野沢敏治の執筆一覧

音と音楽――その面白くて、不思議なもの(2)

著者: 野沢敏治・石塚正英

第2回 沈黙は金なり、いいえ音なり  >往< 野沢敏治さんへ、石塚正英から  一般に音のしない状態を無音といいますが、人がいるのになにも声が聞こえない状態を沈黙といいます。ところで、イギリスのカーライルが記したとされる「

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日本とスミスー近代市民社会論をつきぬけて(その2)

著者: 野沢敏治

3 内田義彦――「日本のスミスになりたい」 内田義彦はその悩み多き青年期を戦中の全体主義と戦後の復興および民主化のなかで過ごしました。繰り返しますが,戦中の全体主義はこう説いていました。日本は欧米の帝国主義に対して東亜協

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日本とスミスー近代市民社会論をつきぬけて(その1)

著者: 野沢敏治

今日で最終講義となりますが,研究としてはこれまでと同じく経過点にすぎません。 私はこれまでヨーロッパの経済学史と日本の思想史を二つの軸として研究し,講義してきました。この二つ,あまり関連ないように見えますが,私にとっては

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スミス『国富論』の「見えざる手」と『道徳感情論』の「見えざる手」

著者: 岩田昌征

 第248回現代史研究会(2010年11月27日)の野沢敏治氏の講義はアダム・スミスを縦横に論じて刺激的であった。  ここでは野沢氏が『国富論』第4編第2章の「見えざる手」パラグラフを全文紹介してくれていたことを活用して

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「市民社会と政治家、帝国の再編――アダム・スミスの可能性」の予定論題(現代史研究会)

著者: 野沢敏治

はじめに 今回の報告にあたって スミスほど利己心を激しく批判し、現実の利己心の強さを思い知らされた人はいない その彼は一体どういう自由貿易論を展開したのか 1 日本の最良のスミス研究から学ぶ 社会は倫理的にも経済的にもた

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内村鑑三 : 日本の基督者になる――先人の営みから――(4)

著者: 野沢敏治

 札幌に観光スポットの時計台がある。今では周りのビルに埋もれそうになっている。その2階に明治の北海道開拓時代を伝える展示室がある。そこをちょっと注意してみていると、「イエスを信ずる者の誓約」という文書を見ることができる。

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山路愛山 : 時勢の変化に応じた考えを――先人の営みから――(3)

著者: 野沢敏治

歴史の効用について  過去のことを知ると、今ではどうなんだろうと気になる。そうなれば歴史研究は一つの現代研究となるだろう。言うまでもないが、歴史がじかに現在の問題に答えてくれることはない。幕末から明治維新のころは、日本が

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田口卯吉:「日本のスミス」はどこにいるか――先人の営みから――(2)

著者: 野沢敏治

 田口卯吉、この名は高校の日本史の授業で聞いたことがあるだろう。田口は明治の文明開化期にあって自由貿易を説いた人である。自由貿易と言えば、アダム・スミス。だから彼は「日本のスミス」と称された。私も最初はそんなものかと受け

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