2015年10月9日、ノーベル平和賞が「チュニジア国民対話カルテット(4組織)」に決まりました。 なんで~?? こんな選考の仕方をするから、ノーベル賞の政治的悪巧みが取りざたされるのです。 仕掛人は誰なんだ? <アラブの春>を正当化しようと企む選考関係者こそ、<アラブの春>の仕掛人なんでは? 欧米と石油王国が仕組んだ<アラブ壊滅>を、<アラブの春>だなんて、今時のアラブ庶民はありがたがっていません。
しかし、国際社会の目を引こうとする<西サハラ長期難民>は、「<アラブの春>元祖は西サハラ占領民蜂起だ」と声を上げているのです、が??、、
① 西サハラ難民キャンプ、食料不足のSOS:
2015年10月6日、SRC西サハラ赤新月社が食料不足だと、緊急支援をUNHCR国連難民高等弁務官やWFP世界食糧計画や国際援助団体に要請した。そして、これらの国際組織やNGOの人道支援団体などにむけ、「10月に予定されている食糧援助の到着は、20%以下だ。不足分は先月までの備蓄で賄っていくが、それも底をつきそうだ。 2015年5月15日に、西サハラ難民キャンプで働く10のNGOに、緊急援助を要請したのだが、、」と、SOSを再発信した。世界中が難民支援で盛り上がっているのに、40年を超える長期西サハラ難民は忘れられたままだ、、
② EUが国連交渉支持表明:
10月6日、EU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長フェデリカ・モゲリーニが、「EUは西サハラ問題に関して、国連パン・ギムン総長による西サハラ人民族自決権の実践を目指す、平和解決策を支持する。EUは、中断している<両当事者の交渉再開>に努力している国連事務総長個人特使ロスの努力を歓迎する」と、表明した。モゲリーニEU外務委員会副委員長は、欧米6か国と共に<イラン核問題>の和平交渉を成功させたキーパーソンだ。モゲリーニ副委員長は1973年にローマで生まれ、結婚し2女に恵まれている。
③ 国連脱植民地化第4委員会:
2015年の国連脱植民地化委員会(通称第4委員会)は、10月7日から11月13日まで、国連ニューヨーク本部で開かれている。毎年のことながら今年も、西サハラ問題が委員会の最重要課題に選ばれた。初日の討議で、第一地域グループが、モロッコ植民地・西サハラの民族自決権と独立を強く要請した。第一地域グループはCELAC(ラテンアメリカとカリビアン諸国)で、エクアドル大使デイエゴ・モレホンが代表して、西サハラの早期脱植民地化を訴えた。現時点で国連が植民地と規定している地域は16か所ある。そのうちで国連が脱植民地化の対象地として、国連自らが<国連住民投票監視団>を設置しているのは、西サハラだけだ。が、40年経った今も、国連は住民投票を実施していない。
④ 「国連は西サハラ住民投票を実施しろ!」オマル首相:
10月10日、西サハラ難民政府首相アブデル・カデル・オマルは、西サハラ難民キャンプで取材に応じ、「国連事務総長パン・ギムンが2015年末までにこの地域を訪問する。さらに、彼の個人特使ロスがそれに先行させて先遣隊をよこすそうだ。これらの訪問が西サハラ問題を妨害している暗礁を撤去できると、ポリサリオ戦線・西サハラ難民政府は大いに期待している」と述べた。そして、「西サハラ人民はもうこれ以上、難民キャンプとモロッコ占領地での虐げられた生活に耐えていくことはできない」と、警告を発し、「ポリサリオ戦線は第14回大会を12月半ばに開いて、これからの民族闘争を決定する予定だ」と、予告した。さらに、「国連が住民投票を実施しないのなら、人民蜂起に踏み切る」と、武装闘争の可能性を示唆した。
10月12日は、<民族統一の日>として、<地雷防御壁・砂の壁>で分断された西サハラ人全員が団結を誓います。 <砂の壁>の向うにあるモロッコ占領地・西サハラには、難民キャンプへ脱走できなかった西サハラ被占領民が、40年以上もモロッコの虐待に苦しんできました。そして、アルジェリアにある難民キャンプでは、40年以上、厳しいテント生活に耐え忍んできました。
西サハラの人々が耐えてこられたのは、国連の言うことを聞いて銃を置き、国連の和平解決を信じているからです。
来年のノーベル平和賞は、西サハラの人々! 決まりです!!
文:平田伊都子 ジャーナリスト 写真:川名生十 (写真はオマル首相と筆者)
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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