3月19日に始まった一週間は、西サハラに関して、重大な動きがありました。 ⒛日の火曜日、モロッコ支援者サルコジ元仏大統領が、カダフィ元リビア指導者から現金を収賄したことで、身柄を拘束されました。
21日の水曜日、ホルスト・ケーラー国連事務総長西サハラ個人特使が、国連安保理で初報告をしました。 22日の木曜日、トランプ米大統領がジョン・ボルトン元国連大使を4月9日付けで国家安全保障大統領補佐官にすると、ツイッター声明をしました。
そして23日の金曜日、南仏で、モロッコ北部生まれのモロッコ人が、「アッラーフ アクバル(神は偉大なり)」と叫び銃をぶっ放し、4人を殺し16人に重傷を負わせました。
エッ! プチデモンが逮捕?! それは次の週にしましょう、、
① サルコジ元大統領、収賄と隠匿で逮捕:
3月16日から20日にかけてモロッコ占領地・西サハラで開催されたクラン・モンタナ・フォーラムの主賓はサルコジ元仏大統領だった。これが最後の晴れ舞台で、フランスに帰ったサルコジを待っていたのは、留置所だった。3月⒛日、フランス捜査当局は元大統領の身柄を拘束し、2007年の大統領選挙の時、リビアの指導者カダフィ大佐(当時)から違法な選挙資金6億5千万円を受け取った収賄と、リビアの公金を隠匿したことなどで、本格的な捜査に乗り出した。
2011年の<アラブの春>は、欧米が仕掛けた<アラブ潰し>だったことは、今や明白になってきた。<アラブの春>を己の犯罪証拠隠滅のため利用したのが、サルコジ仏大統領(当時)だった。カメロン英首相(当時)、クリントン米国務長官(当時)との共謀で、口封じの為、カダフィを殺した。
➁ホルスト・ケーラー国連事務総長西サハラ個人特使、国連安保理に初報告:
3月21日午後、国連事務総長西サハラ個人特使で元ドイツ大統領ホルスト・ケーラーが、国連安保理に初報告をした。これまでの活躍ぶりを13項目にわたって文書化し、しかも、非公開の報告会だった。会の後、安保理会場入口で行われた短い記者発表で、3月安保理議長のオランダ国連大使が、「有意義で建設的だった。国連安保理は全面的にホルスト・ケーラー国連事務総長の対話路線を支持する」と語り、フランス国連大使も、同様の支持表明をした。ホルスト・ケーラー個人特使は、「暖かい国連安保理の対応に感謝する」と述べた。が、手ぐすね引いて待っていた記者団の質問を受け付けなかった。3月22日、ホルスト・ケーラー国連事務総長西サハラ個人特使はアメリカ国務省の中東担当局を表敬訪問した。
3月23日の国連ヌーン・デイリー・プレス・ブリーフィング(恒例記者会見)の焦点は、国家安全保障大統領補佐官に指名されたジョン・ボルトン元国連大使だった。国連大使だった時、ボルトンは国連西サハラ住民投票の実現を目指したが、当時の国家安全保障大統領次席補佐官だったエリオット・エイブラムスに拒否され諦めた、という経緯がある。その次席補佐官を越えることになったボルトン、国連不用論者ボルトンの評判は最悪だが、西サハラにとっては、救い主になるかも?
③ モロッコ北部生まれのISイスラム過激派組員が南仏でテロ襲撃:
3月23日の朝、南仏のカルカソンヌの貧しい地区の貧しいアパートから、黒い髭をたくわえたルドワンは小さい妹の手を引いて出てきた。いつもの様に妹を学校に送り届けた。
それから、ルドワンは通りがかった白いオペル・コルサに発砲し、一人を射殺、もう一人に重傷を負わせ車を奪いCRS(フランス国家警察)に向かった。しかし、警察本部は襲撃せず、ジョギング中の警官4人に発砲した。そしてトレべスのスーパーマーケットに乱入したルドワンは、「アッラーアクバル、シリアのために殉教するぞ!」と叫んだ。そして、サラー・アブデルサレムを始めとするモロッコ・テロリストたちの釈放を求めた。ルドワンは16人の客や従業員たちに銃を乱射し、客一人と肉屋一人を殺した。人質の身代わりを求めた警官にも発砲した。翌日、警官は死亡し英雄になった。犯人は突入隊に射殺された。(フランソワ・モラン検察官の事件報告参照)
ベルギー首都ブルュッセルに拠点を置くモロッコ・ISテロリストたちは、2015年11月13日のパリ・テロで130人を殺し300人以上を傷つけ、2016年3月22日のブリュッセル・テロで35人を殺し198人を傷つけた。彼らの資金源はリーフ地方産の麻薬ハシッシだ。ルドワンも麻薬蜜売を生業とし、パリ警察当局の逮捕歴がある。
ルドワン・ラクディムは1992年4月11日、北モロッコのタザで生まれた。タザはタザ=アル・ホセイマ=タウナート地域と呼ばれるリーフ地方にあり、州都はアル・ホセイマで人口は1,830,000人。1923年から25年にかけてモロッコ王権に逆らって、このアル・ホセイマを中心にリーフ共和国が建国された。以来リーフ地方は、モロッコ王国にとって文字通り目の上のたんこぶで、モロッコ国王は危険視し差別し続けている。
モロッコ人ISテロリスト、ルドワン・ラクディム(写真AFP)
フランスのマスコミは血生臭いテロ・ドラマがお好きなようです。 が、もっとワクワクするのは、フランスのトップ・サルコジ元大統領が仕組んだ血生臭い大事件です。 <アラブの春>だなんてデマをでっち上げリビアのカダフィを殺し、リビアとシリアを潰し100万人を超える人々を殺しました。 気取りに気取ったフランスのマスコミは、この空前のドラマをどう扱うんでしょうね? 楽しみで~す!
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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