石塚正英の執筆一覧

哀愁の漂う小話一つ二つ――「流れ勧進」と「冬の三十日荒れ」に涙して(上)

著者: 石塚正英

研究の一環として私が石仏調査のフィールド・ワークを始めたのは、ちょうど昭和から平成にかわった頃であるが、この調査というのは民俗学の手法にならったものであって、農村をはじめ各地の日常生活者に聞き書きをする機会が多くある。ま

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デュピュイ・永倉千夏子訳『チェルノブイリ ある科学哲学者の怒り―現代の「悪」とカタストロフィー』明石書店、2012.03を読む(3)

著者: 石塚正英

1.問題の所在 2.システム的悪 以上(1) 3.システム的悪からの脱却 4.目に見えない悪 以上(2)以下(3) 5.カタストロフィー 6.テクノ・セントリズムの終焉 以下(4) 7.有限性の自覚 8.今後の課題 *注

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自然災害と信仰をフォイエルバッハはどう関連付けたか

著者: 石塚正英

先日、新刊『宮本常一と歩いた昭和の日本』第16「東北③」が農文協から送られてきました。その中から話題を拾って自然・生業・フォイエルバッハといったエッセーを綴ってみます。 目次をみると、福島県2題、岩手県3題、山形県1題が

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デュピュイ・永倉千夏子訳『チェルノブイリ ある科学哲学者の怒り―現代の「悪」とカタストロフィー』明石書店、2012.03を読む(2)

著者: 石塚正英

1.問題の所在 2.システム的悪 以上(1)以下(2) 3.システム的悪からの脱却 4.目に見えない悪 以下(3) 5.カタストロフィー 6.テクノ・セントリズムの終焉 以下(4) 7.有限性の自覚 8.今後の課題 *注

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デュピュイ・永倉千夏子訳『チェルノブイリ ある科学哲学者の怒り―現代の「悪」とカタストロフィー』明石書店、2012.03を読む(1)

著者: 石塚正英

1. 問題の所在 2. システム的悪 以下(2) 3. システム的悪からの脱却 4. 目に見えない悪 以下(3) 5. カタストロフィー 6. テクノ・セントリズムの終焉 以下(4) 7. 有限性の自覚 8. 今後の課題

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音と音楽――その面白くて不思議なもの(8)

著者: 野沢敏治・石塚正英

第8回 葬送曲について  >往<  野沢敏治さんへ  石塚正英から きょうは葬送曲について語りましょう。このジャンルですと、私は真っ先にベートーヴェン「英雄」第2楽章を思い浮かべます。高校時代にクラシック愛好会をやってい

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 音と音楽――その面白くて不思議なもの(7)

著者: 野沢敏治・石塚正英

 第7回 行進曲について   >往<  石塚正英さんへ  野沢敏治から  春の来る前に想い出すこと   新年に入って陽ざしは着実に明るくなっています。春になると聞こえてくる音、それは小学校の運動会のざわめきです。心が浮き

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<近代の超克>論を刺戟する交換論―清家竜介著『交換と主体化』(御茶の水書房、2011年刊)書評

著者: 石塚正英

1.問題の所在 社会において交換が成立するには、交換主体のほか、必ず媒体が必要である。それは、先史社会や野生社会ではフェティシュなど聖なる存在であり、有史社会や文明社会では貨幣である。貨幣が用いられず何の媒体も介在しない

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音と音楽――その面白くて、不思議なもの(6)

著者: 野沢敏治・石塚正英

第6回 耳から侵入する危険音への不安  >往< 野沢敏治さんへ、石塚正英から  かつて拷問に使用された音には、次のような事例があったと言われます。女性の叫び声、矢・ナイフ・斧を投げる音、鎖を切る音、途切れなく続く放電音、

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音と音楽――その面白くて不思議なもの(4) 

著者: 野沢敏治・石塚正英

映画音楽の楽しさ、その面白さ   >往<  石塚正英さんへ  野沢敏治から  映画音楽はそれを聴けば、見た映画の場面が眼の前に浮かびます。  ぼくは西部劇の音楽が好きです。ぼくだけでないでしょう。「ハイヌーン」、「リオ・

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音と音楽――その面白くて、不思議なもの(3)

著者: 野沢敏治(のざわとしはる)・石塚正英(いしづかまさひで)

 第3回 沈黙は金なり、いいえ音なり―続き―  >復から往へ< 野沢敏治さんへ 石塚正英から  野沢さんの「忘れている調べ」「小学唱歌」を読んでいて、思い出した調べがあります。「ハトポッポ」です。私の爺さんは明治20年代

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音と音楽――その面白くて、不思議なもの(2)

著者: 野沢敏治・石塚正英

第2回 沈黙は金なり、いいえ音なり  >往< 野沢敏治さんへ、石塚正英から  一般に音のしない状態を無音といいますが、人がいるのになにも声が聞こえない状態を沈黙といいます。ところで、イギリスのカーライルが記したとされる「

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ローカル・テクノロジー論―収奪技術から還流技術へ―

著者: 石塚正英

 世に言うローテクとは、旧式の技術のことをさす。そうであるなら、あらゆる技術は開発当初はハイテクであっても、遅かれ早かれローテクになりさがる。ハイテクとローテクについて、そのような定義をしたのでは、2つの言葉に固有性が生

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いいだ・もも『「日本」の原型――鬼界ケ嶋から外ヶ濱まで――』紹介

著者: 石塚正英

かつて1980年代末から90年代中ごろまで、私はいいださんからときおり新刊のご著書をおくって戴いた。私の著作に言及してくださったものが中心だったが、その中には“枕”になるような大著もあった。19世紀社会思想の面ではけっこ

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