SJJA&WSJPO【西サハラ最新情報】296 謹賀新年 TICADの年、祭事の年、テロ警戒の年

津久井の山間にある雲功寺の観音様、金つき堂が左隅にのぞく,,

 モロッコはテロ・ゲートウェイだと、モロッコ自身が自慢しています。 確かに、昨年も相変わらずIS関連のテロがモロッコ内外で続発し、モロッコ司法当局は容疑者狩りを、華々しく公表してきました。 いかにモロッコ警察が優秀かを、数字を挙げて国際社会にアピールしました。 が、裏を返せば、いかにモロッコのIS テロリストがモロッコ国内で横行し、さらに多数のモロッコ産ISテロリストを欧州に輸出しているかを、自白しているようなものです。 まさにモロッコは、ISテロと不法移民と麻薬のゲートウェイです。

(1) スカンジナビア女性ツーリスト2人がモロッコISに斬首される:
 「12月17日月曜日、ツーリストの死体が発見された。二人のうち一人の殺害を撮った映像が流され、ノルウェー警察が映像は本物だと認めた」と、英国BBCTVが2018年12月21日に発表した。泣き叫び許しを乞う白人女性の首を斬る衝撃的な映像が、世界に流れた。
 以下に、時系列で事件を追ってみる、、
 月曜17日の朝、マレン・ウランド(28才、ノルウェー人)とルイザ・ジェスパーソン(24才、デンマーク人)の首なし遺体が、高アトラス山脈にあるイムリル村から10㎞離れたテントの中で発見された。二人は山に出かける前に、宿泊先のマラケシュのホテルで男3人といるところを、目撃されていたという。
火曜18日の朝、BCIJ (モロッコ)中央司法捜査局が容疑者の一人を逮捕したと発表した。容疑者は尋問中だが、モロッコ人ではなさそうだと、関係者が漏らした。
 水曜19日の夕、モロッコ国内のフェースブックに、金髪女性の首斬り映像が流れた。実行犯と撮影者は「ISから奪回されたシリア東部の町、ハジンへの追悼だ!」と、モロッコ方言が混じるアラビア語で叫びながら、犯行に及んだ。
 木曜20日の朝、BCIJ(モロッコ)中央司法捜査局)は3人の共犯者を、マラケシュからアガデールに向かうバス車中で逮捕した。三人はアフタティ(28才のビジネスマン)、アジド(27才の大工)、アブデルサマド(25才)で、主犯を含む計4人の殺人容疑者は観光地マラケシュ周辺に住み、ISリーダー・アブーバクルに忠誠を誓っている。宣伝ビデオには「アッラーや最後の日を信じない者と戦え、、」というコーラン9章29節が挿入されていた。
 金曜21日、さらに9人が逮捕された。遺体は母国に空輸された。犠牲者の母親は、モロッコ旅行に関して母国の当局から中止勧告を受けていたと語った。が、二人は12月9日にモロッコ旅行へ出かけた。
 土曜29日、BCIJ(モロッコ)司法捜査局は、「殺害犯たちを指導したという疑いで、スペインとスイスの国籍を持つ男を逮捕した」と、発表した.これまでにBCIJは、事件との関連で20人を逮捕してきた。

(2) 海外のモロッコ人IS, モロッコ不法移民斡旋業:
 2018年12月21日夕、モロッコ北部のタンジェ警察が、不法移民斡旋業ネットワークに属する、24才から44才の4人を逮捕した。同時に、サハラ以南出身の不法移民22人も逮捕した。モロッコ警察は、モロッコ国内や国外の犯罪組織との関連を取調べている。モロッコ外務大臣ナセル・ブリタは「モロッコ国外には、500万人以上のモロッコ人がいる。モロッコは、アフリカ移民を歓迎する」と空宣伝し、12月10日と11日の、<マラケシュ移民会議>では、EUから148,000,000ユーロ(約18,648,000,000円)の対モロッコ移民対策支援金予算を取り付けた。
 12月22日、スペイン内務省が、「21日にバルセロナ地方のマタロで、モロッコ人テロリストを逮捕した」と発表した。さらにスペイン内務省が、「男はISのメンバーとしてシリアの長距離ミサイル訓練を受けていた国際指名手配者だった」と、言及した。モロッコ当局によると、33才のモロッコ男は2014年からISに参加し、2018年6月にスペインへ不法入国し、バルセロナに住んでいたそうだ。逮捕はモロッコ情報のお陰だと、モロッコは自慢した。
 モロッコ人ISは、2015年にパリ同時多発テロで130人を無差別殺害し300人を負傷させた。2016年にブリュッセル連続爆破テロで35人を無差別殺害し198人を負傷させた。2017年にはバルセロナ車暴走テロで、13人を轢き殺し100人以上に重傷を負わせた。モロッコ人産ISテロリストは、テロ大虐殺を続けている、、
モロッコ情報サービスがドイツに、「テロリストがドイツ空港襲撃を計画。A とBのテロリストの電話を傍受した。Aが<テロリストは俺たちだけか?>と聞くと、Bは、<いや、たくさんいる>と答えている」と、テロの警告をした。
 そのドイツはフランクフト空港で捕まったのは、モロッコの議員や高官たちだった。
 彼らはビザを持っていなかった。カサブランカ知事アブデルアジズ・エルオマリ、モハンマド・ムブジ議員、サレム・ベンマスド議員、アマル・マイサル議員、アブデルラ・ムハジリ議員、アハマド・トウイジ議員、アハマド・トウイミ議員、ヌールッディン・ラズラク議員などが、ドイツ空港警察の取り調べに対して、「モロッコのパスポーはフリーパスではないのか?」と、食ってかかったが、写真まで撮られた。容疑は勿論、不法入国だ。モロッコでは、官民問わず不法入国が流行っている。
 DGSN(モロッコ)国家安全総局は、12月25日に<2018年犯罪白書>を発表した。
それによると、不法移民斡旋組織摘発件数が603、逮捕した犯罪者は554,202人、犯罪者の大部分が麻薬中毒者だという。押収したコカイン1.65トンや、覚せい剤1,300,000錠の類、などは南米から不法輸入され欧米に不法輸出される。一方、モロッコ原産のハシッシュ(大麻)押収量は、大麻樹脂が52トン、乾燥大麻が693キログラムで、合計52,693㎏は、モロッコから不法輸出されようとしていた。麻薬不法輸出と麻薬不法輸入の最大ゲートウェイは、モロッコ北部のタンジェ港だ。ちなみに、日本法務省調査によると、平成29年に押収された大麻は1,597㎏と記録されている。

(3)北アフリカ3か国(アルジェリア、チュニジア、モロッコ)訪問の河野太郎外務大臣:
 「中東・北アフリカ外交を強化していく中で,日本と伝統的な友好関係にあり,安定を維持しているこの3か国は日本にとって大変重要なパートナーであります。日本企業の進出も進みつつあり,経済的にも高い潜在力を持っている地域です。来年のTICADに向けてさらに協力をして参りたいと思っております」と、河野太郎外務大臣は、2018年12月23日から29日にかけての北アフリカ3か国(アルジェリア、チュニジア、モロッコ)訪問を、総括した。
 モロッコでの、TICAD7西サハラ招待に関する質疑応答の中で河野太郎外務大臣は、「西サハラは日本は国家として承認しておりませんし,今後も国家として承認するつもりはございません。また,国家として承認をしていない西サハラを日本がTICADに招待をするということはありません。」と、従来の外務省見解を繰り返した。そのうえで、「また,EU,AUの会議も来年早々にも予定をされているので,そうしたところの取組その他を注視していきたいというふうに思っております。」と大臣は言及した。そして、記者が、「今日の会談で,それで決まったというわけではなくて,TICADまで話し合いを関係国と続けていくという理解でよろしいでしょうか」と質問すると、河野太郎外務大臣は、「TICADは日本とAUC,それからUNDPあるいは世界銀行といった共催者がおりますので,これはどのようにやるかというのは共催者とコンセンサスで決めていくというのがルールでございますから,あのどこかの国と2国間でモダリティーが決まるということはありません」と、答えた。
 アルジェリア記者会見で、記者が「アルジェリアは西サハラの独立を支援する立場ですが,日本は国家承認をせず,来年のTICAD7にも招待しない方針です。今日の外務大臣会談で,西サハラ問題について立場の溝を埋めることはできたのでしょうか?」と聞くと、河野太郎外務大臣は、「日本は西サハラを国家承認しておりません。そのことはアルジェリア側もよく認識をしておりますので,特に西サハラを巡る溝ということはないというふうに思っております」と。答えた。(出典は外務省のホームページ)

 首切り事件から1週間後のモロッコ記者会見で、「事件は殆どモロッコ旅行に影響はない」と、日本外務省の報道官が、MWNモロッコ世界ニュースの質問に答えました。 あの、用心深い日本外務省のお墨付きです。 相変わらずモロッコ全土の危険レベルは一番軽い<1>で、レベル<4>の西サハラや南アルジェリアのような渡航中止や退避令も出さないようです? どうぞ、モロッコにお出かけください。 ISネタ探しの方にも、モロッコはお薦めです。
 記者会見から4日後、首切り事件から11日後の金曜日12月28日、同じ中アトラス山脈にあるイフラネで、女性(24才)の首無し遺体と、6メートル離れた所で頭が発見されました。 被害者は7才の娘を持つ離婚歴があるモロッコ女性だと、現地警察は発表しました。 DGSN(モロッコ)国家安全総局は、「土曜の29日に、斬首容疑者の羊飼い(38才)を逮捕した」と、発表しました。

 それにしても、、痛かったでしょうね、、ご冥福をお祈りします。

Youtubeにアップした「人民投票」(Referendum)のご案内です。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU

Youtubeに4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いいたします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa]  英語版URL:   https://youtu.be/au5p6mxvheo

WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2019年1月1日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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