前回のあらまし――ヘーゲルは、市民社会における社会的富の生産と交換とその取得における仕方様式の相違に基づいて、市民社会内に三つの身分(Stände)―農業身分・商工身分・普遍的身分(政治家・官僚・軍人)―が形成されるとす
本文を読む野上俊明の執筆一覧
ミャンマー恒例の「タディンジュ(燈明)祭」―10/28,29,30―終わる
著者: 野上俊明10月の満月に合わせ、地上いたるところで燈明を照らし、天から降りてくる釈迦が道に迷わないようにするという。熱帯モンスーンによる雨季は、雨安居(うあんご)といって僧侶たちは外出せず、僧院でひたすら修行に打ち込む季節。しか
本文を読むGlobal Head Lines:ガザ紛争についての海外論調(5)――ドイツの左派系日刊紙Tageszeitung 10/27の特集記事から
著者: 野上俊明イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ空爆により、子どもが3千人以上死亡するなか、国連総会(193カ国)は27日、緊急特別会合を開き、「敵対行為の停止につながる人道的休戦」を求める決議案を採択した。開票の内訳は、賛成がフ
本文を読むGlobal Head Lines:ガザ紛争についての海外論調(4)――ドイツの左派系日刊紙Tageszeitung 10/20の特集記事から
著者: 野上俊明ウクライナ戦争においてもそうだったように、ガザ紛争においても左翼とリベラル内部で見解が分かれている。日本でそれほど目立たないのは、見解の相違が小さいからではなく、現実政治における党派的エネルギーと同様、論争するだけの知
本文を読むGlobal Head LINES:ガザ紛争についての海外論調(4)――ドイツの左派系週刊紙wochentaz 10/22の特集記事から
著者: 野上俊明たいていは数紙に過ぎないとはいえ、いつも欧米のクオリティ・ペーパーを見て感じるのは、日本に比べればまだ現場の直の声を伝えることに努めているということ。現場の声といっても、そこには何をどう伝えるかに関し取材者の意思が働い
本文を読むGlobal Head LINES:ガザ紛争についての海外論調(3)――ドイツの公共放送「DWドイツの波」10/19の特集記事から
著者: 野上俊明はじめに 右派ないし極右派に属するであろう二人の論客の論争が目に留まった。元大阪市長で弁護士の橋下徹氏と、アラブ・スクール出の元外交官で。現在キャノン系シンクタンク主幹を務める宮家邦彦氏との「内部」論争である(22日
本文を読むミャンマー軍事政権、貧すれば鈍する ―海外出稼ぎ者からも強制徴税
著者: 野上俊明6月、米財務省はミャンマーの、国営の貿易決済銀行2行(MFTBとMCIB)に対する制裁を発動し、国営企業が海外口座を通じて国際金融システムにアクセスし、そこから軍事政権への資金を引き出すことを抑えこみ、かつロシアからの
本文を読むGlobal Head LINES:ガザ紛争についての海外論調(2)――ドイツの公共放送「DWドイツの波」10/15の特集記事から
著者: 野上俊明イスラエル軍のガザ侵攻を目前に、中東地域はもちろん世界が緊張状態に入りつつある。侵攻が始まれば、ジェノサイドは避けがたく、かつ紛争の中東全体への波及も懸念される。そうしたなか、中東情勢にとかく疎い我々には、地域情勢の複
本文を読むGlobal Head LINES:ガザ紛争についての海外論調――ドイツの公共放送「DWドイツの波」10/13の特集記事から
著者: 野上俊明中東諸国は、石油や天然ガスなどのエネルギーの供給源として、日本のいわば生殺与奪の権を握っているのであるが、しかしヨーロッパと違って、日本人は中東情勢にはとかく疎い。現在のガザ紛争における錯綜した利害関係諸国の相互関係を
本文を読むGlobal Head Lines:ドイツの日刊紙Tageszeitung10/13の中東危機への論評から
著者: 野上俊明<はじめに> リベラル派に属するTageszeitung(日刊紙という意味)であるが、10月13日の紙面のトップを飾っているのは、オンライン版のニュース担当責任者であるアリアーヌ・レンメ氏の筆になる「イスラエルへの攻撃
本文を読むドイツ紙Tageszeitungが、アイヌ人歌手を紹介!
著者: 野上俊明<まえおき> 日本のマスメディアでもなかなか取り上げられることのない、アイヌ文化。ドイツのメディアが、安東ウメ子というアイヌ歌謡の優れた歌い手を丁寧に紹介していることに驚いた。民族としての誇りを維持するために不可欠なの
本文を読むGlobal Head Lines:ウクライナ戦争についての海外論調から――左翼・リベラル内の亀裂を憂いて
著者: 野上俊明以下の文章は、9/24付ドイツの左翼系日刊紙Tageszeitungの週刊版wochentaz 掲載のインタビュー記事から採ったものである(ただし抄訳で、かつ機械翻訳をチェック、一部修正の上使用)。題して「NATOの東
本文を読むミャンマー、よき衝撃の「朝日新聞」報道
著者: 野上俊明近年、リベラル派には評判のあまりよろしくない朝日新聞である。ミャンマー関連の記事にしても、通り一遍の事実報道が主で、これはというような調査報道や思想的な掘り下げはほとんどお目にかからない。筆者がヤンゴンに住まっていると
本文を読むミャンマー、軍事政権の手詰まりと奇策の数々
著者: 野上俊明最近のミャンマー情勢の一番のトピックスは、軍事政権=ミャンマー軍評議会(SAC)が7月31日、ネピードーで国家防衛安全保障理事会を開催し、非常事態の6か月延長を宣言したことであろう。憲法規定上、非常事態終結宣言から半年
本文を読む「第6回ヘーゲル研究会」追加報告摘要 ―中国的市民社会の形成―ヘーゲル的=西欧的/日本的問題圏との重なり―
著者: 野上俊明<なにゆえ市民社会なのか> ●第一次ロシア革命(1905~1907)とウェーバー M・ウェーバーは、「血の日曜日事件」を発端とする帝政ロシアの革命的動乱を追跡しつつ、市民的自由主義の担い手となる勢力を事態の展開のなかに
本文を読む【7月22日(土)】第六回 ヘーゲル研究会のお知らせ
著者: 野上俊明これまで二回の「市民社会」論の講読から見えてきたことを、自己流ながら簡単にまとめます。 普遍性と特殊性の論理的概念を使って、ヘーゲルは市民社会を成立させている個の契機と共同性の契機の相互関係を明らかにします。個の契機
本文を読むロシア帝国主義に抗してーなにゆえに左派はウクライナを支持しなければならないのか
著者: 野上俊明ドイツの有力な雑誌「ドイツ政治・国際政治雑誌」Blätter für deutsche und internationale Politikの5月号に掲載された論文の翻訳である(一部略)。著者のセドリック・ヴェアムート氏
本文を読むウクライナのカホフカダム――プーチンのチェルノブイリの瞬間 ウクライナのダム災害は、新しい次元の戦争を予感させる。大規模な破壊工作は、ロシア撤退の前触れであろう。
著者: 野上俊明6/6付リベラル系独紙「ターゲスツァイトゥング」の記事である。実証性に欠けた断定記事だとみなすこともできるが、撤退を見越したロシア自身のテロ行為という観点は、斬新なのであえて紹介する。思い出せば、ナチスのソ連邦からの撤退
本文を読むミャンマー、ディぺインの大虐殺から20年 ―残虐さは続くも、追いつめられる軍事政権
著者: 野上俊明2021年2月1日の軍部クーデタにより政権が奪取されて以来、本年3月のNLDの発表によれば、アウンサンスーチー氏―現在33年の禁固刑に服している―を筆頭に少なくとも1,235人の党員が拘束され、26人が尋問や拘留中に死亡
本文を読む【6月24日(土)】第5回 ヘーゲル研究会のお知らせ
著者: 野上俊明先月の第4回例会では、「法(権利)哲学」の「第2章 市民社会」§182~§185の講読を行ないました。「市民社会の創造は現代世界に属する」としたへーゲルですが、近代(現代)世界を国家―市民社会という構造を有するものとし
本文を読む名作をたずねて 三浦綾子の作品群を振り返って
著者: 野上俊明三浦綾子は、 1964年朝日新間の一千万円懸賞小説に当選した「氷点」に始まり、1999年に逝去するまで、じつに70冊有余の著作を世に送り出した多作の作家です。結核の療養生活と脊椎カリエスでギブスベッドに固定されての寝た
本文を読む【5月27日(土)】第四回ヘーゲル研究会のお知らせ
著者: 野上俊明滝口先生は、後期ヘーゲル哲学のモチーフを「近代とは何かの問いかけ」とされています。デカルトやスピノザ、ホッブスやロック、そしてカントやルソーらの思想的エッセンスを批判的に凝縮して自己の哲学体系に組み入れ、ポスト・モダン
本文を読むミャンマー、目立つ中国の戦略的外交攻勢 ―試練に立つ国際社会の対応
著者: 野上俊明まず、先日Youtubeで拾った地下放送のテレビ番組をご紹介する。反体制派メディア「Mizzima」が4/19に放映した、「クーデタからの利益:ミャンマーの少数民族反乱軍は、民主派戦闘員を歓迎する」と題する、タアン民族
本文を読むミャンマー、国軍の虐殺続く ――国連非難決議できず、またしても中国とロシアが障害に
著者: 野上俊明4月11日に行われた軍によるサガイン管区カントバル郡区のパジギー村への空爆の被害は、当初の推定をはるかに上まわり、国民統合政府NUGによると、死者は168名以上に上っているという。そのうちには40人の子供と24人の妊婦
本文を読むミャンマー、ティンジャン(新年の祭り)の大虐殺 ―軍にとって心強いロシアと中国の後ろ楯
著者: 野上俊明一年で最大のお祭りである、新年の水かけ祭りを13日にひかえているミャンマーで、11日、国軍・空軍は、女性や子供たちも混じる村人が多く集まっているところを無差別に空爆し、110名を超える死者が出たとのこと。国内外各紙の報
本文を読むヘーゲル「精神現象学」序論を読む(2)
著者: 野上俊明<対象化の論理>をめぐるヘーゲルとマルクス かつて60年代から70年代初めにかけて、ヘーゲルとマルクスの継承関係について、構造主義の流行を背景としつつ、疎外論か物象化論かをめぐり、特に主体概念をどう捉えるのかを中心に様
本文を読むヘーゲル「精神現象学」序論を読む(1)
著者: 野上俊明以下の文章は、自主サークル「ヘーゲル研究会」の三月例会で報告者(筆者)が提出したレジュメに若干手を入れたものである。テキストに中央公論社版「世界の名著」シリーズ「ヘーゲル・序論」を用いて、若きマルクスが「ヘーゲル哲学の
本文を読む【4月29日(土)】第3回 ヘーゲル研究会のお知らせ
著者: 野上俊明今回から、本研究会はヘーゲルの主著のひとつ「法の哲学」(1821年)のなかの「市民社会」を扱います。国家と有機的に関連しつつ独自の領域として「市民社会」を概念化したのは、ヘーゲルの功績だとされています。マルクス主義の正
本文を読む第2回 ヘーゲル研究会のお知らせ(再掲載)
著者: 野上俊明1.日時 3月25日(土)午後1時半~4時50分 1.場所 豊島区東部区民事務所 3F 第2集会室(定員30名) 1.テキスト 世界の名著「ヘーゲル」中央公論社 精神現象学―序論及び緒論―報告は野上と滝口先生です。 1.
本文を読む第2回 ヘーゲル研究会のお知らせ
著者: 野上俊明この冬の寒さは、わが68世代には長く厳しいものでしたが、3月入り、ようやく春の気配が感じられるようになりました。近くの公園にある河津桜も満開、春の息吹を感じ取ろうと。背筋を伸ばして深呼吸してみました。今回会場が取れなくて
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