SJJA&WSJPO【西サハラ最新情報】191 早稲田大学の萬歳ゼミで西サハラ問題報告

 2016年12月10日、早稲田大学法学学術院国際機構法の萬歳寛之教授が主催する<万歳ゼミ>が早稲田大学8号館B-107教室で開催されました。 7つの課題の一つが、<西サハラ>でした。 当方が提案したわけではありません。 10月の半ば、突然、日刊べリタ編集長大野さんから、「西サハラの話を聞きたいと早稲田の学生から連絡があった」というメールが入り、「こりゃ凄い万歳!」とばかり、早速<萬歳ゼミ>の学生に連絡を入れました。 そして10月20日、初めて4人の西サハラ班に会ったら、想定外の事ばかり、、みんな西サハラの事をよく研究していました。 そして、<萬歳ゼミ>とは<ゼミ・バンザーイ!>というエールではなく、ゼミを主催する萬歳教授のことでした。 失礼しました、、
  
(1) 早稲田大学・萬歳ゼミの最終報告会:
 2016年12月10日に開催された<萬歳ゼミ最終報告会>のプログラムを紹介する。
  13:10~「低炭素社会実現に向けた日本のエネルギー政策」
  14:00~「新たな難民保護制度の実現に向けて」
  14:45~「西サハラ問題から見る現代の自決権」
  15:35~ 休憩
  15:45~「東シナ海における日中の友好的関係」
  16:35~「日露平和条約締結に向けた北方領土問題の解決」
  17:20~「<保護する責任>に基づくISIL対策」
  18:10~「武力紛争下における文化財保護」
 七つの課題は、どれも興味深い。それぞれ、報告に25分、質疑応答に15分、締めくくりのコメントに10分と、配分されていた。そのうちの西サハラ問題をピックアップする。
    
(2) 西サハラ問題から見る現代の自決権:
 西サハラ問題担当の報告者5人は、2か月以上をかけ西サハラ問題を国際法などに基づいて研究した。5人は、第一章西サハラの歴史と現状、第二章西サハラの法的問題、第三章国際社会が取り組む法的根拠、第四章西サハラの分離独立、と四項目に分けて報告した。
 そして、「西サハラはモロッコにより違法に実効支配され、現在まで自決権侵害及び人権侵害を受け続けている。この問題は国際性を有し、また各国はモロッコによる西サハラ人民の自決権尊重の義務の履行を確保する共通利益を有している。したがって、国際社会はモロッコによる西サハラ人民の自決権侵害の一連の違法行為を中止させるべきであるとともに、救済的分離を用いて西サハラをモロッコから分離独立させるべきである」と、結んだ。

(3) 西サハラ難民の欧州ゼミ活動:
 2016年の師走に入って、西サハラ難民は欧州で本年最後の「国連西サハラ住民投票の実現に向けたゼミ活動」を活発化させている。但し難民のことゆえ、活動資金に乏しいので、友好国や友好団体のイベントに招待してもらうことで賄っている。
 12月2日から4日にかけて開催された<第20回ポルトガル共産党大会>に参加し、70の参加国を前にモロッコ占領地・西サハラでの人権侵害や国連西サハラ住民投票に向けての国連最新情報を報告した。元ポルトガル首相で元UNHCR国連難民高等弁務官のアントニオ・グテーレスが次期国連事務総長になることも重なり、西サハラ難民代表は首都リスボンで熱い歓迎を受けた。
 12月8日、西サハラ難民青年同盟はスウェーデン・スポーツ健康大臣ガブリエル・ウィキストロムの招きで、ノーベル賞授賞式で湧くスウェーデンに出かけた。西サハラ難民一向はスウェーデン社会民主党本部で、8月11日から続いているモロッコ軍の停戦違反行為や、モロッコ占領警察の西サハラ住民にたいする虐待行為を訴えた。スウェーデンのスポーツ健康大臣は、民族自決権の国連西サハラ住民投票の行使とRASD西サハラアラブ民主共和国の承認を、スウェーデン政府に要請すると約束した。

 早稲田大学法学学術院国際機構法・萬歳ゼミの皆さん、最終報告お疲れ様でした。 2か月以上にわたった研究成果は、これから見えてくるのでしょうね?
とにかく目まぐるしく醜く面白い世の中です。 目の前に展開するワールド・ビッグ・ドラマを楽しみながら学んでいきませんか? 

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早稲田大学法学部国際機構法・萬歳ゼミに参加の方々

WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2016年12月12日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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