中学一年の際に第二次世界大戦の幕開けを経験したギュンター・グラスはドイツ敗戦の直前、十七歳の少年兵として東方国境の最前線へ送られた。文字通り九死に一生を得る極限状況を体験し、戦後のドイツで良心的な社会派作家として不動の
本文を読むギュンター・グラスの執筆一覧
二十世紀文学の名作に触れる(30) ギュンター・グラスの『ブリキの太鼓』――読者を仰天させる新奇な物語(下)
著者: 横田 喬1941年秋、ドイツ軍はモスクワ西方の戦線でロシア軍を相手に泥沼に落ち込んだ。十七歳の僕オスカルもまた、視界不明でもがいていた。そんな僕に「世界市民」の看板を掛けさせるよう導く教師たる小人の道化者べブラ師が立ち現れる。
本文を読む二十世紀文学の名作に触れる(29) ギュンター・グラスの『ブリキの太鼓』――読者を仰天させる新奇な物語(上)
著者: 横田 喬1999年にノーベル文学賞を受けた現代ドイツ最大の作家ギュンター・グラス(1927~2015)の代表作が表題の『ブリキの太鼓』だ。59年に発表(処女作)され、作家としての地位を確立した同作は文庫版(集英社:訳・高本研一
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