2016年6月23日の英国EU離脱には、西サハラ難民もがっかりしました。 これで、移民難民をウザったく思っているヨーロッパ人たちが、移民難民の保護を謳うEUからの脱退を目指し、EUが崩壊するのでは?UNも影響を受けるのでは?と、心配しています。 西サハラ難民も世界の難民移民も、人のお情けにすがって生きています。 人が薄情になってしまったら、、、
砂漠で渇死するしかないのでしょうか???
(1)2016年の国連特別脱植民地化24委員会:
2016年6月15日、ニューヨーク本部で開かれた国連特別脱植民地化24委員会は、西サハラ人の人権と民族自決権の行使を、改めて容認した。アフリカ最後の植民地・西サハラの脱植民地化は、国連が責任をもって平和的に解決すべき懸案事項であることを、再確認した。アルジェリア国連代表サブリ・ブカドムは、「西サハラ紛争は、西サハラ人の<民族自決権行使の脱植民地化>によってのみ、解決される」と、<民族自決権の西サハラ住民投票>の早期実現を促した。ベネズエラ国連代表は、「<民族自決権の西サハラ住民投票>が、25年間も据え置きになっている。西サハラはモロッコに占領されたままで、MINURSOミヌルソ(国連西サハラ住民投票監視団)はモロッコの妨害で正常な活動ができない」と、国連に非協力的なモロッコを非難した。
(2)どうなった?モロッコの国連民間要員追放:
2016年6月15日、アハメド・ブハリ西サハラ難民政府国連代表が、「モロッコによるミヌルソMINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)の民間要員追放に関して、ベネズエラの提唱で国連安保理が緊急会議を開いた。が、非公開なので、詳細は不明だ」と、ニカラグアが主催した国連特別脱植民地化24委員会で公表した。
(3)2016年国際難民デー:
2016年6月20日は、国連が決めた<国際難民デー>だ。パン国連事務総長は17日から19日にかけてギリシャ地方を訪問し、ギリシャの移民難民強制収容所を慰問した。
ハムディ・ブハリUNHCRアルジェリア支部代表は、「UNHCR(国連難民高等弁務官)は、西サハラ難民の財政支援者に対してさらなる貢献を促す会議を、2016年7月12日にジュネーブで開催する」と、発表した。この会議はパン国連事務総長が3月初旬に西サハラ地域を訪問した時に、約束していた。
(4)西サハラ難民食糧援助の削減を企むモロッコ:
2016年6月22日、モロッコ国連ジュネーブ代表モハメド・アウジャルはジュネーブのUNHCR(国連難民高等弁務官)に、モロッコの意見書を提出した。意見書は、「UNHCR(国連難民高等弁務官)は、早急にアルジェリアにある西サハラ難民キャンプの住民調査を行うように。難民の員数を膨大に偽って、関係者が援助物資を横流ししている」と、
オラフOLAF(ヨーロッパ・反賄賂事務所)に作らせた報告書も添付した。
(5)国連本部、西サハラセミナー:
2016年6月22日、国連特別脱植民地化24委員会の一環として、アメリカの教授ステファアン・ズネスの<西サハラ講演>が、国連本部で行われた。24委員会の議長でベネズエラ国連大使ラファエル・ラミレズが進行係を務め、NGOや南アフリカ、ナイジェリア、ウガンダ、タンザニアなど、諸国の国連大使が参加した。この週は、西サハラをはじめとする17の非確定地域に関する表明が、24委員会から出される。
6月25日、辛いラマダン断食月も後10日ほどで終わります。 しかし、モロッコが国連要員を追放したまま2か月も経ってしまいました。 相変わらずモロッコは国連要員の任務復帰を認めず、国連の平和活動を妨害し続けています。 ハトリ・アドウ西サハラ難民政府暫定大統領は、パン国連事務総長に宛てて「2か月前に国連安保理が採択した2285西サハラ決議は、何ら進展していない」と催促の書簡を送りました。
EUの大地震が、国連まで揺さぶりませんように、、、
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2016年6月26日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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