パリ・テロの実行犯が、シリア難民に紛れ込んでヨーロッパに入ったモロッコ出身のイスラム教アラブ人が主役でした。 そしてアメリカのカリフォルニアで、パキスタン出身のイスラム教徒夫婦が銃を乱射して14人を殺すと、トランプ共和党大統領候補は、「イスラム教徒のアメリカ入国禁止!」と喚きました。 オバマ大統領やイギリスや世界の人権団体がトランプ発言に猛反発したにもかかわらず、トランプはケロケロ! 驚いたことにアメリカ国民のトランプ支持率が22%から35%に上がり、またしても大統領候補NO1に返り咲きました。
かくして、連想ゲームのように、テロリスト~イスラム教徒~アラブ人~難民~~と、
繋がっていきます。 心ない人は、「難民はテロリスト」と思ってしまうじゃないですか!?
(1)2015年12月8日、日本で<国際テロ情報収集ユニット>が発足:
「イスラム過激派などに関する情報収集や分析能力を強化するための新たな組織「国際テロ情報収集ユニットを12月8日に外務省に新設し、4人の審議官に東南アジア、南アジア、中東、北・西アフリカの4つの地域を担当させるほか、在外公館に現地の事情に精通し語学が堪能な職員を増員する。また、杉田官房副長官を議長に、外務省、防衛省、警察庁、公安調査庁などが参加する<国際テロ情報収集・集約幹事会>を新たに設置し、総理大臣官邸を司令塔に情報収集を行い、集まった情報を関係省庁で速やかに共有する」(外務省)。最後のアフリカ植民地・西サハラは、まさに<北西アフリカ>の焦点だ。
(2)2015年12月8日のロス国連事務総長報告:
2015年12月8日、クリストファー・ロス国連事務総長個人特使は、国連安保理で11月23日から30日にかけての関係地域訪問を報告した。アルジェリア、モロッコ、西サハラ難民キャンプ、モーリタニアと視察したが、肝心のアフリカ最後の植民地・西サハラへはモロッコの拒絶にあい訪問できなかった。いつまでたっても国連が自ら約束した<国連西サハラ住民投票>を実施しないことに、西サハラの難民も被占領住民も頭にきている。12月16日から20日にかけて開催する<西サハラ民族大会>では、国連和平仲介に「ノー!」をつきつけ武装闘争に突入するかどうかを決定する。国連ノーを危惧するロス国連個人特使は、「国連事務総長は来年1月に当該地域を訪問する」と、ニューヨークで12月8日に発言した。が、来年のことを言ったら鬼が笑うよ、、来る来ると言うだけで来ない、<狼おじさん>にはならないでください。
(3)2015年12月9日バタクラン劇場襲撃犯No3の身元判明(BBC発):
12月9日、複数のフランス・メデイアが「90人を殺した3人のテロリストのうち、不明だった3番目の容疑者がモモロッコ人のハンマド・アッガドだと判明した」と伝えた。彼も自爆ベストを身に着けていた。DNA鑑定や過激派組織ISが彼の母に送ってきたメッセージで判明した。今回のパリ・テロにモロッコ人ISシンジケートが関わっているのも、明らかになってきた。さらに、2015年8月21日フランス特急列車テロの容疑者アユーブもモロッコ人だ。スペイン当局は早くから、アユーブが麻薬密輸に絡みイスラム過激派と接触していることをつきとめていた。
モロッコの麻薬密輸団は、北アフリカのイスラム過激派組織MUJAO(The Movement for the uniqueness and Jihad in West Africa )と繋がり、麻薬の密輸や誘拐もやる。2013年にアルジェリア石油プラントを襲撃したムフタール・ベルムフタールが率いている。
勿論、モロッコ人=テロリストではありません。難民=テロリストではありません。
(4)2015年12月10日、アルジェリア外務大臣とアメリカ国務長官が会談:
12月10日、パリでジョン・ケリー・アメリカ国務長とラムタネ・ラマムラ・アルジェリア外務大臣が、最後のアフリカ植民地・西サハラ問題への対応を話しあった。両者は、国連安保理と国連憲章が決めた西サハラ民族自決権の行使を目指す<国連西サハラ住民投票>を促した。さらに両者は、国連安保理が承認しているクリストファー・ロス国連事務総長個人特使を全面的に支持することを確認した。ロスはオバマ政権が国連に送った、ベテランの中東専門外交官だ。12月の国連安保理議長はサマンサ・アメリカ国連大使だ。
左がラマムラ・アルジェリア外務大臣、右がケリー・アメリカ国務長官
西サハラ難民はテロと戦ってきました。
2011年10月22日MUJAO が難民キャンプを襲撃し3人のNGOを誘拐しマリのアジトに連れて行きました。 西サハラ難民政府はマリ政府と交渉し、2012年7月18日、無事解放を勝ち取りました。 今年の6月14日と6月29日には、サハラ砂漠の西サハラ解放区に侵入してきたモロッコ麻薬密輸団を、西サハラ難民政府が摘発しました。
西サハラ難民は、今もテロと戦い続けています。
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2015年12月12日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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