SJJA&WSJPO【西サハラ最新情報】288 TICAD, MINURSO、GCMR、WSRT

 「外国人労働者」という言葉が、国会などで飛び交っています。 すぐに思ったのは牛久(茨城県)や大村(長崎県) にある「外国人収容所」に収監されている不法入国の人々の事でした。 劣悪な収容所と冷たい日本政府の対応に、自殺する外国人の後が絶ちません。 そんな人たちにやっと日本政府も光を当ててくれるのかと、大いに期待したのですが、、 日本政府の言う「外国人労働者」とは、「すぐに役立つ外国人奴隷」を意味するのですね?、、  
しかも、不法でない、、 
国際社会が問題にしている移民難民の大部分は、不法移動外国人なんですけど、、 

(1)移民難民:
 2018年12月5日から7日にモロッコでのグローバル移民難民会合GCMRと12月5日と6日の西サハラ・ラウンドテーブルWSRTと、モロッコの命運がかっている国連主催の会合が重なっていた。モロッコの外交権はモハンマドⅥ世国王陛下が握っている。が、モロッコ外交団はオマル・ヒラール国連大使とナセル・ブリタ外務大臣が王令の下に、二人三脚で動いている。「分担してやるには課題が大きすぎるな、、」と、他人事ながら心配していたら、国連が西サハラ・ラウンドテーブルを優先させて、グローバル移民難民会合の日程をずらせた。
 西サハラ・ラウンドテーブルWSRTは、国連事務総長個人特使で元ドイツ大統領のホルスト・ケーラーがジュネーブで開催する交渉会合で、国連の命運がかかっている。グローバル移民難民会合GCMRは国連主催の国際会合で、移民難民に関わる諸国が参加する予定だ。ところが、アメリカに次ぎオーストリアやハンガリーなどが不参加を決めた。さらに、移民難民の救世主・メルケル・ドイツ首相の引退声明が追い討ちをかけた。
 2018年10月31日の定例記者会見でファルハン副報道官が、「不参加国が出てきているのは残念だ。が、正式に、グローバル移民難民会合GCMRは12月10日と11日に決定した。多くの加盟国が支援してくれることを期待している」と、語った。

(2)TICAD7 :
 10月28日、西サハラ難民キャンプでのSADRサハラウィ・アラブ・民主共和国の政府閣議で、ブラヒム・ガリ大統領は、「モロッコの度重なる妨害にも拘らず、アフリカ人の団結がそれを覆した。東京で起こった特別会議での事態がいい例だ、、」と、述べた。
10月30日、外務省での河野外務大臣記者会見(外務省発)のうち、TICAD7関連で
【毎日新聞 秋山記者】来年のTICADのサミットに向けてなんですけれども,西サハラの扱いを,来年の会議ではどのようにするのが適切であると,今,大臣はお考えでしょうか」
【河野外務大臣】「西サハラを日本として,国家承認をするつもりは全くございません。西サハラをTICADに招待するということも全く考えておりません」
2018年7月27日,外務省は, 第7回アフリカ開発会議(TICAD7)事務局を中東アフリカ局アフリカ部に設置。同事務局は,2019年8月28日から30日に横浜において開催される予定のTICAD7設営・運営業務全般を行う。アフリカ開発会議(TICAD)とはアフリカの開発をテーマとする国際会議で,1993年以降,日本政府が主導し,国連,国連開発計画(UNDP),世界銀行及びアフリカ連合委員会(AUC)と共同で開催。(外務省参照)

SADR(サハラウィ・アラブ・民主共和国)の閣議風景、正面にブラヒム・ガリ大統領。西サハラ難民キャンプで

(3)やっと決まったMINURSO、あと半年:
 2018年11月1日、国連定例記者会見でステファン国連事務総長報道官が、「国連安保理はミヌルソMINURUSO(国連西サハラ人民投票監視団)の任務を2019年4月30日まで延長し、両当事者に2018年末をめどに計画されている話し合いを建設的に再開するよう、呼びかけた。賛成12、反対0、棄権3で、決議は採択された。決議は、ホルスト・ケーラー事務総長個人特使が提案する12月5日と6日のジュネーブ・ラウンドテーブルを、モロッコもポリサリオ戦線も、さらにはアルジェリアやモーリタニアも受諾したことを、歓迎する」と、発表した。
 10月29日に予定されていた西サハラ安保理決議案が、満期ギリギリの10月31日までずれ込んだのは、<半年>をミヌルソMINURSOの任期とするアメリカ草案に対して、フランスとフランスの元植民国が<1年>を要求したからだ。なぜなら、フランスはモロッコ占領地・西サハラにフランスの企業を送り込んで、元植民国モロッコと共同開発の計画を立てている。11月半ばには、モロッコ占領地・西サハラの首都ラユーンで、経済フォーラムを、予定している。西サハラのモロッコ化を目論むフランスにとって、最低でも一年は必要という。
 一方、半年の草案を通したアメリカ国連代理大使のジョナサン・コーヘンは、「アメリカはこの決議に満足をしているが、政治交渉はスタート台についたばかりだ。西サハラ紛争には政治的解決が一番!安保理メンバーはこれから6か月間、当事者にエールを送りつつ、彼らの作業状況をきっちりフォローしていく」と、決議採択を歓迎した。アメリカ国連代表部は、西サハラ紛争の早期平和的解決を切望する、ジョン・ボルトン米国家安全保障補佐官の意向を汲んでいる。
 モロッコは、「モロッコ・サハラ(西サハラのモロッコ式呼称)問題の解決には、モロッコ領土内の地方自治州案以外にない」と、強調した。
 西サハラ代表ポリサリオ戦線は、「両当事者の直接交渉以外に西サハラ紛争の早期解決はないとする、アメリカ代表部のミヌルソMINURSO半年期限提案を支持する」と、国連安保理決議を強く支持した。

 おくばせながら、TICAD、MINURSO、GCM、WSRTのフルネームを紹介します。
*TICAD: Tokyo International Conference African Development東京アフリカ開発会議
*MINURSO:Mission des Nations unies pour l’Organisation d’un Référendum au Sahara Occidental 国連西サハラ人民投票監視団
*GCMR: Global Compact on Migrants &Refugees グローバル移民難民会合
*WSRT:Western Sahara Round Table 西サハラ・ラウンドテーブル
 いささかウザったい頭文字名称ですが、これから国際ニュースに登場してきます。
頭の隅に、留め置いてください、、

Youtubeにアップした「人民投票」(Referendum)のご案内です。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU

Youtubeに4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いいたします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa]  英語版URL:   https://youtu.be/au5p6mxvheo

WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2018年11月2日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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