SJJA&WSJPO【西サハラ最新情報】269 国連個人特使は西サハラ紛争地へ、仏大統領はAUへ

6月末から7月にかけてのサハラ砂漠は、猛暑なんてもんじゃありません! そんな6月23日から7月1日まで、国連事務総長西サハラ個人特使ホルスト・ケーラー元ドイツ大統領は、50度の熱いサハラ砂漠紛争地を訪れ、モロッコが拒否している両当事者直接交渉の道を探りました。 7月16日には♠米大統領とプーチン露大統領が会談する予定だし、世界は話し合いムードです。 マクロン仏大統領は、AUアフリカ首脳会議に参加するそうです。 元西アフリカ宗主国は何を話したいんでしょうね?

西サハラ難民キャンプで、左から2人目がホルスト・ケーラー大統領、3人目がブラヒム・ガリ大統領

(1) 西サハラ難民キャンプのホルスト・ケーラー個人特使:
 2018年6月26日、ホルスト・ケーラー個人特使はアルジェリアのティンドゥフにある西サハラ難民キャンプに入った。ホルスト・ケーラー一行との会談後、ハトリ・アドウ西サハラ国連交渉団団長は、「西サハラ難民政府は、ホルスト・ケーラー個人特使の努力を全面的に応援する。また、西サハラ人の民族自決権行使と独立を目指す解決策を、国連が見つけれるものと信じている」と、表明した。
同日、ホルスト・ケーラー個人特使は、ブラヒム・ガリ西サハラ難民大統領とも会談した。会談後にブラヒム・ガリ西サハラ難民大統領は、「両当事者交渉の再開は、西サハラ人民の民族自決権行使を可能にする道程となるだろう。ケーラーとの会談は、国連決議の施行を妨げている障害物を取り除く、第一歩になった」と、語った。

(2) モロッコのホルスト・ケーラー個人特使:
 6月27日、ホルスト・ケーラー個人特使はモロッコの首都ラバトで、ナセル・ブハリ・モロッコ外務大臣に会った。6月28日にはサード・エッディン・エルオスマニ・モロッコ首相と会った。両者はホルスト・ケーラー個人特使に改めて、「モロッコの自治計画こそが、長期のモロッコ・サハラ(モロッコの西サハラ呼称)紛争を解決できる」と、強調した。
 6月28日、ホルスト・ケーラー個人特使の一行はモロッコ占領地・西サハラの首都ラユーンに国連機で降り立った。この日、ホルスト・ケーラー一行は、モロッコ占領地のモロッコ当局者やモロッコ本土の議員やモロッコ国連大使オマル・ヒラルなどと会った。
ラユーン地区支配者ワリド・エッラシドは、「南地方(モロッコ式西サハラ代名詞)の開発のためにモロッコ国王が898,590,000,000円を投じるとラユーンで宣言された」と、公表した。 

③モロッコ占領地・西サハラのホルスト・ケーラー個人特使:
 6月28日、ラユーンの町では、モロッコ軍とモロッコ警察が展開していて、西サハラ被占領民の平和デモを阻んだ。しかし、モロッコ当局の妨害にも拘らず、平和デモはラユーンのみならず、近隣の町にも広がっていった。西サハラ被占領民は、モロッコ当局による迫害と人権侵害の中止、そして不法収監者の早期釈放を訴えた。
 6月29日、ラユーンにあるMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)本部で、AMREPNWS(西サハラ天然資源と環境監視組織)がホルスト・ケーラー個人特使とコリン・スチュワートMINURTSO代表に会った。西サハラ被占領民で構成されるAMREPNWSのメンバーは、「モロッコによる西サハラ資源の略奪は、国際法に違反する。モロッコの暴挙は、西サハラ脱植民地化を放置している国連に責任がある。一刻も早く、西サハラ民族自決権の人民投票を実施すべきだ」と、西サハラ人の権利を直訴した。

④ マクロン仏大統領がAUアフリカ連合首脳会談に参加:
 第31回AUアフリカ連合首脳会議が、モーリタニアの首都ヌアクショットで7月1日から2日にかけて開催される。約40か国の首脳が出席を予定していて、西サハラ難民大統領ブラヒム・ガリもモロッコ外務大臣ナセル・ブリタも、6月30日にヌアクショットに入った。議題の一つに、<43年を超える西サハラ紛争>が上がっている。両当事者は直接交渉に踏み切るのか?それとも、会議場内での論戦に終わるのか?? アフリカ諸国が注目している。
 そんなAU首脳会議に、仏大統領マクロンが参加を表明している。なんのために参加するのか?、、どうも、子分モロッコの助っ人を演じるつもりらしい。元フランス植民地の西アフリカ諸国は、西サハラに対するモロッコ領有権を認めさせられている。フランスはモロッコを中心にして、西アフリカ支配を目論んでいるようだ、、 
 
 ワールドカップに負けて帰ったモロッコ・ナショナルチーム<アトラス・ライオン>のスター・アミン・ハリトが、チームメートのファイサル・ファジュルと公道でカーレースをやったそうです。 彼の車は歩道に乗り上げ、29才の若者を轢き殺したそうです。 事件は6月29日、モロッコ最大の観光地マラケシュで起こりました。 ワールドカップで無邪気に盛り上がっている世界の庶民に、おぞましい車突っ込みテロを想起させました。

追伸:西サハラの人々に会いたい方は、ユーチューブの「ラストコロニー西サハラ」で検索するか、下記のアドレスにアクセスしてください。
Youtube URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo  (日本語版)

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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