ぶどう畑の道をひたすら歩く 翌日の朝は、雲も広がり、やや冷え込み、薄いセーターが手離せなかった。宿のすぐ隣にある萬福寺に立ち寄ってみた。山門をくぐると、すぐ左手の巨樹の太さに圧倒される。「山梨の巨樹・名木百選」の札があ
本文を読む内野光子の執筆一覧
ぶどうの郷の「藤切り祭」とワインの旅(1)
著者: 内野光子すでに鉄線満開の連休直後 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 大善寺藤切り祭、5月8日 今回は、連れ合いたっての旅、すべておまかせの旅程だった。近場だけれど、二泊してゆっくりしようということで、評判の良い民宿も予
本文を読む憲法記念日にふたたび~『あたらしい憲法のはなし』
著者: 内野光子わが家にある『あたらしい憲法のはなし』は「昭和22年8月2日翻刻発行」である。仙花紙というのか、用紙はすでに茶色、表紙もご覧のように、すすけて、その綴じも今にも崩れそうである。これは、1933年生まれの次兄が、疎開先の中
本文を読む「天皇の短歌」と代替わり~憲法記念日に考えたい
著者: 内野光子近頃は「来たァ~」なんて言うのは、すでに古い?!代替わりの前日4月30日の新聞、わが家の購読紙のうちの二紙に、やはり天皇・皇后の歌が出たのである。 『朝日新聞』は、一頁全面の上半分に「天皇陛下の歌」、下半分に「皇后美智子
本文を読む改元の狂騒の中で~「寄り添う」という言葉のうらおもてを考える
著者: 内野光子きょう、4月30日の朝日新聞は、異様な紙面構成だった。これは丸ごと保存しておかねばならない!一面トップと二面とにおいて、新元号に安倍首相が関与したことを示す記事と「退位の日『象徴』と『統合』模索は続く」と題した社説で一見
本文を読む5月18日、「斎藤史」について報告することになりました
著者: 内野光子今年の1月に『斎藤史『朱天』をから『うたのゆくへ』の時代』(一葉社)を出版しました。そんなこともあって、「短歌サロン九条」から「斎藤史」について報告をとの依頼がありました。「短歌サロン九条」は、隔月で、開催されている勉強
本文を読むわが町の市長選も終わってみれば、現職を破った新人というが?
著者: 内野光子4月21日、投票日午後、違反ポスターは、ここにも。 4月15日の当ブログ記事で、現職だった市長と地元業者との関係、麻生太郎との二連違反ポスターについて伝えたが、その候補者は、新人に敗れた。その開票結果は下記の通りだ。 4
本文を読む違法ポスターをはずさない、現職市長候補~佐倉市では、また、こんなことが
著者: 内野光子私たちの佐倉市も、市長選、市議選の選挙が始まった。もう数週間前から気になっていたのだが、現職市長と財務大臣の顔と名前が大きいポスターが、街のあちこちにいっせいに張り出された。大臣の名前の上には「弁士」となっているから、申
本文を読む「松本昌次さんを語る会」に参加、その前に「東京都戦没者霊苑」へ
著者: 内野光子3月30日の「文学散歩・春日・小石川」に続いて、4月6日にも丸ノ内線「後楽園」で下車、2週続けての後楽園である。少し早めに出たので、先日の文学散歩で素通りしてしまった「東京都戦没者霊苑」へ向かった。駅前の礫川公園の端の春
本文を読む「文京区春日・小石川=坂戸文学をめぐって」に参加しました(2)伝通院から安藤坂・牛坂・金剛寺坂・今井坂・吹上坂・播磨坂を経て石川啄木終焉の地へ
著者: 内野光子善光寺坂から伝通院へは新しい道ではなく旧道をのぼる。徳川家康の生母、於大のために建立、千姫の墓所もある。大河ドラマの世界にはあまり関心はないのだが、ここには、古泉千樫、佐藤春夫、柴田錬三郎らの墓地もある。かつては、一帯で
本文を読む「文京区春日・小石川=坂と文学をめぐって」に参加しました(1)富坂から堀坂・六角坂、善光寺坂へ
著者: 内野光子新元号発表、代替わりの迫る中ながら、3月30日、日本社会文学会が開催する「文学散歩」に初めて参加した。今回は、「春日・小石川」ということで、何とか参加したいと思っていた。というのは、池袋で育った私は、地元の池袋第五小
本文を読む新元号発表狂騒でシャッフルされてはならないこと
著者: 内野光子きのう、4月1日、午後の数時間、家を空けていたが、10時半頃から、新聞やテレビを飛び飛びに読んだり、見ていたりした。元号発表が何で「秒読み」までされて報道されなければならないのか。政府は、これまでの、山と積まれた失
本文を読むお彼岸に生家へ、あらためて「池袋の森」へ
著者: 内野光子お彼岸ながら、お墓参りは失礼して、池袋の生家の仏壇にお花だけでもと思い、出かけた。池袋の西口から地上に出るたびに、駅前の様相や生家付近の平和通りの様子が少しづつ変わっていく。生家は、長兄が亡くなった後は、義姉が一人で、
本文を読む自治会総会の季節がやってくる~自治会の法人化は何をもたらすか
著者: 内野光子私の住む町内の自治会の総会は、いつもは四月に入っての日曜日なのだが、地方選挙もあってか、まさに年度末の3月31日に開催となった。その回覧板のリストから、お隣さんの欄に線が引かれていた。退会らしい。昨年は、東のお隣さんが退
本文を読む改元奉祝のなかで、「天皇依存」の系譜(2)そして、歌人たち
著者: 内野光子天皇が原発をやめよと言い給う日を思いおり思いて恥じぬ(吉川宏志) 『短歌』2011年10月 『燕麦』2012年所収) 東日本大震災による原発事故の直後に、吉川宏志が発表した作品である。当時、結句の「恥じぬ」の解釈をめぐっ
本文を読む改元奉祝のなかで、「天皇依存」の系譜(1)<リベラル>な人々
著者: 内野光子大辻隆弘の「短歌と天皇制」(2月17日『朝日新聞』)について書くにあたって、自著と手元の本や新聞・雑誌のスクラップなどを読み返してみた。大辻が、「リベラル派」というわけではないが、「リベラル派」の「天皇依存症」について考
本文を読む「短歌と天皇制」(2月17日『朝日新聞』の「歌壇時評」)をめぐって(4)
著者: 内野光子「無反応」だったのか なお、前々回の記事で触れた子安宣邦の大辻時評にかかるツイートの「平成という時代が天皇制国家日本の強みを再確認しながら終わろうとするようなことをだれが予想しただろうか。今日の「朝日歌壇」の時評で歌人
本文を読む「短歌と天皇制」(2月17日『朝日新聞』の「歌壇時評」)をめぐって(3)
著者: 内野光子「天皇制アレルギー」って? 大辻のいう「天皇制に対するアレルギー」とは、何を意味しているのか、が分かりにくい。書き出しの一文からは、まず、戦後短歌の出発当初の「天皇制に対する拒否反応」が、「現在は薄らいでいる」という風
本文を読む歌人の顕彰とは
著者: 内野光子以下は、一昨日、届いた『ポトナム』誌上の「歌壇時評」である。担当の時評が終わってホッとしている。近くの小学校の裏の梅が満開であった。 *********** 昨年は、ポトナムでも大切な先達を失った一年だった。近年、千葉県
本文を読む「短歌と天皇制」(2月17日『朝日新聞』の「歌壇時評」)をめぐって(2)
著者: 内野光子「戦後短歌は皇室との関係を結ぶことに慎重だった」のか 大辻の冒頭の一文を繰り返せば、「太平洋戦争中、短歌は戦意高揚の具であった。天皇に忠誠を表す形で戦争協力歌が量産された。その反省から出発した戦後短歌は、皇室と関係を
本文を読む「短歌と天皇制」(2月17 日『朝日新聞』の「歌壇時評」)をめぐって(1)
著者: 内野光子「その反省から出発した戦後短歌」って、ホント? すでに、1週間以上も経ってしまったのだが、2月17日『朝日新聞』の「歌壇時評」の見出しは「短歌と天皇制」であった。皇室情報がメディアにあふれ出ているこの時期に、埋もれそうな
本文を読む在位30年記念式典にやはり登場した、天皇・皇后の短歌
著者: 内野光子きょう2月24日の政府主催の在位30年記念式典は、NHKだけが、14時から1時間の予定でフルの中継をしていた。もう一度録画で見るつもりだが、とりあえずの感想を述べておきたい。どこで少し狂ったのか、式典は、10分近く延びて
本文を読む青葉の森公園は梅の見ごろでした
著者: 内野光子2月21日、千葉市ハーモニープラザでのハーモニー歌会は、体調を崩して欠席の方々がいらして、少し寂しかったのですが、終了後、皆で近くの青葉の森公園に繰り出しました。まさに梅の見ごろで、30種類以上約1000本の梅は、久しぶ
本文を読む私の「1950~60年代の池袋」ベスト5は~「アド街」を見て
著者: 内野光子先週土曜日の「アド街」は池袋だった。、しかも「昭和の」がついていたのである。池袋生まれの私は、見逃すわけにはいかない。ほんの時々だが、アド街は、見ることはあったが、聞き流しの程度のことが多かった。 録画こそ取らなかったが
本文を読む直近のスーパーが撤退、コンビニと空き家が増えてゆく街
著者: 内野光子店に入って、すぐ、売り場が、やけに広々としているな、と思っていた矢先、近くのスーパー、マックスバリュが、2月いっぱいで閉店するという、小さな「お知らせ」の看板が目についた。10年間の感謝も述べられていたが、そう、2009
本文を読む1950年前後、何して遊んでた?金井さんのエッセイ集を読んで
著者: 内野光子金井美恵子さんから、お送りした拙著への感想と『暮しの断片(かけら)』(平凡社)という、新著エッセイ集をいただいた。画家の金井久美子さんとの合作の、いわば、大人の絵本ともいえる素敵な本だった。猫のエッセイや絵も多く、ねこ派
本文を読むなぜ元号にこだわるのか~使わないワケとは
著者: 内野光子私が会員になっている『ポトナム』の2月号に発表した「短歌時評」です。もともと表題はついていませんが、上記のように付けました。何度でも同じことを言っているような気がしますが、新しいファクトにもとづいて、言い続けるしかないか
本文を読む本の始末、資料の不始末~なぜ過去を捨てきれないのか?!
著者: 内野光子好きな言葉ではないが、これは「終活」の一つということになるのだろう。私が利用している生協の生活クラブで、古書の回収を年に2回ほど行っている。NPO法人を通して障がい者施設の支援に充てるという。アマゾンなどを利用して換金す
本文を読む昨年は、二つのインタビューを受けて~
著者: 内野光子昨年末、短歌誌『合歓』の発行人である久々湊盈子さんのインタビューを受けた。『合歓』では、毎号、歌人などのインタビュー記事があって、その人選びも中身も、聞き手のリードもあって、楽しく読ませていただいていた。今回、思いがけず
本文を読む2019年、歌会始は終わったが~召人は二人?
著者: 内野光子今年の歌会始の中継は、忘れずに見た。今の天皇夫妻にとっては最後の歌会始ということらしい。天皇の短歌ばかりが、メデイアでは繰り返されていた。 私が、とくに印象に残ったことといえば以下の通りだ。 平成最後の歌会始といっても、
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