ゴールディングの執筆一覧

二十世紀文学の名作に触れる(33) 『蠅の王』のゴールディング――倫理的・実存的な関心を貫いた異色作家

著者: 横田 喬

 プーチン・ロシアによるウクライナ侵略で明らかなように、人の心の中には「内なるナチズム」が潜んでいる。物理的に絶対な暴力と向き合った時の「正義」の脆弱性こそ、人間の根底にある「根源悪」の何よりの証明ではないか。イギリスの

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二十世紀文学の名作に触れる(32) ゴールディングの『蠅の王』――少年漂流物語の体裁で追究する人間の根源悪

著者: 横田 喬

 1983年にノーベル文学賞を受けたイギリスの作家ゴールディングの代表作が表題の『蠅の王』だ。「蠅の王」とは、聖書に出てくる悪魔ベルゼブル(ベルゼバブ)を指す。この作品は、ジュール・ヴェルヌの『十五少年漂流記』を架空の未

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