野上俊明の執筆一覧

ミャンマー/外交と国内統治で、二つの政府つばぜり合い

著者: 野上俊明

 ミャンマーの現下の状況の特色は、国民統一政府NUGが単なる反政府組織ではなく、併行政府として様々な行政的措置をも講じていることである。こうした二重権力状況の持続は、だれもが想像しなかったことで、世界史上でも極めて珍しい

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ミャンマー/米国人ジャーナリスト、D・フェンスター氏の釈放をめぐって

著者: 野上俊明

 16日のロイター通信は、<日本使節が米国人記者の解放に協力したとの報道に、日本政府距離を置く>と題して、以下のように報道している。 ――オンラインマガジン『Frontier Myanmar』の編集主幹である米国人ジャー

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ミャンマー・苦境つづく軍事政権と民主派勢力の前進

著者: 野上俊明

 この11月で昨年の総選挙でのNLDの地滑り的勝利から丸一年になりました。民主派勢力は特段の発表はないものの、本年2月以降の闘いに次第に自信を深めつつあるようです。地方では厳しい弾圧と闘いながら、総選挙で勝利した議員を中

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ミャンマー軍事政権ー縮まる国内外の包囲網(2)

著者: 野上俊明

<アセアン会議をめぐって>  10月26,7日にアセアンASEANの首脳会議が開かれた。アセアンは経済的には比較的順調に成長を続ける新興の地域共同体であり、かつ近年は中国の覇権拡大と米中対立による地政学的緊張がたかまるな

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ミャンマー軍事政権ー縮まる国内外の包囲網

著者: 野上俊明

<国際社会の動き>  アセアンは今月末に開催される首脳会議に、クーデタ政権トップのミンアンライン総司令官を招かないことに決定した。軍事政権が4月に合意した事項をまったく履行しておらず、誠意のない態度に終始していることに対

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ミャンマー、市民戦争の激化ともうひとつの教育

著者: 野上俊明

 ドイツ公共放送「ドイツの波 DW」(10/1)は、ミャンマーの民主派勢力におけるアウンサスーチーの現位置について考察を行なっているが、私の考えるところとまったく一致しているので意を強くした。はじめにそのことに触れておこ

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ミャンマーの映画女優イェンドラ・チョウズィンのこと

著者: 野上俊明

 ミャンマーからのニュースは、このところ気が滅入るほど殺伐としたものが多いのだが、先週驚くような朗報が入ってきた。それは、ドイツで開かれていたオルデンブルク国際映画祭で、ミャンマー映画「狼に何が起こったか」の主演を演じた

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ミャンマー、本格的内戦の序章-その諸側面

著者: 野上俊明

 2・1軍部クーデタから7か月、反クーデタ闘争と民主化運動を束ねるNUG(国民統一政府)は、9/7に「人民防衛戦争」の開始を宣言し、全国民に一斉武装蜂起を呼びかけた。1988年の反独裁国民的決起以来、約30年間にわたって

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ミャンマー/反クーデタ運動17:「非暴力抵抗運動と武力闘争とのはざまで」再考

著者: 野上俊明

 先月の話になるが、郵便ポストにミャンマーの軍事クーデタへのSNS上での反対署名を呼びかけるチラシが入っていた。おそらく相当な枚数のチラシが、都内で各戸配布されているのであろう、なかなかの組織力と見た。運動の呼びかけ人は

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民族の虐殺者とのパイプ役を誇る「日本ミャンマー協会 渡邉祐介氏」の驚くべき論考 ―日本の支配者階級の底なしの劣化を示す鉄面皮な言説

著者: 野上俊明

 アジア・パシフィックにおける定評ある外交誌「The Diplomat」(5/26号)に掲載された「ミャンマー問題で、日本は率先垂範しなければならない」(On Myanmar, Japan Must Lead by Ex

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第7回(4月)社会批評研究会から/テーマ:「であることとすること」から(丸山真男「日本の思想」岩波新書所収)

著者: 野上俊明

<報告の記録>    ▼和語を使用したこういう表題のつけ方に、鶴見俊輔的なものを感じる。「思想の科学」の鶴見俊輔は、官僚・政治家の後藤新平の孫で父親は国会議員の鶴見祐輔だが、中学時代は不良でアメリカに行かせられ、わずか4

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ミャンマー/二重権力状況下の闘い―市民革命はつづく

著者: 野上俊明

<最新の動き>  4/24アセアンの緊急サミットがインドネシア・ジャカルタで開催され、ミンアウンライン将軍から確約とまでいえないものの、市民抗議者への暴力停止、人道援助、アセアン特使派遣、関係者間の対話促進などで一応の了

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ミャンマー/「影の政府」CRPH、少数民族組織との連携・同盟構築へ――内戦的様相のなか、連邦民主憲章に基づき暫定統一政府まもなく発足

著者: 野上俊明

 軍事政権は、9日に中部バゴー(ヤンゴンから約90キロ、ペグー王朝の旧王都)で80人以上の市民を殺害。擲弾筒など戦場の重火器を使用して残虐さの規模を拡大させている。「政治犯支援協会」によると、2月1日のクーデタ以降、4月

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3月27日 国軍記念日にも見境のない殺戮―歯止めなき人道に反する蛮行に国際社会の懲罰を

著者: 野上俊明

 昔たしかソ連軍のチェコ侵入の時だったであろう、「レーニンよ目を覚ませ、やつらは狂ったぞ!」という落首があった。ミャンマーもいまそれと同じ危機にある。「アウンサン将軍よ目を覚ませ、やつらは狂ったぞ!」―建国の英雄アウンサ

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なぜミャンマー国軍はかくも残虐非道なのか―その端緒的考察

著者: 野上俊明

 政治犯支援協会(AAPP)が16日午前に発表した声明によると、2月1日の軍事クーデタ以降、国軍や警察の武力行使で亡くなった市民は16日までに193人に達したという(イラワジ紙)。 こうなってわかるのは、軍事クーデタが国

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ミャンマー/力強い「影の議会CRPH」からのメッセージ ̏クーデタへ団結して立ち向かおう!“

著者: 野上俊明

 3/13土曜日の夜、すでに90名以上の犠牲が明らかになっていたとき、「影の議会」であるCRPH(連邦議会代表委員会)の副大統領としての資格で、NLD政治家マーンウィンカインタン氏が、初めてFBを通じて国民に熱いメッセー

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ミャンマー/国軍の残虐非道な弾圧―「人道に対する罪」を許さず、ただちに国際社会の介入を!

著者: 野上俊明

 ようやく国連安保理事会は、10日ミャンマー情勢に関し「抗議者への暴力を強く非難する」とする議長声明を出した。中国、ロシアの反対を見越して、法的拘束力のある「クーデタ非難決議」や制裁の発動にかかわる文言は声明に盛り込まれ

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ミャンマー 雄々しききみは斃(たお)れぬ、尊き自由と民主主義のために

著者: 野上俊明

 国連の発表では、3月4日現在、北はミッチーナから南はベイまでミャンマーの主立った都市で、街頭の反クーデタ行動に参加していた若者らが、すでに54名、国軍の忌まわしい凶弾に倒れた―死に瀕する重傷者も多いという。若者たちはみ

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ミャンマー情勢 弾圧に屈せず、自由の経験は国民に勇気をあたえた!

著者: 野上俊明

 国連は2/28日曜日に、ミャンマーでの軍事クーデタに対する全国的な抗議行動に対し、少なくとも18人を射殺し、30人以上を負傷させたと発表した。ヤンゴンでもはじめて犠牲者が出た。国軍系のテレビは、軍と警察に対し実弾射撃は

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ミャンマー情勢 血の弾圧迫る。全世界よ、注視し支援せよ!

著者: 野上俊明

 27日、全国各地で治安部隊が一段と攻勢に出て、デモや抗議集会の強制排除を進めた。このなかで北西部モンユワ市では、またしてもデモに参加していた女性が腹部に治安部隊の銃撃を受けて死亡した。いよいよ国軍は、88年の時と同様に

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2021.2.22 ̏ five two革命“のゼネストに突入!

著者: 野上俊明

 これほど情熱的な国民とは、と驚くほど全土の主要都市を埋め尽くす人、人、人である。22日午前中から、ヤンゴン、マンダレー、パテイン、タウンジー、トウングー、モーラミャイン、ダウェイ・・・、SNSとドローンというIT手段の

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合法の装いで、スーチー国家顧問らの長期拘留ねらう 国内外の猛圧力で、クーデタ・レジーム打倒へ

著者: 野上俊明

 国軍はスーチー国家顧問を追起訴し、無期限の長期拘留によってNLDを孤立化させ反対運動を収束に向かわせようと企図。しかし全土に広がった反軍反クーデタ運動は、単一の司令塔によって指図されるものではなく、SNSを駆使した同時

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ミャンマー 反クーデタ・民政回復運動、全土を席捲!

著者: 野上俊明

 スーチー国家顧問はじめ民主人士(330人 2/14現在)の釈放と民政回復を求める運動は、ミャンマー全土に燎原の火のごとく広がっている。まさに88動乱の様相を呈しつつあるが、しかし大きく異なるのは血で血を洗う暴力は抑えら

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