【野口の浪人時代】 チッソ創業者の野口は、帝大を卒業後、ひとつの帰属先に落ち着くことなく日本中の様々な事業の設立に関わったり、辞めたジーメンスの製品の委託販売をする「庭田商会」を作ったりとか、電気事業が自由競争下で急成長
本文を読む葛西伸夫の執筆一覧
水俣病が映す近現代史(5)電気事業の成長とその背景
著者: 葛西伸夫【急増する電気需要】 日本で、工場の動力に電動機(モーター)が使われはじめたのは1890年代だった。当初は紡績工場から導入が進んだ。1896年(明治29年)に稼働を開始した大阪紡績鹿島工場や鐘紡績三重工場では、最初からす
本文を読む水俣病が映す近現代史(4)「征韓論」の行方②
著者: 葛西伸夫【ロシアの東進】 ロシアは17世紀末ピョートル大帝の時代からシベリア方面への「東進」を進めてきたが、クリミア戦争(1853-56)敗戦後はそれに集中する。1860年、ロシアはアロー戦争仲介の見返りとして、清に黒竜江左岸と
本文を読む水俣病が映す近現代史(3)電気の登場
著者: 葛西伸夫江戸時代の日本は風力、水力、そして薪や炭のように植物が太陽エネルギーを固定した燃料など、完全なる循環型エネルギーを用いる社会だった。生産力が自然のメタボリズムと均衡していた。それを崩したのは、まさにそれを崩しに来た黒船の
本文を読む水俣病が映す近現代史(2)「征韓論」の行方①
著者: 葛西伸夫19世紀後半、鎖国中の李氏朝鮮も日本と同様に鎖国を保つか開国かで揺れていた。実権を握っていた大院君が鎖国派であるのに対し、実子である国王高宗(コ・ジョン)は開国・開化派で、朝鮮には近代化の先鞭をつけた日本の助けが必要だと
本文を読む水俣病が映す近現代史(1)【近代日本黎明期】
著者: 葛西伸夫19世紀前半、三度目の改革も成果むなしく、権力の衰えを露わしてきた江戸幕府末期の日本。それに沿うように様々な古典的思想が浸透し、倒幕運動の下地を固めていた。 1840年には英国が策略したアヘン戦争により清が領土の一部を奪
本文を読む