野上俊明の執筆一覧

中国のミャンマー内戦介入/毒喰わば皿まで

著者: 野上俊明

 かつて旧日本軍の侵略に対し、反封建的な国内の革命闘争と組み合わせた「人民戦争」戦略をもって闘い抜き、最終的に勝利したのは、毛沢東率いる中国共産党・人民解放軍であった。遊撃戦と機動戦を巧みに使い分け、農村から都市を包囲す

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Global Headlines:ウクライナの危機、ヨーロッパの危機

著者: 野上俊明

<はじめに>  トランプの再登場が決まった。しかも予測とはまったくちがって、民主党候補ハリスに圧倒的な差をつけての勝利であった。いったいアメリカはどうなっているのか、いやそれ以上に、これから世界はどうなるのか、いま怖れや

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Global Headlines:政治と経済に苦吟するドイツ

著者: 野上俊明

<はじめに>  第二次世界大戦の元凶であり、人類史上最悪の災厄をもたらした枢軸同盟の覇者であったドイツと日本。その後両者とも西側に属する自由民主主義国として生まれ変わり、戦後の奇跡の復興を演じ、屈指の工業生産力を誇る国に

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Global headlines:資本主義、ポピュリズム、民主主義

著者: 野上俊明

<はじめに>  北朝鮮の軍隊がウクライナの戦場に派兵された。これからの推移にもよるが、本格的な参戦の端緒とすれば、これは戦争の影響がユーラシア大陸全体に及びかねないことを意味する。また、これは一方では「北朝鮮のロシア化」

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ミャンマー国軍の要衝次々陥落 ―中国の経済権益にも大打撃

著者: 野上俊明

 ミャンマーの軍事政権は、来年に実施するとした総選挙のために有権者を確定すべく、この10月1日~15日を国勢調査の期間として、軍と警察に警護されながら調査員が各戸訪問を行なった。ヤンゴンやマンダレーのような大都市でもテロ

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Global Headlines:ドイツAfDの抬頭と政党禁止への動き

著者: 野上俊明

<はじめに>  予想されたこととはいえ、今秋のドイツの三つの州議会選挙での極右政党AfDの抬頭は衝撃的であった。いずれも旧東独地域であるが、チューリンゲン州では1位、ザクセン州とブランデンブルク州では2位という大躍進ぶり

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伊東良孝君の大臣就任について思うこと

著者: 野上俊明

 石破内閣が成立し、その内閣の一員として我が同窓生伊東良孝君が、地方創生大臣に就任しました。いまから10年ほど前、ミャンマーから帰国してほどなく、何十年かぶりで高校のクラス会に出席しました。それは、同じ同窓生の小畑道会議

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【10月26日(土)】第20回 ヘーゲル研究会のお知らせ

著者: 野上俊明

 ヘーゲル「法権利の哲学」・国家論の章については、市民社会論に比して左翼やリベラル派の関心は概して高くはない。自らの思想の歩みを顧るとき、その原因は我々の関心の持ちようが、「国家の死滅」や「商品経済の廃棄」の方に強く傾い

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中国、ミャンマー抵抗軍に戦闘停止せよと警告 ――そのくせ他国には内政干渉するなという、その身勝手さ傲慢さ

著者: 野上俊明

 複数の地元メディアの伝えるところでは、中国雲南省の国境にある瑞麗市安全保障委員会は、タアン民族解放軍TNLAに対し、ミャンマー国軍との戦闘をただちに止めよと警告を発したという。もし止めなければ、中国が懲罰的措置をとるこ

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Global Headlines:拡大する、東南アジアにおける中国のヘゲモニー

著者: 野上俊明

<はじめに>  アセアン諸国のうちでもラオス、カンボジア、ミャンマーはとくに中国の影響が強い国とみられている。これらの国々の大規模なインフラ整備(道路、鉄道、橋梁、港湾、工業団地など)は中国の「一帯一路」に組み込まれ、自

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Global Headlines: ジャワは天国、ビルマは地獄、生きて帰れぬニューギニア

著者: 野上俊明

<はじめに>  上の表題は、アジア太平洋戦争での激戦地を自嘲気味に形容した一種の戯歌(ざれうた)である。ビルマの地獄は、旧日本軍指導部が侵略戦争で無謀な作戦を遂行したために招来したものである。ところがこの間まで「アジア最

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ミャンマー、雨季攻勢で各地の戦線いっせいに躍動

著者: 野上俊明

 雨季に入って、ミャンマーの反政府抵抗勢力はふたたび戦闘を活発化、支配地域を拡大し続けている。雨季は悪天候が続くため、もっぱら空爆に頼る政府軍には不利とされている。10月の雨季明けまでに反政府抵抗勢力は支配地域を最大限拡

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Global Headlines:状況に関与するフランス哲学者

著者: 野上俊明

<はじめに> フランス思想は明晰判明を旨とすると、デカルトの哲学講義で教えられた。とりわけ啓蒙思想は戦闘性と明晰判明さが特徴だとも言われた。そうだとすると、こちらの勉強不足を棚に上げて言うのもなんだが、現代の輸入フランス

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Global Headlines:現下のヨーロッパ危機について語る代表的ドイツ人

著者: 野上俊明

<はじめに>  EUヨーロッパは、近年の気候変動危機をベースに、ウクライナ戦争やガザ紛争、そしてドイツのAfDをはじめとする極右勢力の抬頭に苦しめられて、危機意識を募らせている。そういうなか、EUの盟主ドイツにおいて、か

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Global Headlines:グローバル・サウスの盟主インド総選挙の結果

著者: 野上俊明

<はじめに>  ミャンマーと西に国境を接する大国インドは、いまや人口世界一であり、経済力GDPもここ数年で日本やドイツも抜き去るという。ミャンマーと北東部で隣接する人民中国とは異なり、新興国としては珍しく、独立以来一貫し

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Global Headlines:権威主義国家における政治と宗教 ――ミャンマー内戦は武力解放とともに、タブーからの精神的解放をめざす

著者: 野上俊明

 ミャンマー反体制ポータルサイト「イラワジ」の主幹であるアウンゾー氏は、6/7号で「不浄な同盟:ミャンマーのメルセデス僧侶と緑の男たち」と題する論評を発表した※。かのスタンダールの「赤と黒」が軍服と僧衣を表していたように

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Global Headlines:ラテン・アメリカ革命の挫折

著者: 野上俊明

<はじめに>  我々68世代には、キューバ革命やチリ・アジェンデ政権はじめとするラテン・アメリカの反米反植民地闘争は、先進資本主義における資本に買収された労働運動、少数民族、女性や障碍者などの社会的少数者への抑圧に対する

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Global Headlines: ミャンマー内戦についての欧米の論調

著者: 野上俊明

<はじめに>  ミャンマーの民主派抵抗勢力を支持する人々にとって、大いに不満を感ずる論考であろう。DW(ドイツ公共放送「ドイツの波」)特派員やインターナショナル・クライシス・グループなど、以前から民主派に対して点が辛かっ

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