内野光子の執筆一覧

いったい、文化勲章って、だれが決めているのだろう~その見えにくい選考過程は、どこかと同じ?  

著者: 内野光子

「桜を見る会」は、時がたつにつれて、実態が明らかになってきた。国費を使い<功労者>顕彰を標榜する催事の実態が明白になった以上、即刻廃止すべきだろう。 「見る会」の招待者名簿は、慌ててシュレッダーにかけたなど、子供じみた回

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「桜を見る会」と「勲章」も同じ構図では

著者: 内野光子

今年の文化功労者の中に、歌人の馬場あき子の名があったし、秋の叙勲では永田和宏が歌人として瑞宝中綬章を受章していた。<注1>上に「文化」が付こうと「芸術」が付こうが国が取り仕切る栄典制度の一環である。拙著でも何度か触れてい

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「大丈夫」って?何が?「嵐」が歌った即位を祝う歌

著者: 内野光子

 11月11日は、新聞の休刊日なので、朝のテレビを見ていると、昨日祝賀パレードが、「良かった」「感動した」「素晴らしかった」「すごかった」「おきれいだった」など、キャスターもゲストも晴れやかに語るのだが、何がどうよかった

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政治利用されない「天皇制」って、ありですか?~パレード延期と恩赦に思う

著者: 内野光子

「祝賀御列の儀」というパレード 天皇即位に伴う祝賀パレードが10月22日から11月10日に延期された。また、即位に伴う恩赦の政令が出されることになった。ともに、10月18日の閣議で決定されたのだが、パレード延期の件は、す

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<「暗愚小傳」は「自省」となり得るのか―中村稔『高村光太郎の戦後』を手掛かりとして> を書きました

著者: 内野光子

当記事でもお知らせしましたように、表記の拙稿収録の雑誌『季論21』46号(本の泉社)が発売となりました。「目次」の一部と拙稿の章立てを紹介いたします。 『季論21』46号(2019年10月)目次 ************

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日曜美術館「異色の戦争画~知られざる従軍画家・小早川秋聲~」(NHKEテレ2019年9月1日)を見て

著者: 内野光子

 やや旧聞に属するのだが、ある地元の会で、表記の番組がよかったよ、と話に聞いて、録画で見ることになった。放送の概要は、下の番組案内を参照してほしいのだが、いま残されている小早川秋聲の「国の盾」という作品はインパクトのある

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『象徴のうた』(永田和宏著)の書評を書きました

著者: 内野光子

『象徴のうた』(永田和宏著)の書評を書きました  先月号の『現代短歌新聞』に掲載されたものです。『象徴のうた』は、昨年1月から今年3月まで、週一で63回にわたって『東京新聞』に連載された記事をまとめたものです。平成の天皇

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あらためて、高村光太郎を読んでみた(9)芸術院会員辞退のこと

著者: 内野光子

光太郎の詩集の解説や評伝のようなものでは、彼の「反骨精神」の証として、あるいは、戦時下の活動やたくさんの戦争詩を書いたことへの「自省」の現れとして、芸術院会員への推薦を辞退したこと、しかも二度も辞退していたことを高く評価

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あらためて、髙村光太郎を読んでみた(8)晩年の「新しい天の火」

著者: 内野光子

光太郎は、1956年4月2日、74歳の生涯を終えるが、その最晩年における、あるテーマの詩作品をさかのぼってみた。みごとに、雑誌の新年号、新聞の元旦号を飾る詩人であったことがわかる。これは、戦争詩を書いていた頃と変わりはな

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あらためて、髙村光太郎を読んでみた(7)敗戦後、天皇をどうよんだか

著者: 内野光子

光太郎は、前述のように1950年に『典型』という詩集を出版し、敗戦後の詩作品をまとめた。そこには、「暗愚小伝」という題でまとめられた20篇からなる詩があり、これは、雑誌『展望』の1947年7月号に一挙に掲載されたものであ

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あらためて、高村光太郎を読んでみた(6)戦争詩において天皇はどうよまれたか

著者: 内野光子

「戦後、髙村をほんとうに苦しめたのは、天皇(制)の問題と、自分の詩をよんで人は死んでいったという問題だけであった」 (「髙村光太郎論」『吉本隆明全著作集8』勁草書房 1973年 171頁)とは吉本隆明のいうところであるが

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あらためて、髙村光太郎を読んでみた(5)民族の「倫理」と「美」と

著者: 内野光子

光太郎は、地政学をはじめ、天文学などに自然の必然があるかのような、そして数学・物理という論理と「倫理」「美」という言葉を頻用する。しかし、頻繁に登場するそれらのことばは、よくよく考えてみると無内容であるにもかかわらず、繰

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あらためて、髙村光太郎を読んでみた(4)光太郎の世界地図帳

著者: 内野光子

若いころ、国際関係論を専攻した同僚が「地政学」という言葉をよく口にしていた。なんとも古めかしく、怪しげな・・・などと思っていた。ナチスの国土拡張、侵略の理論的な支柱になっていたことなどのうろ覚えでもあったのだろう。しかし

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あらためて、髙村光太郎を読んでみた(2)「食」へのこだわり

著者: 内野光子

中村稔の新著『髙村光太郎の戦後』には、敗戦後の花巻市郊外での七年間にわたる山小屋蟄居生活が日記や書簡によって詳しく紹介されていた。今回の、髙村光太郎について読み始めた目的は、おびただしい数の戦争詩と敗戦後「暗愚小傳」とし

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あらためて、髙村光太郎を読んでみた(1)教科書の中の光太郎

著者: 内野光子

機会があって、髙村光太郎の詩作品を通して読むことになった。とくに戦時下と敗戦直後の作品を「歌集」や『髙村光太郎全詩集』(北村太一編 新潮社 1966年)とをあわせて読んでみた。「道程」や「レモン哀歌」のイメージが大きく崩

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はじめてのオランダとハンブルグへの旅は始まった(17)ハンブルグ歴史博物館を最後に、旅も終わる

著者: 内野光子

午後にハンブルグを発って、ドゴール空港乗り換えで、帰国する日がとうとうやって来た。午前中に、きのう休館で見学しそこなった歴史博物館は見ておこう、と今日ばかりは、少し遠回りだが、市庁舎広場を通り越して、jungfernst

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はじめてのオランダとハンブルグへの旅は始まった(16)

著者: 内野光子

7月2日(火)風が強く、外へ出ると、寒い。まずは歩きで歴史博物館へと思う。まるで冬支度のコートとマフラーの出勤途上の女性もいれば、半そでの男性もいる。何度も往復したルーディング・エアハルト通りのビジネス街をミヒャエリス教

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オランダとハンブルグへの旅は始まった(15)ハンブルグの交通路線図にようやく慣れて

著者: 内野光子

7月1日、やや涼しい朝となった。この日も朝食前の散策にと7時前にホテルを出る。夫にとっては、家にいる時はまるっきり違う生活のサイクルではある。空襲の当時のまま残されているという、茶色い黒焦げた尖塔、ニコライ教会跡に向かう

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はじめてのオランダとハンブルグへの旅は始まった(14)ハンブルグ、フィッシュマルクト、市庁舎見学

著者: 内野光子

日曜日、この日も暑そうだったが、7時前、フィッシュマルクトに出かけることにした。ホテル最寄りの地下鉄駅からは一つ先のバウムヴァルで、その先は工事中で、一駅歩くことになる。人の流れについて歩いてゆくが結構な距離、川沿いのコ

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はじめてのオランダとハンブルグへの旅は始まった(13)ハンブルグへ、旅のつまづき

著者: 内野光子

旅も後半、アムステルダムからハンブルグへ飛ぶので、その日の朝、娘にメールをすると、大阪のG20の報道が、やかましい、ホテルがどうの、夕食のメニューがどうのと、中身のないことばかり・・・、との返信。私たちもホテルで現地のテ

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はじめてのオランダとハンブルグへの旅は始まった(12)ユダヤ歴史博物館へ

著者: 内野光子

ハーレムからアムステルダムに戻り、ユダヤ歴史博物館に向かうことにしていて、中央駅前の14番のトラムに乗る。地図を見れば先日、ガイドさんと回った市役所、ワーテルロー広場とそんなに離れてはいない。博物館の周辺は、かつてのユダ

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8月20日の朝刊一面は「昭和天皇の“反省”“肉声”報道」が氾濫した~「NHKスペシャル・昭和天皇は何を語ったのか」の拡散、これでいいのか  

著者: 内野光子

 一昨日8月18日の当ブログ記事では、NHKへのもろもろの不満の中で、8月17日放送のNHKスペシャル「昭和天皇は何を語ったのか~初公開・秘録『拝謁記』」について書いた。この数日、NHKニュースは、「NHKスペシャル」な

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NHKの良心的な番組って、何ですか~”NHKが独自に入手した資料が明かす・・・”ドキュメンタリーの虚実

著者: 内野光子

ほんとうに、近頃は、NHKと民放のテレビ番組の区別がつきにくい。チャンネルを回して、数秒間見ている限りでは、民放のコマーシャルも入らないのでわからない。なんかどこかで見たことがある芸人たちが並んで、まん中にまたどこかで見

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はじめてのオランダとハンブルグへのへ旅は始まった(11)ハーレムへ

著者: 内野光子

アムステルダム中央駅9時17分発、ハーグ行きでハーレムへ、途中のライデンでは、学生たちの乗降が多い。20分弱でハーレム着、ホームや駅前も何となく閑散としていた。 ホームの階上には、木造の待合室か。 地味なたたずまいのハー

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