岩田昌征の執筆一覧

元アメリカ大使が語ったユーゴに対する干渉工作

著者: 岩田昌征

超大国の大使とは気分の良いものだ。本人にそこそこの器量があれば、小国や小民族の進む方向を、つまり政体や国体を決定できる。少なくとも、決定に影響できる。以下に述べる事は、知る人ぞ知るの既知の事実であり、ちきゅう座で書きもし

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スミス『国富論』の「見えざる手」と『道徳感情論』の「見えざる手」

著者: 岩田昌征

 第248回現代史研究会(2010年11月27日)の野沢敏治氏の講義はアダム・スミスを縦横に論じて刺激的であった。  ここでは野沢氏が『国富論』第4編第2章の「見えざる手」パラグラフを全文紹介してくれていたことを活用して

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真の「共生的社会」はいかにして可能か?―多民族国家における少数民族の存立を問う

著者: 岩田昌征

ベオグラードの週刊誌ニン(2010年11月11日)にBiHのクロアチア人の苦境に同情的な記事が出た。BiHHDZ(BiHクロアチア民主共同体)議長ドラガン・チョヴィチ教授とのインタビューである。要約紹介しよう。 BiHの

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社会有から再私有化へのrestitutionはうまくいくだろうか?―旧ユーゴスラヴィアの現状

著者: 岩田昌征

ベオグラードの週刊誌ニン(11月4日)の5ページにわたる特集記事「ヨーロッパの命令による正義」、日刊紙ポリティカ(11月11日)の記事「憲法裁判所が再私有化モデルを決める」と小論文「脱国有化は財政問題ではない」に共通する

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「裏工作」は「謀略」にあらず??―W.モンゴメリー(元アメリカ大使)の談話

著者: 岩田昌征

ベオグラードの週刊誌ペチャト(11月5日)に前駐ベオグラード(2000-2004年)アメリカ大使ウィリアム・モンゴメリーとのインタビューが6ページにわたって載っていた。見出しは、「如何にアメリカはセルビア『民主主義』のた

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ベオグラードの「誇りのパレード」デモ始末記ーヒラリー・クリントンの訪問との関係は?

著者: 岩田昌征

10月10日にセルビアの首都ベオグラードに生起したいわゆる「フリガン」と警官隊5000人の流血的大衝突については、既に報告した(10月19日付「時代をみる」の中の『歴史の逆説―ユーゴスラヴィアの教訓』を参照)。そこでは、

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コソヴォで大量のがん患者発生―NATOの劣化ウラン弾爆撃の後遺症

著者: 岩田昌征

ベオグラードの週刊誌ペチャト(10月15日)にベオグラード大学医学部教授産婦人科医ドゥシャン・スタノイェヴィチとのインタビューがのっている。テーマは、コソヴォにおけるNATOの劣化ウラン弾大量使用に起因する癌多発問題であ

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民族主義者の台頭の意味するものは何か?ヨーロッパ社会の真実とは? 

著者: 岩田昌征

今年の8月12‐13日に、新(真)民族派団体、一水会がヨーロッパ諸国(ポルトガル、スペイン、フランス、オーストリー、ハンガリーなど)の民族主義団体の有力メンバーを招いて東京で国際会議を開いた。大和左彦を自称する私も縁あっ

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ソ連・東欧の資本主義市場経済化=移行後20年間の総括を考える

著者: 岩田昌征

10月は例年学会の大会シーズンで、私もいくつかの大会に参加した。私が出席した諸学会に共通するテーマは、旧ソ連・東欧の資本主義市場経済化=移行の20年間の総括であった。私は、ここで論ぜられるべきでありながら、全く触れられな

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ドイツの反米=民族主義的哲学者(ベルンド・ラベル)へのインタビューから

著者: 岩田昌征

ペチャトというセルビアの週刊誌(9月24日と10月1日)にドイツの1968年世代の哲学者ベルンド・ラベルとのインタビューが連載されていた。 彼は1938年にベルリン近郊の小都市に生まれ、1953年6月におこった東ドイツの

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現代史研究会(9/11)での山本耕一氏の「スラヴォイ・ジジェク論」に関連して

著者: 岩田昌征

9月11日(土)の現代史研究会で山本耕一氏によるジジェク論を聴講した。特にパララックス・ヴューに関する論点が参考になった。 「パララックスな見方は、そもそも総合や媒介が不可能な二つのポイントの間を移動して、絶えず視点を変

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ちきゅう座会員の新著紹介:岩田昌征著『二〇世紀崩壊とユーゴスラヴィア戦争』(御茶ノ水書房刊)

著者: 合澤 清

ちきゅう座会員で、顧問でもあります岩田昌征先生(千葉大学名誉教授)がこの度新著を上梓されました。岩田先生といえば、日本のバルカン問題の研究者として第一級の方であり、この書の「あとがき」にもありますように、1991年のクロ

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