*だれでも、いつからでも聴講できる思想史講座です。 *「明治維新150年」がいわれています。「明治維新」と「日本近代」との当たり前のこの結びつきを読み直してみようと思います。この読み直しを私に促したのは津田左右吉の明治維
本文を読む子安宣邦の執筆一覧
「明治維新」と日本近代を見る視点
著者: 子安宣邦またまた巧みなコピーに騙されて、いやむしろそれを承知の上で雑誌を買ってしまった。「誤解だらけの明治維新」を謳った『中央公論』4月号である。ほとんど対談によって構成されているこの特集は矢張り騙りに近いものであった。だがわず
本文を読む「春三月縊り残され花に舞う」
著者: 子安宣邦暦が三月になるとともに、いや三月になる一、二週間も前から大杉栄の句「春三月縊り残され花に舞う」がしきりに口の端に上ってきた。やがて春だという今年の私の意識はなぜか大杉のあの句とともにある。 明治四三年(一九一〇)夏、大杉
本文を読む津田・国民思想論・12 「王政」と「公議」-「明治維新」の正統性をめぐって・その1
著者: 子安宣邦「そうしてそれは、オオクボが君権の強大を標榜し、イワクラが確然不動な国体の厳守を主張しているにかかわらず、その実、彼等が維新以来ほしいままに占有してきた政権の保持を画策するに外ならなかったことを示すものである。彼等の思想
本文を読む断想・春を前にして
著者: 子安宣邦このところネット上にやたらに文字の打ち間違い、転換間違いを含んだ文章を私は流したりしている。だがそれは私の粗忽さだけに由来するのではない。私の眼の衰えがもう隠しようのない程であることを物語るものであるのだ。白内障の手術な
本文を読む「思想史講座」のお知らせー2月のご案内
著者: 子安宣邦*だれでも、いつからでも聴講できる思想史講座です。 *津田「国民思想の研究」を読む講座は、「国民」という津田の主題自体を問う最後の段階に来ています。ナショナリズムという近代日本の最大の思想主題の津田における運命を見定めた
本文を読む津田・国民思想論・11 明治維新は近代日本の正しい始まりなのか ―津田は明治維新をどう見たか
著者: 子安宣邦「幕府を倒した薩人もチョウシュウ人も、また彼等の先駆となり彼等と共に活動した志士輩浪人輩も、決して国家の功臣ではなかった。彼等は、しばしば述べた如く、日本の国家の進運を阻害し国民の生活を甚だしく傷つけたものだからであるの
本文を読む「思想史講座」のお知らせー新春1月のご案内
著者: 子安宣邦*だれでも、いつからでも聴講できる思想史講座です。 *津田「国民思想の研究」を読む講座は、「国民」という津田の主題自体を問う最後の段階に来ています。ナショナリズムという近代日本の最大の思想主題の津田における運命を見定めた
本文を読む書踏譜「緋哭ーひのさけび」を観る
著者: 子安宣邦書踏譜「緋哭〜ひのさけび(舞踏 吉本大輔・墨刻 原賢翏・ブルースハープ関口大)」を12月10日の夕刻、私の住む登戸から歩いても行ける東生田町の会館で観た。私の旧友吉本大輔さんにフェイスブックで次のような感想を書き送った。
本文を読む「思想史講座」のお知らせー12月のご案内
著者: 子安宣邦*だれでも、いつからでも聴講できる思想史講座です。 *津田「国民思想の研究」を読む講座は、「国民」という津田の主題自体を問う最後の段階に来ています。ナショナリズムという近代日本の最大の思想主題の津田における運命を見定めた
本文を読む津田・国民思想論・10 近世儒家の全否定とは何を意味するのか ーナショナリストー欺かれる国家の夢の担い手
著者: 子安宣邦「実際、種々の学派、さまざまの系統に属する多数の儒者が、筆を枯らし、口を極めて横説竪説している政治論・道徳論の幾千万言は、今日から見れば殆ど皆な空中の楼閣である。」 津田左右吉「平民文学の隆盛時代」 「政治のおしえ道徳
本文を読む「思想史講座」のお知らせー11月のご案内
著者: 子安宣邦*だれでも、いつからでも聴講できる思想史講座です。 *津田「国民思想の研究」を読む講座は、幕末から明治維新というもっとも重要な時期にさしかかっています。ただ「平民文学の時代」の下巻を津田は書くことをしませんでした。『我が
本文を読む台風一過の朝の断章
著者: 子安宣邦選挙の日でもあり、接近する台風の日でもあった22日の夕刻、迫る台風に負けないように慌ただしく大阪から帰ってきた。すでに始まっていた開票速報を耳にしながら、聞き続ける気も起こらず、すぐに寝てしまった。明け方4時過ぎに自民圧
本文を読む「思想史講座」のお知らせー10月のご案内
著者: 子安宣邦*だれでも、いつからでも聴講できる思想史講座です。 *津田の国民思想史というべき『我が国民思想の研究』の問題とは、近代日本の国民国家の成立を日本の歴史を辿りながらどう考えるかという問題に帰着するように思われます。その意味
本文を読む「思想史講座」のお知らせー9月再開のご案内
著者: 子安宣邦*この2ヶ月余りお休みしてきた思想史講座を9月から再開いたします。 *だれでも、いつからでも聴講できる思想史講座です。 *津田の「国民思想の研究」の問題とは、近代日本の国民国家の成立を日本の歴史を辿りながらどう考えるかと
本文を読む「偲ぶ会」で話すに及ばなかった私の話 子安美知子-その生と記憶
著者: 子安宣邦[これは「子安美知子を偲ぶ会」のために私の用意した言葉である。30日の「偲ぶ会」は子安美知子の初志を甦らせ、それを記憶に留める会にしたいという私の思いを、十分に実現する形で進められていった。三瓶・多和田。堀内・鈴木さんの
本文を読む「子安美知子を偲ぶ会」について
著者: 子安宣邦子安美知子はわれわれに何を残して逝ったのか。彼女がわれわれに刻していった記憶をあらためて確かめるような会をしたいと思い、岡村三郎教授の篤い助力をえて、次のような「子安美知子を偲ぶ会」を開くこととなった。最初に話して頂く四
本文を読む津田・国民思想論・8 「近世」の新しさを人は読むことができるか ―津田『平民文学の時代』を読む・1
著者: 子安宣邦1 平民の時代・平和の勝利 「封建の藩籬、階級の桎梏、政令の圧迫があるに拘わらず、国民は到る処に其の間隙を求め其の弱点を発見して、それに向って力を伸ばそうと試みたのである。戦闘の遺風に対する平和の勝利である。政治的権勢に
本文を読む命を知らざれば、君子たることなし
著者: 子安宣邦「子の曰く、命を知らざれば、もって君子たることなし。礼を知らざれば、もって立つことなし。言を知らざれば、もって人を知ることなし。」 これは『論語』堯曰篇の最後の章の言葉である。すなわち『論語』の最終章である。これを私は次
本文を読む「思想史講座」のお知らせー6月のご案内
著者: 子安宣邦*だれでも。いつからでも聴講できる思想史講座です。 *津田の「国民思想の研究」の問題とは、近代日本の国民国家の成立を日本の歴史を辿りながらどう考えるかという問題に帰着するように思われてきました。いまや近世社会の成立の時期
本文を読む「思想史講座」のお知らせー5月のご案内
著者: 子安宣邦*だれでも。いつからでも聴講できる思想史講座です。 *津田の「国民思想の研究」の問題とは、近代日本の国民国家の成立を日本の歴史を辿りながらどう考えるかという問題に帰着するように思われてきました。いまや戦国から近世社会の成
本文を読む津田・国民思想論・6 武士の時代と「応仁の乱」
著者: 子安宣邦「しかしこれは武士の地位が高まり、其の力が加わるに伴って生ずる自然の現象であるのみならず、文化が貴族に占有せられていた昔のような有様を一変させて、国民文化の形成に進んでゆく大切な階段である。」 津田左右吉「武士文学の中期
本文を読む濱田恂子さんのために
著者: 子安宣邦今日、濱田さんの訃報を受け取った。その葉書には、「昨年より、日吉の自宅を引き払い、武蔵小杉の老人ホームに身をよせておりましたが、三月十八日に儚くなりました」とあった。私は慌てて手帳をひろげ、三月十八日にいったい私は何をし
本文を読む「思想史講座」のお知らせー3月と4月のご案内
著者: 子安宣邦*だれでも。いつからでも聴講できる思想史講座です。 *3月の思想史講座・論語塾はお休みです。その代わりに思想史的遠足をいたします。 *3月の遠足:岡倉天心美術館・五浦六角堂を訪ねる 日時:3月11日(土) 12時から1
本文を読む津田・国民思想論・5 津田の『源氏物語』評価と「国民」概念
著者: 子安宣邦「恋は光景によって更に数層の深さを増す。恋そのものについては興味の乏しい平安朝人の恋愛に特殊の趣のあるのはこれがためである。只それ画裡の景である。詩中の趣である。われを画裡の男と見、われを詩中の女と見るところに興趣がある
本文を読む「思想史講座」のお知らせー2月のご案内
著者: 子安宣邦*だれでも。いつからでも聴講できる思想史講座です。 *思想史講座語塾―「未完のナショナリズムー津田左右吉『我が国民思想の研究』を読む *「未完のナショナリズム」というタイトルで始めました。この講座では津田左右吉の『文
本文を読む津田・国民思想論・4 『万葉集』は「国民歌集」か
著者: 子安宣邦■津田・国民思想論・4 『万葉集』は「国民歌集」か 「万葉の歌の題材は大体に於いて、恋を主としたものであって、花鳥風月を詠じたものがそれに付属している。要するに、私人生活の表現たるに止まって、公共的感情を歌ったものでは
本文を読む「思想史講座」のお知らせー新春1月のご案内
著者: 子安宣邦「思想史講座」のお知らせー新春1月のご案内 *明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。 *だれでも。いつからでも聴講できる思想史講座です。 *思想史講座語塾―「未完のナショナリズ
本文を読む「天命」を知ることー論語・季氏第八章「畏天命」について
著者: 子安宣邦君子は「天命を畏れる」といい、また君子とは「命を知る」ものだという孔子の言葉は、『論語』が私たちに伝えるもっとも大事な思想的メッセージである。孔子が究極的な超越者「天」をもっていることを私たちは『論語』のいくつもの場面で
本文を読む■津田・国民思想論・3 『古事記』は読み継がれ、語り継がれているか
著者: 子安宣邦1 「古事記ー一三〇〇年目の真実」 雑誌『現代思想』2011年5月の臨時増刊号に「古事記ー一三〇〇年目の真実」というタイトルをもった特集号がある。欧米発の「現代思想」を先駆的に紹介することを任としてきたこの雑誌は、思い出
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