SJJA&WSJPO【西サハラ最新情報】240 パレスチナとカタルーニャにメリークリスマス

 2017年の暴言大賞は、なんたって、アメリカ大統領トランプの、「知るケ~!」でしょう、、
 暮れも押し迫った12月20日の大統領執務室でトランプ大統領は、エルサレムをイスラエル首都とした米政府宣言の撤回を求める決議案が国連総会で採決されるのを前に「何億、何十億ドルと受け取っている国が我々の立場に反する投票をする、、」と、資金援助の打ち切りや削減をチラつかせ、決議案反対投票を強要しました。 そしてこの言葉、「We don’t care,知るケ~!」と捨て台詞を吐いたのです。 意訳すると、「我々アメリカは、お前ら弱小国なんか、どうなろうと知った事か!」と、なります。大金持ちアメリカ・マフィアの傲慢な本音です。
 
(1)「知るケ~」トランプ捨て台詞:
 2017年12月21日、アメリカ大統領トランプの脅しにも拘わらず、国連緊急特別総会で、<エルサレムをイスラエル首都としたアメリカ政府の宣言の撤回を求める決議案>が、賛成128か国、反対9か国、棄権35か国、総会欠席21か国で、可決された。反対9か国は、アメリカ、イスラエル、パラオ、マーシャル諸島、ミクロネシア3国、ホンジュラス、グアテマラ、トーゴ。棄権35か国にはカナダ、メキシコ、オーストラリア、アルゼンチン、チェコ、ポーランド、アフリカ8か国など。ミヤンマ、ウクライナ、オセアニア諸国などの21か国は総会欠席。グアテマラは12月24日に大使館をエルサレムに移転することを表明した。ワシントン・ポストによると、アメリカ資金援助トップ10は、アフガニスタン$4.7B,イスラエル$3.1B、エジプト$1.46B、イラク$1.14B、ヨルダン$1B、パキスタン$742.2M、ケニヤ$626.4M、ナイジェリア$606.1M、タンザニア$575.3M、エチオピア$513.7Mと続く。Mはミリオン、Bはビリオン。「マフィアの恫喝」と、トルコを始めイスラム諸国は大反発した。
さあ~、どの国にトランプは援助金打ち切りや削減の復讐をするつもりなのかな? 
 トランプ親分~~、本当に強いアメリカを目指すのなら、弱い者虐めは止めようよ!その弱い者に復讐されることになるよ!!
「トランプの指揮下で、平和な世界を構築せよ」と、トランプの外交指南役であるヘンリー・キッシンジャー博士が世界を細切れにし続けるトランプに、2017年10月10日、大統領執務室でわざわざプレスを前にして釘をさしてみせた。ニクソンとフォード両大統領に仕えた元国務長官で大統領補佐官は、ドイツ生まれのユダヤ系ドイツ人で、1938年、アメリカに脱走した。1973年にはベトナム戦争の和平交渉でノーベル平和賞を獲得している。ドイツ生まれでアメリカに脱走した父親を持つトランプは、キッシンジャー博士を敬愛し政治の節目節目で直接、指南を仰いでいる。もしかして、、<イスラエル首都エルサレム>の宣言も博士の指南だったのだろうか?

(2)カタルーニャ独立派が選挙に勝利:
 2017年12月21日、スペイン中央政府ラホイ首相の命令で行われたカタルーニャ州議会選挙で、ベルギーに脱走したカタルーニャ州知事プチデモンが率いるカタルーニャ独立派が勝利した。「選挙に勝利したら帰国を無条件で認めよ」と、選挙前にプチデモンはスペイン中央政府に申し入れていた。「早く帰りたい!選挙後初の州議会前には帰りたい」と、選挙後にプチデモンはラホイを問い質した。が、狡猾なスペイン中央政府ラホイ首相は、「州議会で選ばれた代表と交渉する」と即答を避けた。選挙後の州議会は1月23日に開催され、ラホイは新たな州知事を任命する積りだ。新知事誕生前にプチデモンの帰国を許すことは、プチデモン知事復帰を許し、カタルーニャ独立に繋がってしまう。ラホイ首相はスペイン国王フェリペⅥ世のクリスマス演説を利用して、カタルーニャ独立派を諫めさせた。
プチデモンはEUヨーロッパ連合に助けを求めた。この際、国連にも支援をお願いすればいい。国連事務総長は年頭に「弱い者のために働く」と、言明した。何も悪いことはしていない。地方住民投票と地方議会選挙に勝ったんだから、堂々と国際社会にアピールすればいい。元植民地の奴隷たちが造り上げたAUアフリカ連合にも、植民地支配の詫びを入れて支援をお願いすればいい。スペイン植民地だった西サハラ難民政府に、スペインと国際社会への働きかけを助けてもらえばいい。難民となったプチデモンに心から共感し連帯してくれるのは、西サハラ難民に他ならない。
 スペイン中央政府ラホイ首相、弱いもの虐めは止めようよ!

(3)カタルーニャ州議会議員に選ばれたモロッコ移民女性:
 「おめでとう!ナジャ!!12月21日のカタルーニャ州議会選挙でナジャ・ドリウシュ(36)が、カタルーニャ州都バルセロナ左派共和党の代議員に選ばれたのだ。何がめでたいって、最初の女性イスラム教徒議員の誕生であるだけではなく、9才の時にモロッコを両親と共に脱走した移民だからだ。移民として差別と迫害の半生を送ったナジャは地元公民館の社会保障相談員として働き、イスラム教徒移民の問題と真正面から取り組んできた。ヒジャーブ(ほっかむり)をしてBBC英国TVのインタヴューを受けるあどけないナジャは、二人の子持ちとはとても見えない。勿論、彼女はカタルーニャ独立支持派だ。
 カタルーニャには現在、約515,000人のイスラム教徒が在住していて、全カタルーニャ人口の6.8%を占めている。ヨーロッパに住むモロッコ人は、300万人を越えている。全世界では560万人のモロッコ人がモロッコを脱走している。ちなみにモロッコの推定人口は3365万人だそうだ。
 モロッコを脱走したモロッコ人は移民という二級市民の迫害に耐えながら、必死に生きている。<アラブの春>に便乗して、モロッコ2012年<2月20日運動>を立ち上げたモロッコ国王陛下の従兄弟に当たるムライ・ヒシャム王子(53)は、アメリカのニュージャージーに脱走して、復帰のチャンスを狙っている。リベラルな思想を持ち<赤い王子>の異名を取っている。
一方、国民が貧しくても兵器を買い漁るモロッコ国王陛下<アフリカの金さん>は、フランスだけでなくアメリカからも兵器を買い漁っている。12月20日のMWN(モロッコ・ワールド・ニュース)が、「2016年、モロッコによるアメリカからの兵器購入額は244,000,000$まで上った」と、公表している。

アメリカ大統領トランプがイスラエル首都エルサレムを宣言した日から、当方に<White House 1600 days>のお報せが復活するようになりました。 お蔭様で、大好きな移民ファーストレデイーに、毎日お目もじしております。 クリスマス前には、キラキラ白く光る氷の御殿と化したホワイトハウスの中で、雪の女王様になったメラニアの映像が送られてきました、、が、綺麗をとおり越して、なぜか、背筋が寒くなりました。 
アメリカのヘイリー国連大使は、「アメリカを支援してくれた国々をパーテイーに招待したい」と表明しましたが、パーテイー会場とは、この氷の城のことでしょうか? 

WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2017年12月25日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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