スペインとイタリアは何かと似た者同士です。 イタリア語が喋れるようになったら、スペイン語も喋れるようになります。 歌うのも踊るのも大好きで、熱しやすく冷めやすいスペイン人とイタリア人。 左派思想にも右派思想にもすぐ染まってしまう、、第二次世界大戦時にイタリアはムッソリーニという、スペインはフランコという独裁者を生み出しました。 そして今、イタリアは右派のジョゼッペ・コンテ首相を、スペインは左派のペドロ・サンチェス首相を選びました。
(1)スペイン最新情報:
2018年6月6日、スペイン社会労働党(PSOE)のペドロ・サンチェス新首相は、内閣名簿を発表した。17人中11人が女性で、国防相、経済相、財務相、教育相といった要職に就けた。女性閣僚の割合は欧州では最多、フェミニストを自認する首相は就任早々にレイプを規定する法案を提出した。
そして、自ら人民の権利闘争を続けてきたペドロ首相は、カタルーニャ独立運動を率いる元カタルーニャ首相プチデモンが後継者に指名した現カタルーニャ首相キム・トラ(55)と会談した。BBC英国TVは7月19日、「ドイツとベルギーは海外に亡命中の元カタルーニャ首相プチデモンと側近5人に対する訴追を、止めた。この決定を受けて新スペイン政府は、EU(ヨーロッパ連合)域内国際警察に提訴していた国際手配の要請を取り下げた。但し、彼ら6人がスペインに帰国すれば、州政府担当時代の公金使用に関しての拘束と尋問が待っている」と、伝えた。さらにBBC英国TVは、「カタルーニャ州に対するスペイン中央政府の直接統治は、6月末で終了した。カタルーニャ州新首相キム・トラがカタルーニャ州を治めていくことになる」と、カタルーニャ州独立運動の最蜂起を匂わせた。
(2)イタリア最新情報:
2018年6月6日、マッタレッラ大統領から閣僚名簿を受理されたイタリア新首相ジュセッペ・コンテは、コンテ新政権を作動し始めた。スペインのペドロ新政権が左派であるのとは対照的に、イタリアのコンテ新政権は極右派で、移民もEUヨーロッパ連合もお嫌いだ。閣僚は主に反体制派政党「五つ星運動」ポピュリスト大衆迎合主義と右派政党「同盟」の両党から選出されている。
内務相(副首相兼任):マッテオ・サルビーニ(同盟)
産業相(副首相兼任):ルイジ・ディ・マイオ(五つ星運動)
外相:エンツォ・モアベロ・ミラネージ(無所属、元欧州担当相)
防衛相:エリザベッタ・トレンタ(五つ星運動)
欧州担当相:パオロ・サボーナ(無所属)
(出展BBC英国TV)
イタリア新内務大臣マッテオ・サルビーニは、早速、反マフィア作家ロベルト・サヴィアノに「名誉棄損で訴えてやる」と、噛みついた。7月17日、反マフィア作家ロベルトが不法移民の溺死を追悼し、移民に救いの手を伸べるスペイン・ペドロ新政権と対照的に移民を排除するイタリア・コンテ新政権を痛烈に批判した。新政権の反移民政策を強行しているのが、サルビーニ新内務大臣だ。反マフィア作家はさらに、「サルビーニ氏は、暗黒世界の大臣だ」と、ツイートで追い打ちをかけた。それに対してサルビーニ新内務大臣は、「私はどんな批判も受け入れるが、私がマフィアを助けているという輩は、絶対に許せない」と、反論した。サヴィアノは2006年にカモッラと仇名されるナポリ・マフィアの実態を暴いた本で、一躍、有名になった。それ以来、サヴィアノには警官の護衛がついているが、サルヴィニ新内務大臣は奴に護衛は必要ないと、マフィアをけしかけるような発言をした。
シシリア・マフィア物語は眩しい地中海の陽光を浴びて、血まみれな惨劇もロマンチックに仕立て上げられてきた。ジャン・ギャバン、リノ・ヴァンチェロ、アラン・ドロンが出演する1969年フランス製「シシリアン」、マーロンブラン・ブランド、アル・パチーノが出演する1972年アメリカ製「ゴッドファーザー」などなど、多数ある。なかでも1987年イタリア製「シシリアン」は、実話に基づいたもので納得できる作品だとか??
筆者もまだ見ておりません。ご覧になった方はご一報ください。
(3)カナリア諸島とシシリア島:
右と左と、全く正反対のイタリア新政府とスペイン新政府だが、今年も又、両国は西サハラ難民の子供たちを夏休みイベントに招待してくれた。
スペインやイタリアが招待する夏のイベントに、民族衣装で参加する西サハラ難民の子供たち
イタリアのシシリア島州政府は、一か月間の夏休みホームステイを、西サハラ難民の子供たちにプレセントしてくれた。「夏の平和イベント」はシシリア島のアチレアーレという町で行われ、約150人の西サハラ難民の子供たちは、イタリア人の家庭に分散して居候し、イタリアの子供たちとサッカーをしたり踊ったり歌ったり、、夏を楽しむ。西サハラ子供大使たちは、西サハラ難民キャンプの現状や、「何故、過酷な砂漠難民キャンプで親子三代にわたって頑張っているのか、、それは、西サハラの独立を目指しているからだ」と、伝える。
難民生活や砂漠のサバイバル・ライフに興味を持つイタリアの子供たちは、お礼に企画される難民ホームステイを冬休みに楽しむことができる。こうして子供たち同士で直接、お互いの文化と生活に触れることができる。
一方スペインのカナリア諸島の州政府も、約200人の西サハラ難民の子供たちを夏休み平和イベントに招待した。イタリアと同様に、一ヵ月間のホームステイを楽しみつつ、勉強しつつ、子供交流をする。スペインの植民地だった西サハラでは、スペイン語を学んでいるから言葉の不自由はない。イタリア語はスペイン語の兄弟だから、こっちも不自由しない。
大人も羨む世界有数のリゾート地に一か月間も招待された、西サハラ難民の子供たち、、思いっきり楽しんでね!
Youtubeにアップした「人民投票」(Referendum)のご案内をいたします。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いいたします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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