内野光子の執筆一覧

何度でも、くどいようですが、歌壇と天皇制

著者: 内野光子

 私が会員になっている『ポトナム』の歌壇時評に、1月号に引き続き、寄稿しました。くどいようですが、また、短歌と天皇制の問題です。改元を機会に、歌壇での事実を確認、整理し、手立てを考えなければと思っています。記事の末尾に、

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東北へ~今回も短い旅ながら(2)東北大学「「中善並木」

著者: 内野光子

 いつも素通りの仙台、気になっていた、美術館と文学館は是非と思っていた。私は、少々足に自信がなかったので、地下鉄東西線の国際センター下車、まず、目の前から始まる東北大の川内キャンパスに入る。緩い坂を上った交差点を左に折れ

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60年前の1960年、50年前の1970年、今、何が変わったのか(2)1970年の私

著者: 内野光子

身辺の資料を整理していると、思いがけないところから、意外なものが見つかり、思わず読み入ってしまい、まるっきり片付かない日があったりする。私が在職していたころ、1970年代の国立国会図書館の組合関係の綴りが出てきた。私は、

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60年前の1960年、50年前の1970年、いま何が変わったのか(1)私の1960年

著者: 内野光子

今年に入って、60年前の1960年が、回顧される特集記事などをときどき見かけるようになった。日米安保条約調印が、60年前の1月18日であったからだ。私は前年の1959年12月に母を亡くしたばかりの大学生だった。調印時の記

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歌壇、この一年を振り返る季節(2)歌人によるパワハラ?セクハラ?~見え隠れする性差

著者: 内野光子

歌壇の内情に疎い私には、今年「未来」という短歌結社の選者の一人である加藤治郎の発言やツイートによる発信が物議をかもしていることを最近知った。加藤が、2018年2月から『短歌往来』に「ニューウェーブ歌人メモワール」という1

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歌壇、この一年を振り返る季節〈1〉短歌と天皇制

著者: 内野光子

短歌研究社『短歌研究年鑑』(2020年版)とカドカワ『角川短歌年鑑』(令和2年版)が出そろった。2019年の歌壇状況を知る助けにはなるのだが、今年という一年をしっかり振り返ったことになるのかなという違和感があった。その二

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改元、一連の行事はいつ終わるのか=その根源たる差別も続く

著者: 内野光子

昨年の5月、改元前後からの皇室行事は、いつ果てるともなく続いているかのような光景である。大嘗祭後に行われた4回の饗宴の儀、そして、続く伊勢神宮参拝・報告、奈良や京都の天皇陵参拝、そして京都では御所でのお茶会まで開いていた

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<歌壇>における「賞」の在り方~「ショウほど素敵な商売はない」?

著者: 内野光子

一九五〇年代に「ショウほど素敵な商売はない」という、マリリン・モンロー出演のアメリカのミュージカル映画があったらしい。見る機会もないままいまに至っているが~。 これまで私は、国の褒賞制度や栄典制度が、本来の学術・文芸の振

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いったい、文化勲章って、だれが決めているのだろう~その見えにくい選考過程は、どこかと同じ?  

著者: 内野光子

「桜を見る会」は、時がたつにつれて、実態が明らかになってきた。国費を使い<功労者>顕彰を標榜する催事の実態が明白になった以上、即刻廃止すべきだろう。 「見る会」の招待者名簿は、慌ててシュレッダーにかけたなど、子供じみた回

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「桜を見る会」と「勲章」も同じ構図では

著者: 内野光子

今年の文化功労者の中に、歌人の馬場あき子の名があったし、秋の叙勲では永田和宏が歌人として瑞宝中綬章を受章していた。<注1>上に「文化」が付こうと「芸術」が付こうが国が取り仕切る栄典制度の一環である。拙著でも何度か触れてい

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「大丈夫」って?何が?「嵐」が歌った即位を祝う歌

著者: 内野光子

 11月11日は、新聞の休刊日なので、朝のテレビを見ていると、昨日祝賀パレードが、「良かった」「感動した」「素晴らしかった」「すごかった」「おきれいだった」など、キャスターもゲストも晴れやかに語るのだが、何がどうよかった

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政治利用されない「天皇制」って、ありですか?~パレード延期と恩赦に思う

著者: 内野光子

「祝賀御列の儀」というパレード 天皇即位に伴う祝賀パレードが10月22日から11月10日に延期された。また、即位に伴う恩赦の政令が出されることになった。ともに、10月18日の閣議で決定されたのだが、パレード延期の件は、す

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<「暗愚小傳」は「自省」となり得るのか―中村稔『高村光太郎の戦後』を手掛かりとして> を書きました

著者: 内野光子

当記事でもお知らせしましたように、表記の拙稿収録の雑誌『季論21』46号(本の泉社)が発売となりました。「目次」の一部と拙稿の章立てを紹介いたします。 『季論21』46号(2019年10月)目次 ************

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日曜美術館「異色の戦争画~知られざる従軍画家・小早川秋聲~」(NHKEテレ2019年9月1日)を見て

著者: 内野光子

 やや旧聞に属するのだが、ある地元の会で、表記の番組がよかったよ、と話に聞いて、録画で見ることになった。放送の概要は、下の番組案内を参照してほしいのだが、いま残されている小早川秋聲の「国の盾」という作品はインパクトのある

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『象徴のうた』(永田和宏著)の書評を書きました

著者: 内野光子

『象徴のうた』(永田和宏著)の書評を書きました  先月号の『現代短歌新聞』に掲載されたものです。『象徴のうた』は、昨年1月から今年3月まで、週一で63回にわたって『東京新聞』に連載された記事をまとめたものです。平成の天皇

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あらためて、高村光太郎を読んでみた(9)芸術院会員辞退のこと

著者: 内野光子

光太郎の詩集の解説や評伝のようなものでは、彼の「反骨精神」の証として、あるいは、戦時下の活動やたくさんの戦争詩を書いたことへの「自省」の現れとして、芸術院会員への推薦を辞退したこと、しかも二度も辞退していたことを高く評価

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あらためて、髙村光太郎を読んでみた(8)晩年の「新しい天の火」

著者: 内野光子

光太郎は、1956年4月2日、74歳の生涯を終えるが、その最晩年における、あるテーマの詩作品をさかのぼってみた。みごとに、雑誌の新年号、新聞の元旦号を飾る詩人であったことがわかる。これは、戦争詩を書いていた頃と変わりはな

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