SJJA&WSJPOの【西サハラ最新情報】153 日本メディアが西サハラを取り上げる! 共同通信、産経新聞、毎日新聞、その他

 2016年3月30日、初めて、日本のメディアが西サハラ問題を取り上げました。 ビックリしたなあ、、共同通信や大手新聞社など、多数が西サハラ問題を掲載したんですよ!、、これもパン・ギムン国連事務総長が3月5日に、国連事務総長として初めて西サハラ難民キャンプと西サハラ側解放区を訪れた御蔭です。 この訪問にモロッコは、①モロッコ占領地とモロッコの訪問を欠いた不公平なもの、➁パン国連事務総長が使った<占領>という言葉は間違いで、サハラはモロッコのもの、と国連安保理に反発しました。 ①のモロッコ側訪問に関しては、パン国連事務総長が2015年10月からモロッコに要求してきたにも拘わらず、モロッコが断わり続けました。 これは揺るぎのない事実で、モロッコも①はひっこめ、②の<占領>という言葉に文句をつけています。 が、西サハラは、国連総会が決議した<植民地独立付与宣言(1960国連総会決議)>に基づく<植民地>で、<占領>は適格な言葉です。 モロッコVS国連の展開を、事実に基づいて公平に報告します。

(1)モロッコの国連事務総長訪問への反発と国連の警告:
 2016年3月23日、ファルハン・ハク国連事務総長スポークスマン代行が、パン・ギムン国連事務総長の西サハラ訪問に関してブリーフィングを行った。代行は、「モロッコ政府から3月16日に口頭でパン国連事務総長訪問に関して抗議を受けた。それに対して国連事務総長がモロッコの反発行為を深く憂慮していると、口頭でモロッコ国連大使に伝えた。さらに、MINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)に対するモロッコの妨害や要員撤退は、国連安保理の決議に違反する。国連安保理の命を受けたMINURSO要員は、当該地域(モロッコ占領地・西サハラ)に自由に立ち入り展開できると、言及した」と、発表した。

 国連事務総長事務局はモロッコ政府に対して、「国連憲章と国連決議に基づく国際法的義務を速やかに遂行するように、MINURSOへの妨害を止めるように、そして協力の精神でやっていこう」と、強く促した。

tn201604010606315モロッコが一方的に閉鎖したモロッコ占領地・西サハラにあるMINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)ダハラ支部

(2)UN西サハラ最新情報:
 2016年3月28日、国連スポークスマンが西サハラ最新情報を発表した。それによると、「3月24日、3月の安保理議長イスマエル・アブラーオ・ガスパル・マーテインの提案で、西サハラに関する会議が開かれた。事務総長は、安保理メンバーが最新状況、特にMINURSOの活動を妨げている問題に関して強い関心を示したと、公表した。安保理が明言しているように、PKO活動は平和と治安を維持するために、絶対に欠かせないものだ。全ての国連加盟国は安保理決議と国連憲章の下に、その義務を負わされている。

 今、重要なのは、最近の混乱を克服して、安保理が命じた使命を全うできる環境を取り戻す事だ。事務総長、彼の個人特使クリストファー・ロス、MINURSO特別代表の誰もが、建設的で協調的で、かつ寛容な姿勢で、安保理メンバーの期待に応えて尽力しようと、用意万端整えている」と、ある。

(3)CORCAS(モロッコ)王立サハラ問題諮問評議会:
 2016年3月30日に出された、モロッコ占領地・西サハラを仕切っているCORCASと、モロッコ外務省スポークスマンの声明を紹介する。

 CORCASは、「この2週間、国連安保理はパン・ギムン国連事務総長の声明が巻き起こした騒動に関して、数回の会合を持った。15の国連安保理メンバーは国連トップへの支持を表明した。が、事務総長の行動と<占領>という言葉は、モロッコとして、とても受け入れられない。モロッコは宣告したように、MINURSOの職員84人を追放し、MINURSOのモロッコ占領地・西サハラにあるMINURSOダハラ支部(73人のPKO要員)を閉鎖した。

 モロッコ外務省スポークスマンは、「様々なプレスが要望するので、モロッコの国連対応を明確にしておく。国連事務総長の訪問と言葉は、国連スポークスマンがどう言おうと許せない、修正も消去もできない重大なミスだ。が、安保理が要望するなら、建設的で責任ある対話に応じてやってもいい」と、含みのある声明を出した。

 西サハラ問題に関する3月30日の、共同通信社の記事を紹介します。 「モロッコが国連の潘基文事務総長の発言に反発し、西サハラから国連平和維持活動(PKO)要員の撤収を要求した問題で、潘氏は<モロッコの誤解を招き、遺憾に思っている>と述べた。国連のドゥジャリク事務総長報道官が28日の定例記者会見で明らかにした。今月上旬、モロッコの隣国アルジェリアの西サハラ難民キャンプを訪問した潘氏は、モロッコが実効支配する西サハラについて「占領されている」と指摘。この発言を受け、モロッコはPKO要員84人を撤収させるよう国連に要求し、要員の一部が撤収した、、」

 共同通信は日本全国にニュースを配信します。 西サハラの真実を、沖縄反基地運動の仲間や北海道国後の人々にも知ってもらえます!! 

 西サハラは1975年からモロッコに<占領>されているアフリカ最後の植民地です。

WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2016年4月1日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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