

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 「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。                                著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、                    定価:本体1,800円+税、                                             発行人:松田健二、                                                  発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861

同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。

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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。                      「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc                        「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU

Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。                「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo                     「Last Colony in Africa]  英語版URL:   https://youtu.be/au5p6mxvheo

WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十  2025年10月4日SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座  https://chikyuza.net/                            〔eye6029 : 251005〕